忠臣蔵 (1996年のテレビドラマ)
『忠臣蔵』(ちゅうしんぐら)は、1996年(平成8年)10月9日~12月18日にフジテレビ系列で毎週水曜日20時から放映された東映制作の時代劇。 概要浅野内匠頭の勅使饗応役就任から、大石内蔵助たちによる吉良邸討入の顛末までを描く。 1980年代以後、忠臣蔵の映像化の際には大胆な新解釈を含める傾向が強まったが、それら新解釈を含んだ作品群が必ずしも好評とは言えなかった状況も鑑み、当作は改めて定番としての忠臣蔵を世に問う形で制作された。 主演に決まった北大路の要望もあって、5年前に定番の忠臣蔵作品として好評を博した『忠臣蔵』(1991・フジ系)を執筆した古田求が全10回の脚本を単独執筆。内蔵助から浪士たちの思いを後世に伝えるよう命じられ、浪士たちの死後も生き続けた寺坂吉右衛門の回想・語りによって物語が綴られる形式となっている。 先述通り、殊更に新解釈は盛り込まれておらず、内蔵助たち浪士を中心に綴っていくオーソドックスな「忠臣蔵」に徹したシリーズとして知られる。内容面では1991年単発版の連続版となった。本作も概ね好評を博したことなどから、更に『忠臣蔵〜決断の時』(2003年)、『忠臣蔵』(2004年)が同じ古田脚本で制作された。 放映自体は全9回だったが、最終回前の12月14日(討入記念日)に関連の単発番組が放映され、それまでの放送分8回の総集編と、新エピソードとして、“刃傷松の廊下”の7年前に起き、物語の前章にあたる堀部安兵衛(世良公則/清水一学とはかつての友人という設定)のエピソード「決闘高田馬場」が放映(安兵衛の回想の形で進む)されている。その事もあって、本作は安兵衛の魅力も際立つ仕上がりとなった。 当時、まだ一線級ではなかった山本耕史(役は矢頭右衛門七)、内野聖陽(岡野金右衛門)、中村獅童(上野介の子・上杉綱憲)も出演して懸命な演技を披露している。 ソフト版発売としては、1997年12月、先述の関連番組から抜き出された「決闘高田馬場」も収録され、全10回としてVHS版全5巻が発売された。(単巻レンタルも同時開始)。VHS版廃盤以降は、DVD版等光ディスクソフトへの移行・再発売が行われていないため、本作の視聴は困難となっていたが、CS放送・時代劇専門チャンネルで全10回版として2007年12月に再放送された。その後も、CS同局にて数回再放送されており、2024年にも再放送が予定されている。 キャスト
スタッフ
放映リスト(サブタイトルリスト)
内容等オリジナル版ともいえる1991年単発版(本編約182分)に比較して、本編時間が倍以上確保できるため(当1996年版・本編総計約501分)[11]、各エピソードが膨らませられた他、大石の最初の江戸訪問、また先述の安兵衛の若き日の逸話[12]、勝田新左衛門、小山田庄左衛門[13]、橋本平左衛門、高田郡兵衛それぞれの逸話などが加筆されている。 赤穂浪士に対抗する立場の上杉家江戸家老として、本作では千坂兵部が登場している[14]。赤穂浪士の仇討を警戒した上杉家主導の[15]“吉良邸防衛作戦”は、前作でも描かれていたが、本作では作戦の司令塔は千坂、本作で新たに登場した小林平八郎が千坂の配下として吉良家に派遣され、平八郎が清水一学たちを勧誘して、上野介の警護団を組織する設定となり、平八郎の千坂への忠誠心や、平八郎と一学の交流も描かれて、あくまでも赤穂方のドラマが中心ではありながらも、吉良方のドラマも厚みを増すことになった。以上の加筆部分については、同じ脚本を用いた2003年作品、2004年作品でも基本的にそのまま生かされており、本編時間上からも、この1996年版の脚本が後発2作の基本となっていったと思われる。 脚注
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