八街市 (やちまたし)は、千葉県 の北部に位置する市 。
都市雇用圏 においては東京都市圏 に含まれる。基幹産業 として近郊農業 が盛んであり、落花生 の生産量は日本一である。
概要
明治時代 に入ると明治新政府 の政策により、江戸幕府 の放牧地 であった小金 ・佐倉 両牧の開墾順序ではなく開墾の計画順に新しい地名 が付けられ、8番目に予定されていた入植地 として八街と命名された。1992年(平成4年)に印旛郡 八街町が市制施行して八街市が発足した。
防風保安林 と落花生 の野積み による特徴的な農村景観 を有する。「八街市南部の防風保安林と落花ぼっち」が千葉県教育委員会によって「県民が選ぶ!『ちば文化的景観』」に選定されている[ 1] 。179ヘクタールの森林 が防風保安林に指定されている[ 2] 。
地理
千葉県のほぼ中央部に位置し、県庁所在地 である千葉市 から約20キロメートルの距離である。東京都 の都心 から約50 - 60キロメートル圏内である。都市雇用圏 における東京都市圏 に含まれ、千葉市 への通勤率は13.7% (平成22年国勢調査 )。印旛郡市 にも含まれる。
下総台地 の上にあるため地盤は固く、標高 は14 - 70メートルとなっているため、地震と水害に強いとされる。
市域
市の中央部は市街地を形成し、周囲には平坦な畑作地帯が広がっているほか、南西部及び北部に水田地帯が点在している。
東西に短く約7.7キロメートル
南北に長く約16キロメートル
面積は74.94平方キロメートル
国道409号線や県道22号線沿いにはスーパー、ホームセンターなどの量販店や飲食店が林立している。
気候
冬は周辺の佐倉市や成田市同様、千葉県の中では寒い内陸性気候 の地域で、朝は連日氷点下まで下がり、氷点下10度近い冷え込みになることもある。
冬明けから春先にかけて、ピーナッツ畑に何も植えられていない上、畑の土壌は関東ローム層 のために春風によって強い砂ぼこりが起こり、地元では「やちぼこり(俗称)」と呼ばれる[ 3] 。正式名称はちり煙霧 という。
隣接する自治体・行政区
人口
2005年の国勢調査で7万5735人を記録して以降は減少傾向にある。2021年の人口は約6万6000人。
八街市と全国の年齢別人口分布(2005年)
八街市の年齢・男女別人口分布(2005年)
■ 紫色 ― 八街市■ 緑色 ― 日本全国
■ 青色 ― 男性■ 赤色 ― 女性
八街市(に相当する地域)の人口の推移
1970年 (昭和45年)
25,357人
1975年 (昭和50年)
28,511人
1980年 (昭和55年)
31,939人
1985年 (昭和60年)
37,532人
1990年 (平成2年)
50,036人
1995年 (平成7年)
65,218人
2000年 (平成12年)
72,595人
2005年 (平成17年)
75,735人
2010年 (平成22年)
73,212人
2015年 (平成27年)
70,734人
2020年 (令和2年)
67,455人
総務省 統計局 国勢調査 より
歴史
令制国 時代は下総国 に含まれ、廃藩置県 の時代は印旛県 に属していた。
沿革
1889年(明治22年)4月1日 - 町村制 の施行により、八街村、文違村、榎戸新田、大関新田、雁丸新田の区域を以って印旛郡 八街村 が発足する。
1919年(大正8年)1月1日 - 八街村が町制を施行して八街町 が発足する。
1954年(昭和29年)10月31日 - 山武郡 日向村 のうち、大木、木原地区の一部を編入。
1954年(昭和29年)11月1日 - 川上村 と合併し、改めて八街町 が発足。
1956年(昭和31年)4月1日 - 山武郡山武町 沖渡の一部を編入。
1992年(平成4年)4月1日 - 八街町が市制 施行して八街市 が発足する。千葉県で30番目の市制施行であった。
地名について
行政
市長
2010年 (平成22年)11月28日初当選(62歳、無所属 [ 4] )[ 5] 、12月11日就任。2014年 (平成26年)11月16日、無投票で2選(66歳)[ 5] 、12月11日再任。現在4期目で、任期 満了日は2026年 (令和 8年)12月10日。
2022年 (令和4年)4月1日就任。任期満了日は2025年 (令和7年)3月31日。
歴代首長
出典 -(外部リンク) 八街市役所総務部秘書 (2012年). “歴代市長・歴代副市長・歴代教育長 ” (PDF). 平成23年版統計書 . 八街市. 2018年3月29日 閲覧。
歴代八街町長
八街市役所は、1919年 (大正 8年)1月1日 に発足した第一次八街町と、1954年 (昭和 29年)11月1日に川上村 と合体(新設合併) したうえで発足した第二次八街町とを完全に区別している様子で、八街市役所が解説する「歴代八街町長」は、第二次八街町歴代町長のことである。
首長 の代数(歴代)の数え方は何種類もあるが、本節では a, b を添える形で書き分けながら解説する。表示欄では「代a」「代b」という名で2種類を記載した。a は就任のあるたびにカウントする方式に基づく代数であり、b は同一人物による連続就任をカウントしない方式に基づく代数である。第二次八街町と八街市は a の方式を採っているが(他の例:八王子市 、弘前市 [1] 、浜松市 [2] )、b の方式を採る自治体も多く(例:京都市 [3] 、大垣市 [4] )、a と b の違いを認識しないまま単純に比較すると誤解が生まれる。なお、返り咲きがあろうとも同一人物を1カウントとする方式もあるが、これを第二次八街町に当てはめた場合、町長は全4代ということになる。
代a
代b
氏名
就任年月日
退任年月日
備考
1
1
池田 瀧治
1954年 (昭和 29年)12月11日
1958年 (昭和33年)12月11日[ 注 1]
八街町が川上村 と合体(新設合併) したうえで、改めて八街町(第二次八街町)を発足し、池田瀧治が初代町長に就任。1期目4年を満了。
2
1958年(昭和33年)12月11日
1962年 (昭和37年)12月10日
2期目4年を満了。
3
2
山本 昇
1962年(昭和37年)12月11日
1966年 (昭和41年)12月10日
1期4年を満了。
4
3
池田 瀧治
1966年(昭和41年)12月11日
1970年 (昭和45年)12月10日
通算3期目4年を満了。
5
4
内山 正吉
1970年(昭和45年)12月11日
1974年 (昭和49年)12月10日
1期4年を満了。
6
5
山本 昇
1974年(昭和49年)12月11日
1978年 (昭和53年)12月10日
通算2期目4年を満了。
7
1978年(昭和53年)12月11日
1982年 (昭和57年)12月10日
通算3期目4年を満了。
8
6
原口 行光
1982年(昭和57年)12月11日
1986年 (昭和61年)12月10日
1期目4年を満了。
9
1986年(昭和61年)12月11日
1990年 (平成 2年)12月10日
2期目4年を満了。
10
1990年(平成2年)12月11日
1992年 (平成4年)3月31日
3期目の満了を待たず、市制施行の前日に退任し、翌日、市長に就任。
歴代八街市長
八街市は第二次世界大戦後 の生まれ、平成 生まれで、完全普通選挙 時代の到来以降に成立した市である。したがって、八街市長選挙 は第1回から公選 であった。官選 時代は存在しない。
代a
代b
氏名
就任年月日
退任年月日
備考
公 選 市 長
1
1
原口 行光
1992年 (平成 4年)4月1日
1994年 (平成6年)12月10日
市制 施行の前日に第二次八街町第10代町長を退任し、翌日、初代市長に就任。町長時代から継続する3期目の任期4年を満了して退任。
2
2
長谷川 健一
1994年(平成6年)12月11日
1998年 (平成10年)12月10日
1期目4年を満了。
3
1998年(平成10年)12月11日
2002年 (平成14年)12月10日
2期目4年を満了。
4
2002年(平成14年)12月11日
2006年 (平成18年)12月10日
3期目4年を満了。
5
2006年(平成18年)12月11日
2010年 (平成22年)12月10日
2006年(平成18年)11月26日、70歳で4選[ 5] 。4期目4年を満了。
6
3
北村 新司
2010年(平成22年)12月11日
2014年 (平成26年)12月10日
2010年(平成22年)11月28日、62歳で初当選[ 5] 。無所属 [ 4] 。1期目4年を満了。
7
2014年(平成26年)12月11日
2018年 (平成30年)12月10日
2014年(平成26年)11月16日、66歳、無投票で2選[ 5] 。2期目4年を満了。
8
2018年(平成30年)12月11日
2022年(令和4年)12月10日
2018年(平成30年)11月18日、70歳、無投票で3選[ 5] 。3期目4年を満了。
9
2022年(令和4年)12月11日
(現職)
2022年(令和4年)11月20日、74歳で4選[ 5] 。任期満了日は2026年 12月10日。
役所・施設
市役所
税務署
他の市民サービス施設
(外部リンク)八街市役所総務部秘書広報課. “公共施設利用案内 ”. 公共ウェブサイト . 八街市. 2018年3月30日 閲覧。
市の施設
八街市総合保健福祉センター
八街市立図書館 - 八街ほ800-1
八街市視聴覚教材センター - 八街市立図書館内に所在。
八街市中央公民館 - 八街ほ796-1
八街市郷土資料館 - 八街ほ800-3
八街市スポーツプラザ - 八街い84-10
八街市総合保健福祉センター
市営運動場
中央グラウンド、東部グラウンド、西部グラウンド、南部グラウンド、北部グラウンド、榎戸サッカー場
やちまたキャンプ場 - 用草458-1
八街中央公園テニスコート - 八街ほ
県の施設
千葉県畜産総合研究センター - 八街へ16-1
千葉県農業総合研究センター育種研究所畑作物育種研究室落花生試験地 - 八街へ199
国の施設
その他
警察・消防・司法
八街市に警察署 は所在せず、隣接する佐倉市 に所在する佐倉警察署 が市内全域を管轄する。通常の交番 よりも規模の大きい八街幹部交番 (八街市八街ほ)が設置されており、八街市内における車庫証明 などの手続きは佐倉警察署ではなく、八街幹部交番で行う。
浄水・処理施設
採水源 - 市内の深井戸 8本(榎戸1 - 5号井、大木1・3・4号井)の地下水 原水、および、印旛郡市 広域市町村圏事務組合から供給される浄水 (榎戸系1、大木系1)。[ 7]
第1配水場(大木配水場) - 大木671-55。[ 7]
第2配水場(榎戸配水場) - 榎戸415。応急給水拠点でもある。[ 7]
八街市クリーンセンター - 用草500番地他 地先に所在。焼却処理施設。2002年度(平成14年度)使用開始。
印旛衛生施設管理組合 - 当組合は、佐倉市 、四街道市 、八街市、富里市 、酒々井町 の、4市1町で組織されている。1963年(昭和38年)4月5日設立。
汚泥再生処理センター - 佐倉市宮本332に所在。し尿及び浄化槽汚泥の処理施設。2002年(平成14年)使用開始。[ 8]
八街市一般廃棄物最終処分場 - 用草滝ノ谷津339。山間埋立施設。1981年度(昭和56年度)使用開始。2024年度終了予定。[ 9]
議会
市議会
定数:20名
任期:2023年(令和5年)9月16日〜2027年(令和9年)9月15日
議長 : 山口孝弘(誠和会)
副議長 : 小澤孝延(やちまた21)
会派名
議席数
議員名(◎は代表)
誠和会
6
◎小菅耕二、山口孝弘、木村利晴、鈴木広美、小川喜敬、小山昌弘
公明党
4
◎角麻子、木内文雄、栗林澄恵、清水顕司
やちまた21
3
◎加藤弘、林政男、小澤孝延
CHANGE八街
3
◎桜田秀雄、木村由希子、後藤祐樹
日本共産党
2
◎丸山わき子、若泉聡志
新誠会
2
◎小高良則、石井孝昭
県議会
選挙区:八街市選挙区
定数:1名
任期:2023年(令和5年)4月30日〜2027年(令和9年)4月29日
氏名
会派名
当選回数
山本義一
自由民主党千葉県議会議員会
5
衆議院
選挙区:千葉9区 (千葉市 若葉区 ・佐倉市 ・四街道市 ・八街市)
任期:2021年10月31日 - 2025年10月30日
投票日:2021年10月31日
当日有権者数:407,331人
投票率:53.01%
地域
郵便事業
八街郵便局
八街郵便局 - 八街ほ234
南八街郵便局 - 八街に52−2
八街文違郵便局 - 文違301-853
川上郵便局 - 勢田842-5
八街山田台郵便局 - 山田台127-2
榎戸駅前郵便局 - 八街ろ183-158
医療機関
医療提供施設 は特筆性の高いもののみを記載する。
夜間休日救急医療
印旛市郡小児初期急病診療所 - 佐倉市 江原台 2-27に所在。
成田市急病診療所 - 成田市 赤坂 1-3-1に所在。
一次医療圏
新八街総合病院 - 総合病院 。八街ほ137-1。診療科目:内科、小児科、外科、胃腸科、耳鼻科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、皮膚科、婦人科、リハビリテーション科、眼科、歯科、小児歯科、口腔外科。
長谷川病院 - 八街に85。診療科目:内科、皮膚科、整形外科、泌尿器科、リハビリテーション科。
南八街病院 - 四木1241-2。診療科目:精神科、神経科、内科。
海保病院 - 八街ほ386。診療科目:外科、内科(消化器)、整形外科、リハビリテーション科。
榎戸クリニック - 榎戸558-1。診療科目:内科、小児科、循環器科、呼吸器科。
ひじかいクリニック - 文違301-3989。診療科目:内科、麻酔科、整形外科、外科。
湯沢クリニック - 八街ほ227-1。診療科目:内科、外科、小児科、リハビリテーション科。
広域医療圏
八街市が属する広域医療圏 は、二次医療圏(二次保健医療圏)としては「印旛医療圏」(管轄区域:成田市 、佐倉市 、四街道市 、八街市、印西市 、白井市 、富里市 、酒々井町 、栄町 )[ 10] [ 11] である。
三次医療圏は「千葉県医療圏」(管轄区域:千葉県全域)。
教育
高等学校
中学校
小学校
八街市立川上小学校
八街市立交進小学校
八街市立笹引小学校
八街市立朝陽小学校
八街市立実住小学校
八街市立八街北小学校
八街市立八街東小学校
八街市立二州小学校
特別支援学校
その他
産業
落花生畑
主に第1次産業 (農業 )中心で、ニンジン 、サトイモ 、ダイコン 、スイカ など、野菜類の出荷が多い。落花生 の生産量は日本一である[ 12] 。
商業
グリーンタウンやちまたショッピングセンター
スプロール現象 が顕著であり、目立った中心市街地は形成されていない。また、ドーナツ化現象 が進んでおり、駅前市街地よりも文違地区や五区地区を中心にロードサイド店舗 の進出が目立っている。
本社・本店を置く企業
主な小売店業
交通
JR総武本線では列車の本数が若干増加しているが、路線バスは市南部、東金方面へ向かうものを中心に廃止、減便されている。市内に高速道路のインターチェンジはなく、主に東関東自動車道 の佐倉IC ・酒々井IC 、千葉東金道路 の山田IC ・東金IC 、圏央道 の山武成東IC の利用が挙げられる。
鉄道路線
東日本旅客鉄道 (JR東日本)
バス路線
千葉交通(八街駅)
高速バス
路線バス
道路
国道
県道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
名所・旧跡・観光スポット
八街神社
寝釈迦
ピーナッツの御土産屋(主に八街駅周辺、国道409号、千葉県道22号千葉八街横芝線、千葉県道43号八街三里塚線沿いなどに点在している)
祭事・催事
八街大祭での踊りの披露
やちまた駅北口市(毎月第2日曜日)
八街市ピーナッツ駅伝大会(1月)
八街市ロードレース大会(2月)
八街市民音楽祭(5月)
八街ふれあい夏まつり(8月)
榎戸獅子舞奉納(10月)
八街大祭(11月)
八街市産業まつり(11月)
文化財
千葉県指定および国登録文化財 一覧[ 13] 。
番号
指定・登録
類別
名称
所在地
所有者および管理者
指定年月日
備考
1
県指定
有形文化財(歴史資料)
小金原のしし狩り資料・色羽織1枚・村小旗2枚・稲葉神明社の絵馬1面
八街市八街ほ800-3他
個人・神明社他
昭和42年3月7日
3枚・1面
2
国登録
登録有形文化財(建造物)
千葉黎明学園生徒館
八街市八街ほ628他
千葉黎明学園
平成25年3月29日
1件
出身有名人
昭和 生まれ
平成 生まれ
名誉市民
八街町名誉市民 条例 は、1967年 (昭和42年)3月11日 に制定。1992年 (平成4年)3月19日 に八街町名誉町民条例を改正する形で八街市名誉町民条例が制定された[ 14] 。
八街町名誉町民
八街町名誉町民条例名誉市民
八街市に移行後、2018年3月時点で名誉市民に新規で選ばれた者はいない。
ゆかりのある人物
その他
脚注
注釈
^ 公職選挙法 第102条の規定により、職務代理権の喪失は当選人の告示日と同日。前日ではない。
出典
参考文献
出典1 -(外部リンク) “苦難の開拓に始まった近世以降の八街のあゆみ ”. 八街市勢要覧「八街物語」(公式ウェブサイト) . 八街市. 2018年3月29日 閲覧。 ※1953年(昭和28年)以前の歴史。
出典2 -(外部リンク) “八街のあゆみ ”. 公式ウェブサイト . 八街市. 2018年3月29日 閲覧。 ※1954年(昭和29年)以降の歴史。
出典2 -(外部リンク) “2007年統計 ”. 公式ウェブサイト . 八街市 (2007年). 2018年3月30日 閲覧。 ※昭和42 - 50年の歴史。
出典1 -(外部リンク)“市内医療機関一覧 平成29年度版 ” (PDF). 公式ウェブサイト . 八街市 (2018年). 2018年3月29日 閲覧。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
八街市 に関連するカテゴリがあります。