正二十面体(せいにじゅうめんたい、英: regular icosahedron)は立体の名称の1つ。空間を正三角形20枚で囲んだ凸多面体。3次元空間で最大の面数を持つ正多面体である。
正多面体のひとつである正十二面体の頂点周りを面の中心まで切頂することによって得られる(双対関係)。
また、正六面体や正十二面体に対する捩じり切り操作と同様の操作を正四面体に対して行うことでも得られる[1]。
性質
計量
一辺の長さをaとすると、
面の面積
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表面積
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体積
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最長対角線の長さ
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外接球半径
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内接球半径
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頂点、辺、面の座標
以下は、標準的な座標の取り方の一つである。ここで は黄金比 、
である。
- 12個の頂点(原点からの距離 )の座標
- のxyz座標を偶置換した 12個
- 30個の辺(長さ)の、両端点および中心の座標
- 両端点 と、中心 のxyz座標を偶置換した 24個
- 両端点 と、中心 のxyz座標を偶置換した 6個
- 20個の面の、外側から見て反時計回りの頂点列および中心の座標
- 頂点 の4個
- 頂点 の4個
- 頂点 , , のxyz座標を偶置換した 12個
対称性
正二十面体の回転対称性の群(英語版) は5文字の交代群 に同型である。位数は60。この非可換単純群は5文字の対称群 の唯一の非自明な正規部分群である。一般の五次方程式のガロア群は5文字の対称群に同型であり、そしてこの正規部分群が単純で非可換なので、一般の五次方程式は冪根による解を有しない。アーベル‐ルフィニの定理の証明はこの単純な事実を用いる。そしてフェリックス・クラインは正二十面体的対称性(英語版)の理論を利用して一般の五次方程式の解析的解法を導く本を書いた (Klein 1888)。詳しい歴史ならびに関係する7文字と11文字の対称性については正二十面体的対称性#関連する幾何学的性質(英語版)を見よ。
(鏡映を含めた)正二十面体の全て(full)の対称性の群は全正二十面体群(英語版)[訳語疑問点] として知られる。位数は120。そしてこれは回転対称群と、正二十面体の中心を通る鏡映によって生成されるサイズ2の群 との直積 に同型である。
また、双対図形である正十二面体の回転の群ならびに対称性の群は、どちらも正二十面体のそれと全く等しい。
この図形を枠に持つ立体
正二十面体を枠に持つのは次の立体である。
派生的な立体
近縁となるジョンソンの立体
正二十面体と近縁となるジョンソンの立体は次の通りである。
脚注
- ^ 正多面体を解く. 東海大学出版会. (2002/5/20)
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、 二十面体に関連するカテゴリがあります。
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