空木岳
空木岳(うつぎだけ)は長野県駒ヶ根市、飯島町、大桑村にまたがる標高2,864 mの山。木曽駒ヶ岳山群以外では木曽山脈(中央アルプス)で最も標高の高い山であり、日本百名山に選定されている。 概要1951年(昭和26年)に、中央アルプス県立自然公園(後の中央アルプス国定公園)に指定された。『日本百名山』の著者である深田久弥が同著を執筆する際、木曽山脈南半分から一つ選ぼうとして南駒ヶ岳と空木岳とで迷った結果、最終的にはわずかに背が高いこと、そして山名の美しさから空木を選んだという[3]。また山頂には、二等三角点があり、花崗岩の大きな岩が乱立する。山頂直下の北東には空木駒峰ヒュッテがあり、その先の稜線上には「駒石」(写真)と呼ばれる巨石がある。東北東に広がる空木平カールには無人小屋の空木平避難小屋がある。 山名の由来山名は、春に麓の伊那谷から見上げた時、空木岳の頂上だけ雪が残っているのが見え、その残雪模様が卯木(ウツギ)に似ているためとされている[4][5]。また、ウツギの木が多いことも由来であるとする説もある[6]。西側に下った鞍部は木曽殿越と呼ばれる。 古くは「宇津木岳」とも云った。 自然・環境山頂一帯は花崗岩の岩場であり、その白い砂礫地となっている。空木岳の頂上東側は空木平カールと呼ばれる圏谷地形で、森林限界のハイマツ帯の高山植物の宝庫である。北隣の東川岳からは目の前に立ちはだかるようなピラミッド状の空木岳を見渡せる。1960年(昭和15年)から翌年にかけて周辺で見られたライチョウは、その後確認されていない。周辺では、西側が風が吹くことが多く、風向きが変わると天気の変わり目となることが多い。 周辺の動植物山頂付近には、オコジョ、ホシガラス、イワヒバリなどが生息し、山腹にはニホンカモシカ、ニホンジカなどが生息している。東斜面の空木平では、チングルマ、ハクサンイチゲ、タカネグンナイフウロ、アオノツガザクラなどの高山植物が見られる。
登山登山ルート
周辺の山小屋中央アルプスの有人の山小屋は、完全予約制となっている。駒ヶ岳頂上山荘にのみキャンプ指定地がある。
地理周辺の山中央アルプスの中部の主稜線上にある。東北東には池山尾根、東南東には丸山尾根が延びる。北西の東川岳との鞍部は木曽殿越と呼ばれる。
木曽殿越空木岳と西側の東川岳との間の標高2497mの鞍部。平安時代の1180年(治承4年)に、武将木曾義仲が越えたという伝説があり、登山道には「義仲の力水」と呼ばれる水場がある。干天時には、涸れることがある。木曽殿山荘がある。 源流の河川交通・アクセス
空木岳の風景空木岳の山容
空木岳からの眺望脚注
参考文献
関連項目
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