藤子不二雄ランド藤子不二雄ランド(ふじこふじおランド)は、中央公論社(現・中央公論新社)から出版された藤子不二雄の漫画全集である。通称は「FFランド」。当時経営が低迷していた中央公論社が新事業として展開していた、「漫画刊行路線」を代表するシリーズである。 概要第1期全301巻と、F.F.ランド・スペシャル全30巻が発刊された。2023年現在は絶版となっている(藤子不二雄Aランドは新品が購入できる状態)。最終巻である『UTOPIA 最後の世界大戦』には第1期全301巻完結とあり、第2期刊行を匂わせたが発刊には至っていない。 2000年に開設された復刊ドットコムでは当初より復刊リクエストが出され(復刊リクエスト番号:1)、復刊へ向けた交渉が行われたものの、藤子・Fサイド(藤本は1996年に死去)からの出版許可が得られず、独立後、権利の管理上藤子不二雄Ⓐ単独名義となった作品(藤本との合作を含む)のみが藤子不二雄Ⓐランド(FFⒶランド)としてブッキングから出版される形となった。なお、コンビ解消後に藤子・F名義となった作品は2009年から2014年にかけて『藤子・F・不二雄大全集』という新たな全集が小学館より刊行された(FとAの両名義になった作品も一部含む)が、現在も全巻の復刊リクエストは継続中である。 藤子不二雄作品は有名作以外は単行本としてまとまっていないものが多数あり、藤子不二雄ランドでしか読めない作品も多かった。当初は『劇画 毛沢東伝』や『ぶきみな5週間』などカルト的な人気作も刊行される予定であったが、日の目を見ることなく第1期が終了した[1]。また、『ドラえもん』は35巻で一旦中断したが[2]、2年後に刊行を再開し、最終的に45巻まで発刊された。 出版形態1984年6月1日から1991年2月3日まで刊行。当初は毎週金曜日に1冊発売[3]であったが、のちに月2回2冊ずつ発売という形態に変わった。1冊目は『海の王子』第1巻であった。 1冊400円前後の安価な価格設定は、コスト削減のため表紙(カバー)にビニールコーティングがされておらず、他の出版社のコミックス(少年、少女、青年問わず)に比べ劣化しやすいという弱点があったが、これは子供が買い求めやすいようにという著者たちの意向によるものだった。児童向け作品を中心としたラインナップも同様の理由からであり、青年向けの作品はほとんど刊行されなかった。サイズは他出版社のコミックスで多く採用されていた新書判よりもわずかに大きいB6判で、これは藤子が敬愛する手塚治虫の手塚治虫漫画全集と同じ大きさである。 各巻は巻頭に付録として表題作のカラーセル画が付き、そのあとで表題の作品、作品の解説記事、読者コーナー、全集に渡って連載される新作連載漫画という収録順であった。付録や読者コーナーが付くのは全集としては異例のスタイルであり、週刊の刊行ペースとも相まって、藤子作品の週刊誌といったような面持ちであった。また、表題の作品のページ数が本1冊の厚さに満たない場合は、『魔太郎がくる!!』14巻の『恐怖探偵局』のように別作品が併録されることもあった。 各エピソードの最終ページには初出誌のデータが記載されているが、間違いが多かったり、データが記載されていないことがある。 また、掲載誌が複数あるタイトルは出来る限り初出の収録順に近づけられて刊行された作品もあれば、「原稿が見つかった順に適当に刊行」という作品もあった。 後半に刊行されたタイトルは、『仮面太郎』、『オヤジ坊太郎』など既に他社で刊行された単行本より収録量が少ない。 収録作品※★印は安孫子、藤本による合作。 独立後「藤子不二雄Ⓐ」名義となった作品
独立後「藤子・F・不二雄」名義となった作品
独立後「藤子・F・不二雄 藤子不二雄Ⓐ」名義となった作品
併録
藤子不二雄Aデジタルセレクション#作品の一覧で「底本」が「FFAL」になっている作品の「併録」を参照。または藤子不二雄Aデジタルセレクション#併録などの一覧を参照。 解説記事作品本編と奥付の後に「週刊F.F.ランド」のタイトルが掲載され、表題作、収録作の解説や、関連した内容の記事が1〜数頁掲載された。これらの巻末の作品は、藤子不二雄Aランドには収録されていない。
巻末収録作品発行開始当初は毎号、巻末に描き下ろしの新作漫画が連載されていた。この巻末ページでは、のちに旧作の再録も行われるようになった。これらの巻末の作品は、藤子不二雄Aランドには収録されていない。 新作連載『ウルトラB』と『チンプイ』はのちにアニメ化もされた。
再録巻末に掲載された旧作漫画。
その他
F.F.ランド・スペシャル藤子不二雄ランドに連載された作品など。
CMかつて中央公論社時代に『藤子不二雄ワイド』のスポンサーとして参加し、当番組内で放映されたアニメーション形式のCM。最後に新刊の告知とともに「本屋さんでね」で締める[注 1]。初期においてはドラえもん(声:大山のぶ代)がナレーションを務めており、形式は以下のようになっていた。
藤子不二雄Aランド藤子不二雄Ⓐランドは、藤子不二雄Ⓐの漫画全集。藤子不二雄ランドのうち、独立後に「藤子不二雄Ⓐ」単独名義となった作品が表題となっている149冊をブッキングより復刊したもの(安孫子と藤本の合作も含む)。 セル画、解説記事、読者コーナー、巻末の連載漫画は収録されていない。ただし、セル画と同じイラストは「藤子不二雄Ⓐランドギャラリー」として、カバー袖に縮小印刷されている[5]。2002年6月29日から2005年7月12日まで、毎月12日と28日に2冊ずつ刊行された。全冊をブッキングから予約購入した場合は、未収録作品を含む特典冊子『F.F.Ⓐランド完結記念 初期少年まんが選集』がついてきた。 当初、出版社(ブッキング)はインターネット中心の販売を行っていたため1冊1,000円の価格設定を考えたが、コンビニ販売の300円コミックが流行したことで、嶋中書店の社長が300円での販売を提案。しかし藤子Ⓐから「全集なのでカバーは必要」「できればFFランドと同じ装丁で」との要望があり、FFランドとほぼ同じ装丁で刊行されることになった。当時、石ノ森章太郎の全集が刊行途中で中断したこともあり、藤子スタジオからは500〜700円の無理のない価格で全巻の刊行をという意見も出されたが、最終的に300円にカバーの料金を足した390円(税抜)での刊行が決まった[6]。2009年9月以降に重版された分に関しては790円に価格改定された[7]。2012年に復刊ドットコムから再発売された。 2014年、同内容の電子書籍が藤子不二雄Ⓐデジタルセレクションで購入できるようになった。 Aランド収録作品藤子不二雄Aデジタルセレクション#作品の一覧で「底本」が「FFAL」になっている作品を参照(『まんが道』は1〜23巻が「FFAL」)。 FFランドとAランドの収録作品の違い巻末の漫画が削除されている等の全巻の相違点以外の、収録作品内の相違点は下記の通り。
1話が丸ごと差し替えられた。また、雑誌掲載時の冒頭シーンは怪物大王が「ミュンヘンオリンピック開催準備」のニュースを見て感化されるという内容だったが、オリンピックの夢を見て唐突に開催を決める内容に描き換えられている。
初期少年まんが選集『F.F.Ⓐランド完結記念 初期少年まんが選集』は藤子不二雄Ⓐランドの全巻予約特典冊子。B5判ハードカバー。74頁。収録作品は下記の通り(★印は藤本との合作)。 オーケー学校忍者ロビイ
リトル紳士
一日だけのさむらい
お化け……心やさしき友よスポーツの秋
海抜六千米の恐怖★
脚注
注釈 |