北山村
北山村(きたやまむら)は、和歌山県東牟婁郡の村。紀南地域[1](東牟婁圏域[2])に属する。また全村域が奈良県および三重県と接しており、和歌山県の飛地となっている。 概要紀伊半島南部の山間部に位置しており、和歌山県全体でも最東端に位置する自治体である。平成の大合併で県内の他の村が消滅した結果、和歌山県で唯一の村となった。 和歌山県に属しながら、周囲を奈良県と三重県に囲まれており、都道府県単位の飛地がそのまま領域になっている、日本では唯一の自治体である。また、1889年の町村制施行以来一度も他の市町村との合併をしていない。 地理位置紀伊半島南部の山間部に位置している。その村域の約97%が山林地帯であり、三重県熊野市との境を流れる北山川沿いにある村の南端部分に小さな集落が点在する。 可住地面積は3.72km2であり、可住地人口密度は122人/km2となっている。 地形山地
河川
地域大沼地区、下尾井地区、竹原地区、七色地区、小松地区に分かれていて各地区を北山川に沿って国道169号が結んでいる。以下各地区について詳述する。
人口
隣接自治体歴史近世
古来よりこの辺りで木材を切り出し、北山川から木材流送を行い下流の新宮で商人がそれを受け取り売るという形態でこの辺りの人々の暮らしが成り立っており、新宮との結びつきが強く江戸時代にはこの地域は紀州藩新宮領に属していた。 近代廃藩置県で新宮が和歌山県に入ると、この村は新宮との結びつきの強さゆえに和歌山に入ることを望み、それが叶った結果、飛び地村が出来た。以降、1889年(明治22年)に自治体として発足して以来この村に合併などは一切なく、飛び地ゆえに人口が少なくとも一村を維持してきた。 戦後ダム建設により、熊野市までの道路が整備され、現在はむしろ三重県の熊野市などとの結びつきが強くなった。三重県の市町村との合併により和歌山県の飛び地でなくなろうという動きも見られたが、住民投票の結果和歌山県に残った。2005年に多く行われた市町村合併のときは、新宮市に合併する具体案があったが、直前に中止になった。 政治行政村長
議会村議会
施設警察
消防
郵便局
和歌山県の郵便番号は640から649までの間となるが、当村の番号は2008年10月31日まで三重県のものと同じく510番台だった。これは村内の郵便の集配業務を行う大沼集配センターが東海支社熊野郵便局の管轄だったためである。2008年11月1日をもって大沼郵便局の管轄が近畿支社の和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の紀伊勝浦郵便局(和歌山県)へ変更されたため、郵便番号も519-56から647-16に変更され、例外状態は解消された。 経済第一次産業農業
第三次産業水運業
筏は大台ケ原方面から新宮まで北山川を流し運ばれ、北山村大沼付近が中継点となっていた。 上流の筏師はここから引き返し、下流は北山村の筏師が引き継ぎ、夏場は2日程度、冬場は3日程度かけて新宮まで材木を運搬していた。北山川でも北山村から瀞峡付近までが最大の難所とされた。現在の北山川観光筏下りの最初の瀬であるオトノリはかつて弟乗りといわれ、後継ぎの長男は乗らないといわれた逸話がある。ここを乗り切る北山村の筏師の櫂さばきは筏師の華とされていた。 北山川の筏師の技術は国外でも評価され、鴨緑江まで請われ出稼ぎに行った話も伝えられており、鴨緑江では馬賊に襲われたことがあるといわれている。命がけで材木を新宮港まで運ぶ筏師は非常に高収入だったといわれ、新宮まで下ると高額な報酬を手にすることができたが、新宮で豪快に遊んで帰ったため資産は蓄えなかったともいわれている。 食糧難だった時代には、宿泊する宿に食料を持参してくるため、筏師は大喜びで迎えられたようである。 戦後にダム建設計画、道路整備計画があり、村内にダムと道路網が整備されて、筏流しの文化は1964年(昭和39年)3月を最後に一旦途絶えた。 しかし復活してほしい要望があり、1979年(昭和54年)に北山川観光筏下りとして復活し、当時の筏師に再び活躍の場が与えられた。 情報・通信マスメディア
生活基盤ライフライン電信
教育1980年代初頭に村内では小中学校の統合が進められた結果、小学校が村立北山小学校、中学校が村立北山中学校のみとなる。高等学校および大学などはない。なお、北山小学校と北山中学校は同敷地内に併設されている。 中学校
小学校
交通鉄道村内を鉄道は走っていない。 鉄道路線バス路線バス
道路国道県道道の駅観光かつて北山川上流のこの地から木材を筏で流して下流の町に運んでいたことにちなんだ北山川の観光筏下りも知られる。 名所・旧跡
観光スポット広報村ぶろ2007年3月31日(β版プレオープン日)から2018年6月1日まで、『村ぶろ』の名称で村営の公式サイトが運営されていた。 2011年7月5日よりはTwitterアカウントとして「村ぶろ_@murablostaff[4]」を開設しての情報発信も行われていたが、2016年11月2日以降更新はなされていない(※2019年9月20日現在)。 2018年より、北山村地域事業課の公式アカウントである「じゃばらくん@和歌山県北山村_@kitayama_jabara[5]」及び北山村観光協会の公式アカウントである「北山村観光協会_@kitayamamura[6][注釈 1]」がTwitterにて情報を発信している。
脚注注釈
出典
参考文献
関連項目外部リンク
|