富士見市(ふじみし)は、埼玉県の南西部[注釈 1]に位置する市。
人口は約11万人。1972年(昭和47年)市制施行。
概要
市の名は富士山がよく見えることに由来する[2]。市章は、中央に富士の見える市ということで富士をおき、周囲に3本の川(荒川、新河岸川、柳瀬川)と旧3か村(鶴瀬村、南畑村、水谷村)の合併を意味した円を配し、富士見を象徴したもの。
いわゆる「昭和の大合併」で、鶴瀬村を中心に発足した「鶴瀬行政支会合併促進研究会(通称:鶴瀬ブロック)」のうち鶴瀬、南畑、水谷の3か村の合併により富士見村が誕生。そのまま町制、市制を施行した。
「平成の大合併」では昭和の時とほぼ同じ範囲での協議が進められ、上福岡市、入間郡大井町(以上、現・ふじみ野市)及び入間郡三芳町との合併が協議された。住民投票の結果、富士見市(2000年国勢調査人口103,247人)では合併賛成が上回ったが、上福岡市(2000年国勢調査人口54,630人)・大井町(2000年国勢調査人口45,488人)では住民投票成立の条件とした投票率が規定に満たずに不成立、三芳町(2000年国勢調査人口35,752人)では住民投票は成立したものの合併反対が賛成を上回ったため、合併協議は中止になった。
地理
埼玉県の南部に位置し、県庁所在地のさいたま市と接し県庁まで約10km、東京都心部から約30kmの距離にある。関東平野の中にあり、山はない。市域の北東側半分は荒川と新河岸川が流れる低地で、南西側半分は台地(武蔵野台地)である。北東側には水田が広がり、南西側に東武東上線沿線から発達した市街地がある。
位置
- 海抜 8m-21m
- 東西 7.0 km
- 南北 6.8 km
隣接している自治体・行政区
市勢
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富士見市と全国の年齢別人口分布(2005年)
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富士見市の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 富士見市 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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富士見市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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51,775人
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1975年(昭和50年)
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70,391人
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1980年(昭和55年)
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79,591人
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1985年(昭和60年)
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85,697人
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1990年(平成2年)
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94,864人
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1995年(平成7年)
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96,972人
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2000年(平成12年)
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103,247人
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2005年(平成17年)
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104,748人
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2010年(平成22年)
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106,746人
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2015年(平成27年)
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108,102人
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2020年(令和2年)
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111,859人
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総務省統計局 国勢調査より
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歴史
先史時代
縄文時代初期は温暖化によって海面が上昇し、市内にも海水が及んでいたとされ(縄文海進)、水子貝塚(国の史跡)が現在も残っている[3]。富士見市を含む水域は奥東京湾[4] 又は古入間湾(奥東京湾のうち大宮台地の西側)[5] と呼ばれる。
近代
- 1873年(明治6年) - 初めての学校(現在の鶴瀬小学校)が開校する。
- 1889年(明治22年) - 町村制施行に伴い、入間郡鶴馬村、勝瀬村が合併し「鶴瀬村(つるせむら)」が、入間郡上南畑村、下南畑村、南畑新田、東大久保村が合併し「南畑村(なんばたむら)」が、入間郡水子村、針ヶ谷村が合併し「水谷村(みずたにむら)」が、それぞれ誕生する。
- 1914年(大正3年)5月1日 - 東上鉄道(現在の東武東上線)の開通。同時に鶴瀬駅(鶴瀬東1丁目11-1)開業。
- 1923年(大正12年)11月 - 南畑小作争議。これに参加した渋谷定輔が『農民哀史』を書く。
- 1936年(昭和11年) - 鶴瀬村役場(のちの富士見村役場、富士見町役場、初代富士見市役所として使用)が建設される。
- 1944年(昭和19年)2月 - 水谷村が北足立郡(きたあだちぐん)志木町(しきまち、現志木市)・内間木村(うちまぎむら、現朝霞市)、入間郡宗岡村(むねおかむら、現志木市)と合併し北足立郡志紀町(しきまち)になる。
戦後
行政
歴代市長
行政機関等
- 富士見市役所
- 水谷出張所
- 南畑出張所
- 西出張所(鶴瀬駅ビル、サンライトホール内)
- 水谷東出張所
- みずほ台出張所
- ふじみ野出張所(ふじみ野駅舎内からふじみ野駅東口へ移転)
- 鶴瀬駅東口整備事務所
広域行政
- 一部事務組合
- 志木地区衛生組合 - ごみ処理が目的。富士見市、志木市、新座市で組織。
- 入間東部地区事務組合 - 消防に関する事務、し尿処理に関する事務、火葬場・斎場運営。富士見市、ふじみ野市、入間郡三芳町で組織。平成30年4月1日、入間東部地区消防組合と入間東部地区衛生組合が統合して誕生。
- 入間東部地区事務組合消防本部(ふじみ野市大井中央1丁目1番119号)
- 入間東部広域斎場 しののめの里(富士見市大字下南畑70番地)
議会
富士見市議会
- 定数:21人
- 任期:2021年4月1日 - 2025年3月31日[11]
埼玉県議会
- 選挙区:西6区富士見市選挙区
- 定数:1人
- 任期:2023年4月30日 - 2027年4月29日
- 投票日:2023年4月9日
- 当日有権者数:92,233人[12]
- 投票率:34.92%
候補者名 |
当落 |
年齢 |
党派名 |
新旧別 |
得票数
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八子朋弘 |
当 |
49 |
無所属 |
現 |
20,620票
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金子勝 |
落 |
62 |
自由民主党 |
元 |
11,088票
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衆議院
姉妹都市・提携都市
国内
提携都市
~笑顔のチカラ つなげるオモイ~ 地域連携協定(ももいろクローバーZが行う地域創生を目的としたライブの、開催地間で結ばれる協定)[14]
海外
- 姉妹都市
地域
町名
富士見市では、一部の区域で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されている。
公共施設
- 市の施設
- 保育所
- 第一保育所(定員90名)
- 第二保育所(定員90名)
- 第三保育所(定員90名)
- 第四保育所(定員120名)
- 第五保育所(定員90名)
- 第六保育所(定員90名)
- 地域包括支援センター
- 富士見市立健康増進センター
- 富士見市市民福祉活動センター ぱれっと
- 富士見市老人福祉センター・びん沼荘
- 富士見市高齢者いきいきふれあいセンター
- 富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ
- 富士見市立サンライトホール
- 富士見市立勤労文化会館
- 富士見市立南畑ふれあいプラザ
- 富士見市立公民館
- 富士見市立コミュニティーセンター
- 鶴瀬コミュニティーセンター
- みずほ台コミュニティーセンター
- 針ヶ谷コミュニティーセンター
- 富士見市立交流センター
- 富士見市立図書館
- 中央図書館
- ふじみ野分館
- 鶴瀬西分館(旧鶴瀬西小学校内にあり、同校の統合・移転にともない一時閉館。2009年(平成21年)4月のつるせ台小学校新校舎完成とともに校内に再開館した。)
- 水谷東公民館図書室
- 富士見市立市民総合体育館
- 富士見ガーデンビーチ(市民プール、2022年度に廃止[16])
- 富士見市営運動公園
- 富士見市立資料館
- 富士見市立駐輪場
- 鶴瀬駅東口
- みずほ台駅東口
- みずほ台駅東口臨時公営自転車置場(無料)
- みずほ台駅西口
- みずほ台駅西口第2
- みずほ台駅西口第3
- みずほ台駅西口臨時公営自転車置場(無料)
- ふじみ野駅東口
- ふじみ野駅西口
- ふじみ野駅西口第2
- ふじみ野駅西口第3
消防
- 入間東部地区事務組合消防本部
- 東消防署(鶴馬1850番地1)
- 東消防署富士見分署(東みずほ台2丁目16番地15)
警察
- 埼玉県東入間警察署(本署はふじみ野市)
- 鶴瀬駅前交番
- 水谷交番
- みずほ台交番
- ふじみ野駅前交番
- 南畑駐在所
教育
- 小学校
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- 中学校
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- 高等学校
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- 特別支援学校
-
※市内に大学はない。
電話番号
市外局番は、水谷東2・3丁目が048、その他が049である。
郵政
郵便番号は市内全域が「354-00xx」で、入間郡三芳町にある三芳郵便局が集配している。
- 富士見南畑郵便局(風景印あり)
- 富士見鶴瀬東郵便局(風景印あり)
- 富士見鶴瀬西郵便局(風景印あり)
- 富士見東台郵便局(富士見水子郵便局より移転改称、風景印なし)
- 富士見勝瀬郵便局(風景印あり)
- 富士見みずほ台郵便局(風景印あり)
- 富士見水谷東郵便局(風景印あり)
- 富士見羽沢郵便局(風景印あり)
交通
鉄道
中心となる駅:鶴瀬駅
バス
タクシー
タクシーの営業区域は県南西部交通圏で、川越市・和光市・東松山市・所沢市・飯能市などと同じエリアとなっている。
道路
- 一般国道
- 県道
史跡・旧跡
その他の公園等
- 山崎公園
- 別名「せせらぎ菖蒲園」とも呼ばれる花菖蒲の名所で、隣接する民家の大きな屋敷林を借景とした緑あふれる公園[17]。市制施行20周年記念事業により整備され、1994年4月開園した。
- びん沼自然公園
- びん沼川(荒川の旧流路)右岸沿いに広がる自然公園。2023年4月1日に旧青年の家跡地の活用に伴いリニューアルオープン。パークゴルフ場、キャンプ場、バーベキュー場、大型遊具などを整備。
- むさし野緑地公園
- 雑木林を活かした小さな公園だが、園内には自治体で初の常設のミニ鉄道(1980年2月24日「開通」)があり、4月-12月までの第2・第4日曜日に「富士見市ミニ鉄道クラブ」による無料の運転会がある[18][19]。
- みずほ台中央公園
- みずほ台駅周辺の区画整理事業で生まれた都市公園。
- 勝瀬原記念公園
- ふじみ野駅周辺の区画整理事業で生まれた都市公園。
- オトウカ山公園
- ふじみ野駅周辺の区画整理事業で生まれた都市公園
- 富士見市運動公園、富士見市第二運動公園
- 野球場、ミニ野球場、テニスコート、サッカー場、陸上トラックを有料にて利用できる運動公園。
- 富士見ガーデンビーチ
- ウォータースライダープール、スライダープール、流水プール、50メートルプール、子供プールのある市民プール。
- 市民総合体育館
- 柔道場、剣道場、弓道場、メインアリーナ、サブアリーナ、アスレチックジムなどを備えた施設。
- 富士見サイクリングコース
- 新河岸川の堤防上を利用した自転車道(歩行者の通行可)。生活道路としても利用されている。
- 新河岸川の堤防工事で長年、途切れていたが近年、復活した様子。
著名な出身者
太字は2016年5月1日から2018年4月30日まで(有安杏果は2018年2月5日まで[20])無報酬で「富士見市PR大使」を務めていた人物[21]。
芸能人
アナウンサー
気象予報士
野球選手
サッカー選手
格闘家
陸上選手
政治家
その他
ゆかりのある人物
太字は現在「富士見市PR大使」を務めている人物で、任期は2016年5月1日から2年(無報酬)[21]。
マスコットキャラクター
- ふわっぴー - 公式マスコットキャラクター
- なんばった - 難波田城公園イメージキャラクター[28]
- 縄文神 ムサビー - 水子貝塚資料館キャラクター[29]
- うさみん - 富士見市社会福祉協議会マスコットキャラクター[30]
- ふじぼう - 富士見市社会福祉事業団のマスコットキャラクター[31]
その他
- ゴミ処理は富士見市と志木市、新座市で構成する「志木地区衛生組合」で行っている。
- 1993(平成5)年ふじみ野駅(富士見市ふじみ野東1丁目26-1)開業。急行・快速停車駅で急速に駅周辺の富士見市ふじみ野東1丁目-4丁目、ふじみ野西1丁目-4丁目の開発が進む。隣接する旧入間郡大井町苗間地区には、国内初のアウトレットモールが出来その周辺地域の開発も進む、さらに旧入間郡大井町亀久保地区には大井サティ(現イオン大井店)が出来その周辺の開発も進む。富士見市内にある3つの駅「鶴瀬駅」「みずほ台駅」「ふじみ野駅」のうち旧来からの市の中心駅は市役所最寄りであり富士見市成立前からの村名(入間郡鶴瀬村)を継承する鶴瀬駅であるが、1日の乗降客数は2000(平成12)年以降「ふじみ野駅」が最多となっている。ふじみ野駅周辺には、富士見市役所ふじみ野出張所、ふじみ野小学校・ふじみ野交流センター・ふじみ野西公園など富士見市の施設が多数ある。2005(平成17)年10月1日に富士見市に隣接する上福岡市・入間郡大井町が合併しふじみ野市となる。詳細はふじみ野市との関係も参照のこと。
- 市境が他の市町村同様複雑な箇所が何箇所もあるので、小・中学校の通学区については隣接する行政と話し合っている。
- 富士見市北西地域のふじみ野西3丁目・4丁目、大字勝瀬周辺も富士見市とふじみ野市苗間・大井地区、入間郡三芳町北永井地区で境界線が複雑になっている。川越街道(国道254号)の西側のふじみ野市立大井小学校・旧大井町役場の裏から大井中学校付近までは富士見市大字勝瀬となり、大井中学校校庭付近まで入間郡三芳町北永井である。逆に、富士見市立勝瀬小学校付近にふじみ野市大字苗間地区がある。そのため、小学校入学時にどちらの市内の学校に通うか選択することが出来るようになっているが、富士見市内の小学校を選択すると中学校も富士見市内の中学校に通うことになり、また、ふじみ野市内の小学校を選択すると中学校もふじみ野市内の中学校に通うことになる。
- 1967(昭和42)年6月富士見町(現富士見市))と足立町(現志木市)で境界線の変更を行う。富士見町(当時)の南のはずれ(志木市からすると市域の中央)に1972(昭和47)年5月31日現在の志木市役所庁舎が落成したとき、そのほとんどが境界線を変更する前の富士見町(当時)の土地であったため、「隣町の市役所ができた」と話題になった。また志木市役所周辺の市境は、柳瀬川をはさんで入り組んでおり(柳瀬川の昔の流れに沿っているため)、付近の住宅街は志木市役所に近いことからしばしば、志木市への編入運動を起こしていたが、今はその動きは無い。
脚注
注釈
出典
参考文献
外部リンク
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