『戦場からのラブレター』(せんじょうからのラブレター、Testament of Youth)は、2014年のイギリスのドラマ映画。監督はジェームズ・ケント、主演はアリシア・ヴィキャンデルが務める。原作はヴェラ・ブリテン(英語版)の自叙伝『Testament of Youth』である。
日本国内においては劇場公開されず、2015年12月2日にDVDが発売された[2]。
ストーリー
1914年、ヴェラ・ブリテン(英語版)はサマーヴィル・カレッジに入学した。第一次世界大戦が勃発すると、ヴェラの弟であるエドワードとジェフリー、フィアンセのロナルド・レイトン(英語版)の3人は徴兵され、前線へ送られた。ヴェラも大学を辞めて、救急看護奉仕隊(英語版)に志願し、ロンドン、フランス、マルタ島で任務に当たることになった。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
- イギリスの中流家庭で生まれた女性。
製作
2009年2月、BBCフィルムズがヴェラ・ブリテン(英語版)の自叙伝『Testament of Youth』の映画化を模索していると報じられた[3]。なお、BBCは1979年に同書を5パートに分割してテレビドラマ化している。
映画化の段階ではブリテンの娘であるシャーリー・ウィリアムズやブリテンの伝記を執筆したマーク・ボストリッジ(英語版)らの協力を得た。
キャスティング
2013年12月、アリシア・ヴィキャンデルがヴェラ・ブリテンを演じるとの報道があった(当初、シアーシャ・ローナンがブリテンを演じる予定だった)[4][5]。2014年2月4日、キット・ハリントンがロナルド・レイトン(英語版)を演じることが決まった[6]。13日には、コリン・モーガン、アレクサンドラ・ローチ、タロン・エジャトンらの出演が決まった[7]。
撮影
本作の主要撮影は2014年3月16日から、ロンドン、ノース・ヨークシャー、オックスフォードで始まった[8][9][10]。
戦争で失明したヴィクター・リチャードソンを演じるにあたって、コリン・モーガンはかつて軍隊で働いた経験を持つ人々と会って話をした。また、イギリスの退役軍人協会の協力を得て、視力を失った軍人が受ける訓練を実際に受けた[11]。
音楽
当初、マーク・ブラッドショーが本作で使用される楽曲を作曲する予定であったが[12]、降板し、マックス・リヒターが後を引き継ぐことになった[13]。
公開
本作は2014年10月14日に開催されたロンドン映画祭で初めて上映された[14]。2015年1月16日、ソニー・ピクチャーズ クラシックスが本作を北米、ラテンアメリカで配給する権利を獲得した[15]。
マーケティング
2014年8月1日、本作のファースト・トレイラーが公開された[16]。同年11月10日には、セカンド・トレイラーが公開された[17]。
2014年12月4日にはマーク・ボストリッジが書いた『Vera Brittain and the First World War: The Story of Testament of Youth』がイギリスで出版され、その中には本作の製作に関する章がある[18]。
評価
本作は批評家から高い評価を受けた。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには34件のレビューがあり、批評家支持率は82%、平均点は10点満点で6.8点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「『戦場からのラブレター』にはイギリスの歴史ドラマのファンが求める冒険的な要素はない。しかし、良質の演技と美しい場面構成は素晴らしい。」である[19]。また、Metacriticには6件のレビューがあり、加重平均値は75/100となっている[20]。
出典
外部リンク