神道政治連盟
神道政治連盟(しんとうせいじれんめい)は、日本の政治団体。略称名は神政連[1]。神社界を母体として1969年11月8日に結成された神社本庁のロビー活動団体である[4][3][5]。 概要神社界を中心に構成される政治団体で、「世界に誇る日本の伝統や文化を後世に正しく伝えること」「日本らしさ、日本人らしさを回復し、私達が生まれたこの国に自信と誇りを持つことが出来るよう、神道の精神に基づいて憲法改正など様々な運動に取り組んでい」くことを活動目的としている。全ての都道府県に本部を持ち、東京都渋谷区代々木の神社本庁内に中央本部を置く。 1966年に行われた神社審議会の答申の後[6]、1968年の「神道政治連盟(仮称)準備委員会規則案」では神職の議員を参議院に送り込むことが謳われたが、1970年の推薦の基準では「当分の間独自の候補を立てず、従来の神社関係議員を中心に推薦応援する」とされ、既存政党の議員や候補者を推薦する傾向にあった[6][7]。 1969年11月8日に設立。初代会長は飛騨一宮水無神社宮司から岐阜県神社庁長官を経て務めた上杉一枝[3]。設立時の規約第4条によれば、連盟は事業として綱領の実現にむけて、政治に関する諸問題の研究調査並びに啓蒙普及・機関紙及び諸印刷物の発行・講演会の開催・選挙を通じて議員を国会その他に送ることを行う[8]。会員は綱領に賛同し会費を納める満20歳以上の者及び法人から構成される。同年12月27日に行われた第32回衆議院議員総選挙で神道政治連盟は23人の候補者を推薦し、そのうち19人が当選した[3]。 1970年5月11日、神政連の趣旨に賛同する日本の国会議員からなる議員連盟として、「神道政治連盟国会議員懇談会」が結成された。 設立当時は政治団体だったが、改正政治資金規正法との兼ね合いで1995年に政治団体としては解散し、以後は任意団体として活動している[9]。 2001年7月の参議院議員選挙に際しては、有村治子、尾辻秀久、桜井新の3人の比例区候補者を支援。いずれも当選を果たした[10]。 2016年、長曽我部延昭が会長を退任。新会長に打田文博が就任した[11][12]。 2019年7月の参議院議員選挙に際しては、総務会長の藤原隆麿が神政連選対本部長を務め、4選を目指す有村を支援した[13]。 2021年10月1日発行の機関紙『神政連レポート 意』No.215に、弘前学院大学教授の楊尚眞による論評「同性愛と同性婚の真相を知る」が掲載される[14]。2022年6月13日に神道政治連盟国会議員懇談会が参院選に際し都内のホテルで開いた会合で、当該論評が掲載された冊子が配布されると[15]、同年7月4日、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」が抗議声明を発表し、当事者らは永田町の自民党本部前に集まり、抗議活動を行った[16]。 →「自民党議員会合LGBT差別冊子配布問題」も参照
日本会議との関係1997年5月に発足した保守主義団体「日本会議」[17][18]との密接な関係が指摘されている。下記のとおり神道政治連盟の役員の多くは日本会議の役員・幹部を兼職している。
このほか、神政連・日本会議の双方に議員連盟があり、「神道政治連盟国会議員懇談会」と「日本会議国会議員懇談会」の参加議員の重複も多い[36]。神政連も日本会議も目指す国家像は重複し、復古的・右翼的な主張を繰り返す[37]。ただし、神政連が“選挙応援団体”に留まっているのに対し、日本会議は明確な右翼イデオロギーを掲げた“国民運動団体”であるとする意見もある[38]。 主張・活動現在の主張・活動「日本に誇りと自信を取り戻すためさまざまな問題に取り組んでいます」という言葉を公式サイトに掲げ、以下の主張と活動を行う[1]。
設立時の綱領設立時(1969年)の綱領は以下の5項目[6]。
選挙応援神政連は、国政選挙(主に参議院議員通常選挙)においてこれまで複数の候補者を推薦・応援してきた。 2005年(平成17年)の推薦者の基準として以下を挙げた[6][48]。
下記の候補者を国会議員選挙で推薦・応援した。
議員連盟→詳細は「神道政治連盟国会議員懇談会」を参照
脚注
参考文献
関連項目外部リンク |