日下 秀昭(くさか ひであき、1957年9月6日[1][2][3][4] - )は、日本の俳優、スーツアクター。神奈川県出身[2][5][4]。元ジャパンアクションエンタープライズに所属。主に特撮作品のスーツアクターとして活躍している。
人物・略歴
特技は野球・ラグビー・バレー[6]。
184cmの長身を活かし、主に大柄なキャラクターのスーツアクターを務める[2]。活動初期は東京宝映テレビに所属し、主に京都で時代劇中心に活躍していた[7]。
スーツアクターとしては1980年の『電子戦隊デンジマン』の巨大ロボ・ダイデンジン役でデビュー[2][7]。以降、スーパー戦隊シリーズのロボット役(いわゆる戦隊ロボ)の多くを演じている[8][2][7][4]。スーパー戦隊シリーズへは、『デンジマン』以降『超力戦隊オーレンジャー』『激走戦隊カーレンジャー』『星獣戦隊ギンガマン』[注釈 1]以外の作品にはすべて出演している[9]。『太陽戦隊サンバルカン』以降はロボットと並行して敵幹部・怪人役を多く担当しており、『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャマン以降は戦隊側のキャラクターやヒーローを演じることも多くなった[2][7]。
また、『鳥人戦隊ジェットマン』のグレイのように自らがスーツアクターとして演じたキャラクターの声を担当したこともあるほか、『超獣戦隊ライブマン』のガードノイド・ガッシュのように声のみを担当したこともある[2]。そして、素面の俳優としても、『地球戦隊ファイブマン』の宇宙の暴れウルフ・グンサーをはじめ多々出演している[2]。『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で演じたトットパットは、日下自身が顔出しで演じていたが、声は篠田薫による吹き替えとなっていた[2]。
ヒーロー役はメタルヒーローシリーズ『重甲ビーファイター』のブルービート役が初めてであった[7]。『電磁戦隊メガレンジャー』のメガシルバー役以降はスーパー戦隊シリーズでもヒーロー役を演じるようになった[7]。
1997年に竹田道弘からの誘いを受け、ジャパンアクションクラブへ移籍した[7]。
『烈車戦隊トッキュウジャー』では、グリッタ嬢役で初めて女性キャラクターを演じた[2][3]。グリッタ嬢の声を担当した日髙のり子や共演したスーツアクターの岡元次郎や清家利一らは日下の演技を評価している。日下自身は難しかったとしながらも、芝居の面白さを再確認できたことを述べている[3]。
2018年の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の撮影期間中、プライベートでぎっくり腰を患ったことから同作品をもって巨大ロボのスーツアクターを勇退し、今後は後進の育成と俳優業に専念する[11]。
エピソード
『電子戦隊デンジマン』へは、東映プロデューサーの吉川進がロボット役を長身の俳優で固定したいと考え、吉川と親交があり東京宝映でマネージメントも担当していた俳優の杉義一を介して起用された[7]。当時の日下はアクションの経験がなく、撮影前にJACでトレーニングを行っていたが、ロボット役は体力勝負だとして2、3カ月の間は走り込みをさせられていた[2][7]。ほとんど動けない着ぐるみを着ての演技があまりにもハードだったため、第1・2話の撮影が終わった時に事務所に「辞めたい」と言ったが、それが現場に伝わっていなかったらしく、何事もなかったかのように次の撮影に呼ばれ、そのまま出演し続けることになったという[12][2][7]。その後の撮影も苦労の連続で、番組終了とともに辞めることを望んでいたが、吉川から次作『太陽戦隊サンバルカン』ではロボット役を続投するほか悪の首領役も打診され、演技志望であった日下はこれを引き受けたという[2][7]。
1980年代はビデオがあまり普及していなかったため、自身の演技が確認できるのは撮影から2、3カ月後に番組が放送されてからとなり、そのときになって現場での指示が理解できたという[7]。日下は、自身で演技の方向性が見えるようになったのは10年目の『高速戦隊ターボレンジャー』になってからであったと述べている[7]。
『地球戦隊ファイブマン』のグンサー役は、日下自ら東映プロデューサーの鈴木武幸に素面での出演を要望して実現したものであった[2][7]。
出演
テレビドラマ
特撮テレビドラマ
特に表記のないものはスーツアクターとしての出演。
テレビスペシャル
映画
特に表記のないものはスーツアクターとしての出演。
オリジナルビデオ
特に表記のないものはスーツアクターとしての出演。
ネットムービー
ヒーローショー
舞台
- JAE第6回プロデュース公演 「KAMIKAZE」(2001年)及川軍令部総長
CM
ドラマCD
- 宇宙戦隊キュウレンジャー オリジナルアルバム サウンドスター3 ゲース・インダベーの逆襲(2017年) - 宇宙竜宮城オーナー 役(特別出演)
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h 「SUITS ACTOR SPECIAL CROSS TALK 日下秀昭×大林勝×清家利一×岡元次郎」『海賊戦隊ゴーカイジャー公式読本 豪快演義』グライドメディア〈グライドメディアムック73〉、2012年6月1日、120-123頁。ISBN 978-4-8130-8173-9。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc 仮面俳優列伝 2014, pp. 133–142, 「第4章 東映ヒーロー史に刻み込まれた匠の技と業 12 日下秀昭」
- ^ a b c d e トッキュウジャー公式完全読本 2015, pp. 53–55, 取材・構成 秋田英夫「TOQGER Suit Actor's TALK_04 岡元次郎×日下秀昭」
- ^ a b c d e 「KYURANGER Suits-Actor CROSS TALK_02 竹内康博×大林勝×岡元次郎×五味涼子×日下秀昭」『宇宙戦隊キュウレンジャー公式完全読本 KYURANGER THE GREAT LUCKY VOYAGE』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK 888〉、2018年9月20日、67-69頁。ISBN 978-4-7986-1776-3。
- ^ a b c d e 「NINNINGER SUIT-ACTORS TALK_06 日下秀昭」『手裏剣戦隊ニンニンジャー公式完全読本 天下無敵』ホビージャパン、2016年6月25日、56-57頁。ISBN 978-4-7986-1248-5。
- ^ “JAC所属俳優の プロフィール”. ジャパンアクションクラブ. 2022年6月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al スーパー戦隊21st 5 2017, p. 32, 「スーパー戦隊制作の裏舞台 日下秀昭」
- ^ a b c 「suits actor CROSS TALK02 日下秀昭×清家利一×村岡弘之×蜂須賀祐一×神尾直子feat.岡元次郎」『獣電戦隊キョウリュウジャー公式完全読本』ホビージャパン、2014年6月20日、pp.88-91頁。ISBN 978-4-7986-0828-0。
- ^ a b c d e 宮島和弘 編「爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中! INTERVIEW日下秀昭」『東映ヒーローMAX』 2003 Vol.6、辰巳出版〈タツミムック〉、2010年3月10日、42-43頁。ISBN 4-88641-910-0。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 宇宙船164 2019, pp. 104–107, 「[対談]日下秀昭×野中剛」
- ^ a b c d 『電子戦隊デンジマン』DVD第3巻ライナーノーツより。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 東映HM60 2019, pp. 88–93, 「東映ヒーロー仮面俳優列伝 MAXIMUM 日下秀昭」
- ^ 安藤幹夫 編 編『ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全 東映スーパー戦隊大全2』双葉社、2004年、266頁。ISBN 4-575-29688-0。
- ^ a b 戦隊大全2 2004, p. 268
- ^ a b c d e noNPolicy 三橋了[グライドメディア] 編「Shinken Cross Talk 佛田 洋[特撮監督]×日下秀昭[スーツアクター]」『侍戦隊シンケンジャー公式読本 真剣勝負!』グライドメディア〈グライドメディアムック62〉、2010年5月20日、86-87頁。ISBN 978-4-8130-8062-6。
- ^ “日下秀昭のプロフィール”. allcinema. 2012年4月6日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “MANDARAKE”. 2019年11月24日閲覧。
- ^ “海賊戦隊ゴーカイジャー 第45話 「慌てん坊忍者」|東映[テレビ]”. 2012年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月20日閲覧。
- ^ 『天装戦隊ゴセイジャー エピックON THEムービー』パンフレット、渡辺勝也インタビューより
- ^ “電磁戦隊メガレンジャー 第24話”. 電磁戦隊メガレンジャー 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ “スーパー戦隊クロニクル/救急戦隊ゴーゴーファイブ/ゴーブルー”. 2011年12月20日閲覧。
- ^ 朝日ソノラマ「宇宙船 YEAR BOOK 2001」p.47
- ^ “ガオ日記 2001.9.1 - 2001.12.31”. 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ “忍風戦隊ハリケンジャー 第32話”. 忍風戦隊ハリケンジャー 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ JAE出演者情報2002年7月のサイト(2006年12月01日時点のアーカイブ)
- ^ JAE出演者情報2003年3月のサイト(2006年12月01日時点のアーカイブ)
- ^ JAE出演者情報2003年2月のサイト(2006年12月01日時点のアーカイブ)
- ^ “特捜戦隊デカレンジャー 第2話”. 特捜戦隊デカレンジャー 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ 稲田徹による2011年1月22日のツイート、2011年7月10日閲覧。
- ^ “特捜戦隊デカレンジャー 第10話”. 特捜戦隊デカレンジャー 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ 「監督インタビューPARTVI 竹本昇」『特捜戦隊デカレンジャー コンプリート・ブック』用田邦憲 編、双葉社〈双葉社のアニメ・特撮シリーズ〉、2005年5月20日、70-76頁。ISBN 4-575-29801-8。
- ^ “魔法戦隊マジレンジャーforever special”. 魔法戦隊マジレンジャー 東映公式. 2011年7月10日閲覧。
- ^ a b 超全集 下 2006, p. 87
- ^ 用田邦憲 編「STAFF INTERVIEW 監督 鈴村展弘」『魔法戦隊マジレンジャー スーパーレジェンドブック』双葉社、2006年5月5日、86-89頁。ISBN 4-575-29892-1。
- ^ “轟轟戦隊ボウケンジャー 第20話”. 轟轟戦隊ボウケンジャー 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ “轟轟戦隊ボウケンジャー 第8話”. 轟轟戦隊ボウケンジャー 東映公式サイト. 2011年7月10日閲覧。
- ^ 「獣拳戦隊ゲキレンジャー」『宇宙船Vol.120』 ホビージャパン、2008、特別付録宇宙船イヤーブック2008、pp.12 - 19
- ^ “東映ヒーローネット「及川奈央インタビュー」”. 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月10日閲覧。
- ^ a b c 『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕 公式ガイドブック 一筆、天装!』角川書店、2011年、82-85頁。ISBN 978-4048545884。
- ^ “飯塚昭三さん!”. motoブログ(中川素州公式ブログ) (2010年2月19日). 2011年7月10日閲覧。
- ^ a b c d “日下秀昭 プロフィール” (PDF). ジャパンアクションエンタープライズ. 2018年3月22日閲覧。
- ^ “海賊戦隊ゴーカイジャー 第6話 「一番大事なもの」|東映[テレビ]”. 2011年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月10日閲覧。
- ^ 稲田徹による2011年7月9日のツイート、2011年7月10日閲覧。
- ^ “海賊戦隊ゴーカイジャー 第45話 「慌てん坊忍者」|東映[テレビ]”. 2012年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月6日閲覧。
- ^ 『孫といっしょ!』 幼稚園 12月号増刊、小学館、2012年[要ページ番号]
- ^ 『東映ヒーローMAX』 Vol.44、辰巳出版、73頁。ISBN 978-4-7778-1124-3。
- ^ 『東映ヒーローMAX』 Vol.48、辰巳出版、2014年2月1日、11頁。ISBN 978-4777812776。
- ^ “手裏剣戦隊ニンニンジャー 忍びの2 ラストニンジャになる!”. 東映. 2015年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月22日閲覧。
- ^ “手裏剣戦隊ニンニンジャー 忍びの24 夏だ!西洋妖怪ぞくぞく来日!”. 東映. 2015年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月9日閲覧。
- ^ ジュウオウジャー公式完全読本 2017, pp. 74–75, 「ZYUOHGER VFX Director Interview 佛田洋」
- ^ 東映公式サイト, 動物戦隊ジュウオウジャー 第5話 ジャングルの王者 2016年3月6日閲覧
- ^ ジュウオウジャー公式完全読本 2017, pp. 28–29, 「Zyuohger Main Cast Interview 07 村上幸平」
- ^ “46話 不死身の破壊神”. 2017年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月15日閲覧。
- ^ ジュウオウジャー公式完全読本 2017, pp. 40–43, 「Zyuohger Suit-Actor Cross Talk 03 神尾直子×蜂須賀祐一×岡元次郎×清家利一」
- ^ “宇宙戦隊キュウレンジャー Space.5 9人の究極の救世主”. 2017年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月5日閲覧。
- ^ “宇宙戦隊キュウレンジャー Space.10 小さな巨人、ビッグスター!”. 東映. 2017年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月11日閲覧。
- ^ a b オープニングクレジットより
- ^ “うるうる…”. 「motoブログ」(中川素州公式ブログ) (2009年2月11日). 2011年7月10日閲覧。
- ^ “テツワン探偵 ロボタック 第43話”. 東映. 2011年7月28日閲覧。
- ^ 百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える - MOVIE WALKER PRESS
- ^ 日下秀昭 - MOVIE WALKER PRESS
- ^ JAE出演者情報2002年9月のサイト(2006年12月1日時点のアーカイブ)
- ^ 『東映ヒーローMAX』 Vol.5、辰巳出版〈タツミムック〉、2003年、32頁。ISBN 4-88641-875-9。
- ^ “JAE2004年9月出演者情報”. 2022年9月15日閲覧。
- ^ “JAE2005年9月出演者情報”. 2022年9月15日閲覧。
- ^ 『東映ヒーローMAXスペシャル 侍戦隊シンケンジャー INTERVIEW BOOK』辰巳出版〈タツミムック〉、2009年、[要ページ番号]頁。ISBN 978-4-7778-0690-4。
- ^ 「出演者・スタッフインタビュー」『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦 劇場パンフレット』東映 事業推進部。
- ^ kzKEvzydE6zALJLのツイート- X(旧Twitter)
- ^ kzKEvzydE6zALJLのツイート- X(旧Twitter)
- ^ 劇場パンフレットより。
- ^ a b c 映画パンフレットより。
- ^ “ガオVSスーパー戦隊”. もとちゃんnote. 2022年9月15日閲覧。
- ^ 映像特典「メイキング」より
- ^ エンドクレジットより。
- ^ 宇宙船149 2015, 「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」稲田徹インタビュー
- ^ kzkevzyde6zaljlのツイート(1471424277308391426)
参考文献
外部リンク