1988年からの近畿日本鉄道ダイヤ変更本項では1988年以降に実施された近畿日本鉄道ダイヤ変更(きんきにっぽんてつどうダイヤへんこう)について記述する。 実施されたダイヤ変更に関しては、資料や出典などで判明可能なものに限って記述し、判明不可能なダイヤ変更やごく軽微なダイヤ修正および臨時ダイヤは一部を除き記述を割愛している。また、路線名・駅名・車両形式名は時系列で掲載している。 なお、近鉄から他社に経営移管された各路線のダイヤ変更については、近鉄運営時代のダイヤ変更のみを記述し、経営移管後のダイヤ変更の記述は省略している。また、相互直通運転を実施している他社局のダイヤ改正については、基本的に近鉄線内の変更と関連しているもののみを記述する。 本記事で単に「特急」と表現した場合、特急料金を必要とする特急(近鉄特急)を指す。 1987年以前に実施されたものは1987年までの近畿日本鉄道ダイヤ変更を参照。 1980年代1988年3月18日変更21000系「アーバンライナー」の営業運転開始およびそれを含めた新造車両48両の増備と、一部の駅でのホーム延長工事の完成、また大阪線と名古屋線の一部区間で最高速度を120km/hに向上したことなどにより実施された。 一般列車関係では、近鉄奈良駅の1・2番線のホーム延伸工事が完成し、同駅発着快速急行の10両編成列車のドアカットが廃止された。また近鉄奈良駅発着の10両編成列車の本数もこの変更より順次増発されることとなった。 京都線・橿原線関係では、運転系統の見直しで、これまで毎時2本運転していた昼間時の京都駅 - 橿原神宮前駅間の急行のうちの1本が、京都駅 - 近鉄奈良駅間の急行と大和西大寺駅 - 橿原神宮前駅間の橿原線内運転の急行に系統分割したため、この時間帯の京都駅 - 近鉄奈良駅間の急行が毎時2本(ただし15・45分間隔の変則)となった(京都駅 - 橿原神宮前駅間の急行は京都駅 - 天理駅間の急行と同様に毎時1本に減少したが、日中に毎時1本ある橿原線内急行を京都駅 - 近鉄奈良駅間の急行と大和西大寺駅で連絡させることにより利便性を確保した)。 名古屋線では昼間時に毎時1本運転されていた近鉄名古屋駅 - 平田町駅間の急行が近鉄名古屋駅 - 津新町駅間に変更されて、鈴鹿線直通急行は激減した。ただし鈴鹿線内では名古屋直通急行1本と四日市直通普通1本の計2本から、四日市直通普通1本と線内折り返し普通2本の計3本となって増発された。 特急列車関係では、名阪甲特急の6往復に21000系が投入され、大阪線と名古屋線の一部区間において、これまでの最高速度であった110km/hより10km/h向上し、当時の大手民鉄での最高速度となる120km/h運転を開始した[注釈 1]。この速度向上にあたっては、21000系はもとより12200系以降の特急車両にも120km/h運転の対応工事を実施した。またこれによる架線や線路の改良、それまで採用していなかった減速信号の新設も大阪線と名古屋線で行われた。また、布施駅に新たに特急が停車するようになり、阪伊乙特急の日中の8往復が同駅に停車するようになった。近鉄名古屋駅7時00分発の名阪甲特急は、名張駅で阪伊乙特急を追い抜くようになった(いわゆる「同格待避」)。 同年6月11日には京都市営地下鉄烏丸線延伸に伴う京都線の急行と準急の竹田駅への停車を開始した。 1988年8月28日変更京都線では京都市営地下鉄烏丸線との相互直通運転開始によって、天理線では複線化によって増発と時刻変更が実施された。 京都線と京都市営地下鉄烏丸線との直通運転は北大路駅 - 竹田駅 - 新田辺駅間で行われるようになり、京都線では日中に竹田駅 - 新田辺駅間で1時間当たり2往復の普通が増発された。直通運転は早朝から深夜付近まで行われるようになった。このためラッシュ時に運転されている京都線の準急はこの普通に置き換えられて一部削減された。また、3200系はこの直通運転に充当される運用を中心とした関係上、昼間時は京都線の竹田駅以北と新田辺駅以南、橿原線、天理線での運用は激減し、早朝から朝ラッシュ時にかけてと深夜時間帯のみとなった(ただし竹田駅以北では夕方ラッシュ時の準急でも運用があった。また奈良線では引き続き昼間時の近鉄難波駅 - 瓢箪山駅間の普通や準急などでも運用されていた)。 同年には21000系の他にも、大阪線・名古屋線の急行用車両として、3扉・転換クロスシート装備の5200系が営業運転を開始した(1996年までに5209系・5211系を含めて4連13編成を投入)。一方で5200系と同じ3扉車であった1460系が全車廃車となった。 1989年3月17日変更南大阪線区など、一部の線区を除いて実施された。 一般列車関係では、大阪線で夕ラッシュ時に上本町発の準急が増発され、19時台・20時台は20分間隔から15分間隔で運転されるようになった[1]。奈良線関係では朝ラッシュ時の快速急行の増結が行われ、近鉄難波駅に9時3分までに到着する快速急行はすべて10両編成に統一された[1]。 橿原線では、ファミリー公園前駅に停車する普通の時間帯が8時30分以降に変更された[1]。 生駒線では日中に9往復増発され[1]、20分間隔から15分間隔に変更された。 大阪線では末端区間の名張駅 - 伊勢中川駅間の普通が13年ぶりに日中にも5往復設定され[1]、青山町駅 - 東青山駅間は一部増発された[2]。また上本町駅発最終の区間快速急行が伊賀神戸行きから青山町行きに1駅のみ延長された[3]。 特急列車関係では、21000系「アーバンライナー」の増備に伴い、名阪甲特急15往復(平日)中10往復が21000系で運用されることとなった[1]。ここで捻出された一般特急車は名阪甲特急以外の特急へと転用したが、この玉突きの形で、京伊特急を中心に運用されていた18200系(18m車)は、同年9月に団体用車両「あおぞら2」に改造され、1962年より運用されてきた団体用車両20100系「あおぞら」を置き換えた。これにより、特急車両の全車両20m車化が完了した。 なお、直後の4月1日には消費税の導入に伴って運賃および特急料金の改定が実施された。また、4月28日には名古屋線に南が丘駅が開業した。 1989年5月18日変更南大阪線連続立体交差事業に伴い、一旦撤去されていた今川駅の待避設備完成によって、南大阪線関係の線区のみ時刻が変更された[4]。 この変更によって大阪阿部野橋駅 - 橿原神宮前駅間の区間急行が日中に4往復増発される[4]など、27本が増発された[注釈 2]。また、夕ラッシュ時の大阪阿部野橋駅 → 吉野駅間の急行の所要時間が97分から84分に短縮された[4]。一方で、近鉄御所駅 - 橿原神宮前駅間の直通普通列車が尺土駅で系統分割され、また休日日中の大阪阿部野橋駅発近鉄御所行の準急がなくなり、朝晩のみの運転となった。このため、一般列車でスイッチバックする系統は、これ以降2018年まで設定されていた名張駅発近鉄名古屋駅行急行が唯一のものとなった[注釈 3]。 同日より、吉野口駅でのJR和歌山線との接続を図るため、吉野特急の全列車が吉野口駅にも停車を開始した[4]。 なお、このダイヤ変更では、当時は南大阪線関係の線区に限って設定されていた休日多客対応ダイヤであった「Cダイヤ」が廃止され、以後は他の路線と同様に、休日ダイヤである「Bダイヤ」に不定期列車の運行ダイヤを挿入する形態に変更した。なお、「Aダイヤ」は平日ダイヤのことである。また、同線区ではA・B・C各ダイヤとは別に、藤井寺球場への野球輸送用ダイヤである「ナイター輸送用ダイヤ」やPL花火芸術が開催される8月1日限定で使用される「PLダイヤ」(これらダイヤには平日用と土曜・休日用がそれぞれ別に設定されていた。なお、「デーゲーム輸送用ダイヤ」については存在の有無を含め不明)が、前者は1996年まで使用された後、1997年3月18日変更時に正式に廃止され、後者も2019年8月1日の使用を最後にPL花火芸術が長期休止に入ったため、それに連動して「PLダイヤ」の作成・使用が休止されている。 直後の6月1日より、近鉄の路線では初めて内部線・八王子線でワンマン運転を開始した[7]。 車両関係では、同年より主要線区における通勤車両の車体および仕様が共通化されることになり、1220系を仕様変更した1230系や本格的に全線共通仕様とした1233系が大阪・名古屋線系統および奈良線系統の双方に投入されたほか、南大阪線系統でも全線共通車体が採用され、別形式の6413系として投入した。 1990年代1990年3月15日変更本変更は南大阪線を中心とした時刻変更となった。
このダイヤ変更には間に合わなかったが、田原本線では一部曲線の緩和工事が完了し、大型車の運用が可能となったため、同年の7月1日より大型車の3両編成が運用を開始した[8]。 1991年3月19日変更新造車両57両の増備と、大阪線13駅、橿原線5駅のホーム延長工事、青山町駅の2面4線化が完成したことなどにより実施された。 本変更では時刻の変更は小幅に留まったが、一般列車は多くの線区で増結が実施され、大阪線では21本、京都・橿原線関係で13本、奈良線では43本が増結された。これによりラッシュ時の奈良線の快速急行は、すべて10両編成に統一された。 大阪線関係では、準急停車駅のホーム延長工事完成により、準急が高安以東でも最大6両編成までの運転が可能となった。これによりこの当時6両編成での運転が多かった大阪口の普通列車と運用を共通化することが可能となった。また、一部の区間快速急行が青山町駅から10両編成で運転することとなり、名張駅での増解結が一部ではあるが減少した。このため、その送り込み運用である名張駅 - 青山町駅間の一部の普通が10両編成となり、近鉄では初めて普通列車の10両編成運転が実施されるようになった。その他、一部残っていた伊賀神戸駅折返し列車がほとんど青山町駅折返しとなった(後述の特急を除く)が、平日8時台の1往復のみ伊賀神戸駅折返し列車が残存していた。 名古屋線関係では、鈴鹿線直通の近鉄名古屋発平田町行きの急行が消滅した(近鉄名古屋行きは1996年まで存続)。 奈良線関係では、橿原線の急行停車駅ホームの6両対応への延伸により、橿原線と天理線の一部の急行が6両編成に増結された。 特急列車関係では、21000系の中間車が完成したことにより、平日2往復、土曜日4往復、休日5往復の「アーバンライナー」が8両編成で運転されるようになった。なお、8両編成での運転は前年12月31日の終夜運転より先行的に実施されていた。また、吉野特急に26000系1本が追加投入され、「さくらライナー」が4往復から、平日8往復、休日9往復に変更された。近鉄難波駅21時30分発津駅行き乙特急は桑名駅行きに変更された。逆に近鉄名古屋駅7時00分発近鉄難波行き甲特急は上本町行きに短縮された。初発の名張駅発上本町行き特急が伊賀神戸駅始発に変更され、伊賀神戸駅始発の特急が初めて設定された。 北勢線では、日中の運転が西桑名駅 - 阿下喜駅間、西桑名駅 - 七和駅または北大社駅間、西桑名駅 - 西別所駅間の3系統による40分サイクルから、西桑名駅 - 阿下喜駅間と西桑名駅 - 楚原駅間の2系統による60分サイクルに変更された。西桑名駅 - 西別所駅間は2.0kmで、鋼索線を除けば1992年 - 1994年の平日夜間に運行されていた宮町駅 - 宇治山田駅間の普通列車に並び、2000年まで養老線の休日初発として運行されていた西大垣駅発大垣駅行きの1.8km、1992年に廃止された田原本線の新王寺駅 - 大輪田駅間の1.9kmに次ぐ短い系統であった。 同年の12月6日には、大阪線に大阪教育大前駅が開業した。 車両関係では、1233系の4連版となる1020系が奈良・京都線系統に投入された。また京都・橿原・天理線での3両編成の運用減に伴い、3連の9200系は新造の中間車サ9350形(現在のサ9310形)を組み入れて4連とした。 同年の11月20日には、他の大手私鉄とともに運賃および特急料金の値上げが実施された。初乗り運賃は100円から120円となったが、この改定にて難波線における加算運賃の設定は廃止された。 1992年3月19日変更新造車両48両の増備と、枚岡駅・額田駅のホーム延長工事と東生駒駅の引き上げ線延長工事、および山田線各駅の改良工事が完成したことなどにより実施された[9]。 この変更では、新幹線からの接続を強化するため、奈良線・京都線・南大阪線・長野線・名古屋線・山田線・鳥羽線で最終列車の繰り下げおよび始発列車の繰り上げも実施された[9]。
1993年3月17日変更新造車両52両の増備と、坊城駅・浮孔駅・橿原神宮西口駅のホーム延長工事などが完成したことにより実施された[10]。
その他、各線で編成の増大などが行われた。 なお、志摩線では複線化工事の進捗に伴い、直後の4月28日(五知駅 - 上之郷駅間の複線運転開始)には五知・沓掛・上之郷の各駅で普通の一部列車の時刻変更が行われたほか、6月1日(志摩磯部駅 - 鵜方駅間の複線運転開始および穴川駅の移設)には志摩線全線で普通の全列車の時刻変更(鳥羽駅 - 賢島駅間の所要時間が最大で11分短縮)が行われた。 このダイヤ変更を機に発行された「近鉄時刻表」1993年春・夏号[注釈 6]より、全駅の時刻の掲載を開始した(それまで発行していた「近鉄時刻表」では一部の駅の時刻を省略していた)。 1993年9月21日変更近鉄宮津駅の開業[11]と宮津車庫の全面使用開始、志摩線加茂駅 - 五知駅間の複線化[11]、同年10月の伊勢神宮式年遷宮への対応に伴い、南大阪線関係線区と生駒線・養老線・伊賀線など一部の支線区を除いて実施された[11]。
志摩線の線路改良工事によって運転経路が短縮されるとともに志摩線内の最高速度が90km/hから120km/hに向上したことにより、所要時間の短縮が実施された[11]。なお、今回の変更で志摩線では白木駅 - 五知駅間の線路移設などにより全線の営業キロが25.2kmから24.5kmに変更された。 1994年3月15日変更23000系「伊勢志摩ライナー」の営業運転開始(6両編成5本)[12]およびそれを含めた新造車両41両の増備、河内松原駅・藤井寺駅・土師ノ里駅・道明寺駅・喜志駅・富田林駅のホーム延伸工事の完成[12]、生駒線生駒駅 - 菜畑駅間の複線化、楠駅・白木駅の待避設備完成、尺土駅の2面4線化、賢島駅改良工事の完成などにより実施された。 なお、この変更は、志摩スペイン村開園を考慮して実施した。また、連動して京都市営地下鉄烏丸線のダイヤ改正も同日実施した。
大阪線・山田線・鳥羽線・志摩線の阪伊・名伊甲特急では、一部区間で当時の大手民鉄での最高速度であった130km/hでの運転を開始[注釈 7]し、該当線区を運転するそのほかの特急も120km/hに速度向上された。これにより名阪も含む乙特急、特急も初めて120km/h運転が実施された。また12000系も120km/h対応工事が実施された。 なお、同年9月21日には京都線に木津川台駅が開業した。また同年9月15日より養老線で、10月1日より伊賀線でワンマン運転を開始した。 1995年3月16日変更新造車両22両の増備と、近鉄八尾駅・河内山本駅・高安駅・三山木駅のホーム延長工事が完成したことにより実施された[13]。 大阪線では、近鉄八尾駅・河内山本駅・高安駅のホームが10両対応になったことから、上本町駅 - 高安駅間の準急で10両編成での運転が開始された[13]。 京都線関係では、京都発近鉄宮津行き急行1本が増発、京都発新田辺行き急行1本が近鉄宮津行きに変更された[13]。この列車は従来の急行停車駅のほか、三山木駅・近鉄宮津駅にも停車したが、当時4両分のホームしかなかった興戸駅は通過していた。また、本変更より、新田辺駅 - 大和西大寺駅間での準急(実質は各駅停車)の設定がなくなった。 このほか、鈴鹿線では信号機の増設などによる設備改善のため、最高速度が65km/hから80km/hに向上され、所要時間が短縮された[13]。 なお、同年9月1日には他の大手私鉄とともに運賃および特急料金の値上げが実施され、初乗り運賃が120円から150円になったほか、特急料金が平均で18.6%の大幅な値上げとなり、デラックスシート料金も310円から400円に値上げされた。これに合わせて近鉄でも時差回数乗車券(オフピークチケット/10回分の運賃で12回分利用可)・土休日割引回数乗車券(サンキューチケット/10回分の運賃で14回分利用可)が導入された。 1996年3月15日変更新造車両26両の増備と、大和朝倉駅・新祝園駅の待避設備完成、尺土駅・高田市駅・橿原神宮前駅のホーム延長工事が完成したことなどにより実施された。
なお同年2月には、2610系2621Fについて、ロングシートとクロスシートの双方に変換できるデュアルシートを備えた「L/Cカー」に改造され、大阪線・名古屋線で試験運用を開始した。一方で、奈良線系統では同年より8000系の廃車が始まった。また同年10月4日より吉野線の橿原神宮前駅 - 吉野口駅間の区間列車でワンマン運転を開始した。 1996年4月27日変更大阪市営地下鉄中央線のダイヤ改正に伴う東大阪線のダイヤ変更を実施した。大阪市営地下鉄中央線に合わせる形で、東大阪線は近鉄で初めて土曜日を平日ダイヤから休日ダイヤに移行し、平日ダイヤと土曜・休日ダイヤの2面立てとなった。 1997年3月18日変更この変更より土曜日は休日ダイヤで運行されることとなり、平日ダイヤと休日ダイヤから、平日ダイヤと土曜・休日ダイヤに変更された[14]。土曜・休日ダイヤではこれまでの休日ダイヤを基本とし、朝方には列車の増発および増結が実施された[注釈 8]。
直後の4月1日には消費税率の引き上げ(3%→5%)および特別地方消費税の導入に伴い、運賃および特急料金の改定が実施された(10km までの区間の普通運賃(150円・200円・250円=一部路線における加算額を除く)と 40km までの区間の特急料金(500円)は据え置かれた)。 1997年5月22日修正京都市営地下鉄烏丸線・北山駅 - 国際会館駅間の延伸開業に伴い、京都線などで相互直通列車を中心に運転時刻および車両運用を変更するダイヤ修正が実施された。なお、延伸区間は6月3日の正午に開業し、それまでは「予行運転」の形で回送列車として運転された。 1997年12月11日変更大阪港トランスポートシステム(OTS)テクノポート線・大阪港駅 - コスモスクエア駅間(2005年7月1日より大阪市営地下鉄中央線に編入[注釈 11])の開業に伴い、相互直通の東大阪線・大阪市営地下鉄中央線でダイヤ変更、土曜・休日の朝方に生駒駅発コスモスクエア行きが2本増発された。なお、OTS線は12月18日の正午に開業し、それまでは「予行運転」の形で回送列車として運転された。 1998年3月17日変更青山町車庫の使用開始に伴うダイヤ変更を実施した[注釈 12]。
1999年3月16日変更以下のダイヤ変更を実施した[注釈 12]。
同年6月には、葛城索道線(葛城山ロープウェイ)の索道搬器(ゴンドラ)が新型のものに取り替えられた。 同年より年末・年始に加えてお盆の期間(原則として8月13日 - 8月15日[注釈 14])も土曜・休日ダイヤで運転されるようになった。 一方、同年10月1日には赤字状態が続いていた直営のバス事業(自動車局)が分社化され、乗合バス(高速バス・空港リムジンバスを含む)は近鉄バスとして、貸切バスは近鉄観光バス(2006年に近鉄バスに統合)として再スタートした[注釈 15]。 1999年12月4日修正伊賀線では、伊賀上野駅で接続するJR関西本線のダイヤ改正(急行「かすが」名古屋駅行きの運転時刻繰り下げなど)に伴い、伊賀上野駅 - 上野市駅間の一部列車で時刻変更が行われた。 2000年代2000年3月15日変更このダイヤ変更では、京都市営地下鉄の近鉄線乗り入れ区間を拡大するなどを実施したため、京都市営地下鉄烏丸線も同時にダイヤ改正を実施した[注釈 12]。
2001年3月22日変更
2002年3月20日変更
2003年3月6日変更原則として3月中旬に実施するダイヤ変更は、この年は例年より10日程度早めて3月上旬に実施した。また、京都市営地下鉄烏丸線のダイヤ改正も同日に実施した。
2004年3月18日変更
2005年3月25日変更全体的には小幅に留まったが、2005年日本国際博覧会(愛知万博)来客者の利便を図るため、臨時の名阪乙特急・名伊乙特急が増発された。なお名阪乙の方は愛知万博終了後も臨時運転を継続していた[25][26][注釈 22]。愛知万博開催初日にダイヤ変更日を合わせたため、例年よりも1週間程度遅いダイヤ変更日となった。 直後の5月21日には、名古屋線・近鉄八田駅周辺の高架化が完了し、近鉄八田駅のキロ程が変更(近鉄名古屋方に 0.2km 移動)された。 2006年3月21日変更
2007年3月22日改正このダイヤ改正では、急行の停車駅の追加および始発列車と最終列車の見直しが行われた[29]。 橿原線では土休日ダイヤの日中に急行が西ノ京駅に停車するようになった。奈良線では区間準急の運転時間帯が拡大されるとともに、全線区で駅間の基準運転時分が算定方式の変更[注釈 23]と制限速度見直しによって変更された。 生駒鋼索線では、山上線の最終の繰り上げと始発の繰り上げが実施されるとともに、運転間隔が山上線・宝山寺線ともに40分間隔に変更された。 直後の4月1日より、一部線区を除いて「PiTaPa」「ICOCA」の取り扱いが開始された。 なお同年10月1日にて、伊賀線と養老線がそれぞれ伊賀鉄道と養老鉄道に分社化された(両線は近鉄が第三種鉄道事業者として線路を保有し、各新会社が第二種鉄道事業者として列車を運行)。これにより、岐阜県内から近鉄の運行路線がなくなった。 2008年3月17日改正このダイヤ改正では、奈良線・名古屋線で特急列車の増発が行われ、平日では近鉄難波駅発近鉄奈良行き最終の特急が15分繰り下げられた[30]。
2009年3月20日改正→阪神側のダイヤ改正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2009年3月20日改正」を参照
阪神なんば線の開通に伴う、阪神電気鉄道(阪神)との相互直通運転開始によるダイヤ改正が実施された[31]。このため、阪神と同日のダイヤ改正となり、また京都市営地下鉄烏丸線も同日に改正した。 この改正では奈良線関係を中心に実施され、快速急行が阪神本線の三宮駅(現:神戸三宮駅)まで、準急・区間準急・普通が尼崎駅まで乗り入れた。近鉄では1252系(1271F - 1276F)・1026系(1027F - 1029F)・5800系(L/Cカー)・5820系(同)・9020系・9820系の合計48編成が、阪神では1000系・9000系がそれぞれ相直用車両に使用されることとなった。 ダイヤ変更にあわせて、上本町駅が大阪上本町駅に、近鉄難波駅が大阪難波駅に、富洲原駅が川越富洲原駅にそれぞれ改称された。 南大阪線ではあべのハルカス建設に関連した大阪阿部野橋駅近辺の再開発に伴う改良工事が一部完成し、駅構内の停車場中心の位置を東にずらして1番線と2番線のホームを8両編成対応から7両編成対応に短縮した。これにより営業キロが0.1km短縮となった。 特急では、平日に大阪難波駅23時10分発大和八木行き特急が増発された。また、23000系「伊勢志摩ライナー」の名阪特急への運用が取り止められたほか、直後の4月1日より特急車両22600系「Ace」が営業運転を開始した。 直前の3月1日をもって、「Jスルーカード」の自動改札機および自動精算機での取り扱いを終了した(JR西日本についても同じ)[32]。 2009年8月30日変更けいはんな線・大阪市営地下鉄中央線でダイヤ改正が行われ、平日朝ラッシュ時のコスモスクエア行きは大半が学研奈良登美ヶ丘駅始発に変更された。車両運用も大幅に変更され、両者の車両がそれぞれ相手線内で夜間留置となる「外泊運用」が設定された[33]。 2010年代2010年3月19日変更創業100周年を迎えたこの年のダイヤ変更は、平城遷都1300年祭が行われるのにあわせて、特急列車が増発されるなどのダイヤ変更が行われた[34]。
2011年3月16日変更このダイヤ変更では、奈良線で特急列車の増発、南大阪線・吉野線では特急列車・一般列車の削減などが行われた[注釈 24][36]。
2012年3月20日変更→阪神側のダイヤ改正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2012年3月20日改正」を参照
このダイヤ変更は白紙ダイヤ変更となった。この白紙ダイヤ変更は2010年度には既に検討が開始されていた[注釈 25]。 このダイヤでは過去最大の運転本数の削減が行われ、平日では236本が削減された[40][41]。また、阪神と京都市営地下鉄烏丸線のダイヤ改正もこの変更に連動して同日に実施した。
近鉄では、この白紙ダイヤ変更での運転本数の削減率は平日1日換算で約4.8%、これによる費用削減効果は年間で約8億円(2012年度実績)であったことを2014年の設備投資計画の中で明らかにした[45]。 2013年3月17日変更このダイヤ変更では、観光特急50000系「しまかぜ」の新設(営業運転は3月21日から)や2013年伊勢神宮式年遷宮に伴う特急の輸送充実を図っている[46]。なお、けいはんな線もダイヤ変更を実施したが、同線のダイヤ変更日は、大阪市営地下鉄中央線に合わせて3月23日からとなった[47]。
2014年9月21日変更同日付で奈良線の八戸ノ里駅 - 瓢箪山駅間の上り線の高架化が完成するのに合わせてダイヤ変更が実施された[48]。 3月にダイヤ変更が行われなかったのは1985年以来29年ぶり、9月のダイヤ変更実施も1993年以来21年ぶりである。京都市営地下鉄烏丸線のダイヤ改正も同日連動して実施したが、阪神はダイヤ改正を見送った。
同年4月1日には消費税率の引き上げ(5% → 8%)に伴い、1997年4月1日以来17年ぶりに運賃・料金の改定が行われた(初乗り運賃のみ据え置き)。 2015年(未実施)近鉄では2015年はダイヤ変更を実施しなかった。近鉄がダイヤ変更を実施しなかった年は、少なくとも1953年以降では初であった。 ダイヤ変更は見送ったものの、車両関係では、特急車両では22000系、16400系、12410系などに、喫煙室整備と併行した車体更新が順次行われ、車体更新施工済の12400系、16000系に関しても、先行して改造された16010系と同様の喫煙室整備改造が行われた。また、特急車両のうち、汎用特急車の塗装変更を順次実施することとなり、この年に更新工事を開始した22000系の22110Fが新塗装の一番目となった(同編成は同年11月更新工事を完了)。一般車両においても、2610系2627Fを皮切りに、内装デザインを大幅に変更した内装更新が順次実施された。 経営面では、同年の4月1日、内部線・八王子線が四日市あすなろう鉄道に移管された。 2016年3月19日変更→阪神側のダイヤ改正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2016年3月19日改正」を参照
この変更では、特急列車の統合による停車駅追加と、大阪線平日ラッシュ時、大阪 - 松阪・伊勢間の急行系列車および名古屋線系統の運転形態の見直し、始発列車の繰上げ・最終列車の繰り下げを中心とした変更となった[50][51]。阪神および京都市営地下鉄烏丸線のダイヤ改正も近鉄のこのダイヤ変更と連動して同日に実施した。
2017年(未実施)近鉄では2017年はダイヤ変更を実施しなかった。ダイヤ変更を見送ったのは2015年以来2年ぶりとなった。 なお、ダイヤ変更は実施されなかったものの、生駒線では災害による臨時ダイヤ変更が実施されたため、本節ではその内容について記述する。 10月22日、平成29年台風第21号の襲来により、生駒線の竜田川駅 - 勢野北口駅間で住宅地の法面が崩れ、土砂流入が発生した。同日は途中から最終まで生駒線全線で運休となったが、翌23日より生駒駅と東山駅の間のみで運転を再開し、その後復旧作業を行って、25日より仮復旧ながらも残る区間の運転を所定のダイヤで再開した。しかし、まだ仮復旧状態の関係上、この区間での徐行運転を実施したため遅延が常態化し、所定のダイヤでの運転ができなくなったことから、急遽臨時ダイヤを設定し、約2週間後の11月6日より実施した[54]。この臨時ダイヤは、所定のダイヤでは平日朝ラッシュ時のみに設定されている東山駅折り返し列車を平日の夕方ラッシュ時と土曜・休日ダイヤの朝の時間帯にも設定したことから、この時間帯の東山駅 - 王寺駅間は減便となった。その他の時間帯でも一部列車の運転時刻と所要時間が変更されている。 また、生駒線を含む終夜運転実施路線における越年ダイヤの時刻を11月9日に一度は発表したものの、12月上旬時点でもこの区間の本格的な復旧ができなかったことから、生駒線に限り越年ダイヤの内容を変更したものを12月17日に発表した。生駒線の越年ダイヤは、11月9日発表の時点では終夜運転時の列車は全列車が全線通しであった[注釈 34]が、12月17日修正版では生駒駅発の早朝6時台の列車2本を東山駅発着に短縮するなどの変更点があった[55]。臨時ダイヤおよび徐行運転は2020年3月13日で終了した。 2018年3月17日変更この変更では、特急列車の運転区間の変更や停車駅の追加、また急行停車駅の追加による準急列車以下列車の運転形態の見直し、および深夜時間帯の利便性の向上が行われた[56][57]。同日にはけいはんな線もダイヤ変更を実施したが、大阪市営地下鉄中央線(同年4月1日から大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)のダイヤ改正が同月24日からとなったため、同線に限り2段階でダイヤ変更を実施し、17日からの1週間は暫定的なダイヤで運転し、本格的な変更は中央線のダイヤ改正と同日の24日に行われた[58]。なお、京都市営地下鉄烏丸線も同日に改正された[59]が、阪神のダイヤ改正は実施されなかった。 生駒線では平成29年台風第21号による土砂災害の復旧作業工事が難航し、この時点でも本格復旧ができていないことから、臨時ダイヤが引き続き実施されていた。
2019年(未実施)近鉄では2年ぶりに3月のダイヤ変更を実施しないこととなった。一方で、乗り入れ先のOsaka Metro中央線ではダイヤ改正を3月16日に実施した[61]が、この改正は同線内での深夜時間帯に列車を増発する程度のものであり、けいはんな線には関連していないため、近鉄側では連動したダイヤ変更の実施は見送った。 同年10月1日には消費税率の引き上げ(8% → 10%)に伴い、2014年4月1日以来5年半ぶりに運賃・料金の改定が実施された(初乗り運賃は160円に引き上げ)[62]。 2020年代2020年3月14日変更→阪神側のダイヤ改正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2020年3月14日改正」を参照
この変更では、大阪難波駅 - 近鉄名古屋駅間および大阪難波駅 - 近鉄奈良駅間で新型特急80000系「ひのとり」が運用開始したほか、特急列車の増発や運転区間の変更、奈良線の土・休日の快速急行の編成の増加、大阪線の早朝時間帯の利便性の向上が行われた。けいはんな線・生駒ケーブルはダイヤ変更しない[63][64]。この日は阪神のダイヤ改正も行われた[65]。
この年に限り、新型コロナウイルス感染症の流行を抑制するため、大晦日→元旦に掛けての終夜運転は中止となった。 2021年7月3日変更→阪神側のダイヤ修正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2021年7月3日修正」を参照
この変更では主に新型コロナウイルスの影響による利用者の減少により、列車の減便および種別格下げと深夜ダイヤの見直しを中心としたダイヤ変更が実施された[77][78]。 3月以外でダイヤ変更が行われるのは2014年以来7年ぶり、7月に行われるのは1965年以来56年ぶり。
前年は中止となった大晦日→元旦の終夜運転は、規模を縮小したもののこの年より再開した。なお、この年以降は大阪線の名張駅 - 伊勢中川駅間は終夜運転時間帯は特急のみの運転となった。 2022年4月23日変更この変更では主に新型コロナウイルスの影響による利用者の減少により、南大阪線・吉野線・長野線・御所線で列車の運転区間縮小や一部列車のワンマン化を中心としたダイヤ変更が実施された[88]。
2022年4月29日修正この日より観光特急「あをによし」が運転開始となり、大阪難波駅 - 京都駅間(近鉄奈良駅経由)で1往復、近鉄奈良駅 - 京都駅間で2往復が設定された(原則木曜日は運休)[91]。平日ダイヤは既存のダイヤに「あをによし」を増発で設定し、土休日ダイヤは京奈特急3往復(その内の1本は大和西大寺発京都行き特急)を「あをによし」に置き換えた(置き換えた京奈特急の内、高の原駅停車列車は通過に変更)。 2022年12月17日変更→阪神側のダイヤ改正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2022年12月17日改正」を参照
この変更では乗客の利用状況を勘案して、奈良線、京都線、橿原線を中心に運転区間、列車種別、編成、時刻などを変更した。4月に変更を行った線区とけいはんな線・生駒鋼索線・西信貴鋼索線はダイヤ変更しない[92][93]。この日は京都市営地下鉄烏丸線[94]と阪神電気鉄道[95]のダイヤ改正も行われた。
2023年(未実施)近鉄では2023年はダイヤ変更を実施しなかった。 同年4月1日より、運賃の改定が実施された(料金は変更せず。初乗り運賃は180円に引き上げ)[97]。このため、近鉄時刻表の改訂版が発行された。 車両関連では、2023年度より、これまで見送られていた、1986年以降に新造されたアルミ製のVVVF車(3200系・6400系以降5800系までの車両)のA更新が本格的に始まった。外観上の変更としては、「上部:前照灯」「下部:尾灯・通過標識灯」から「上部:尾灯・通過標識灯」「下部:前照灯」へ組み合わせの変更(また、形状を変更している)、方向幕のフルカラーLED化、前面のガードスクリーン(転落防止幌)の設置が挙げられる。また、車内に防犯カメラを設置した上で内装のリニューアルも実施したと同時に、一部の車両では制御装置の更新を実施した(ただし方向幕のフルカラーLED化と制御装置の更新については、A更新とは別で実施した車両や、一方でA更新施行車でも見送った車両がある)[98][99]。このA更新の工事内容は、翌2024年度施工分より、半自動ドアスイッチと車外側面両側車端部への小型防犯カメラの設置が追加されるようになった。 2024年3月16日変更この変更では、乗客の需要回復や線区ごとの利用状況を鑑みて、運転区間、列車種別、編成、時刻などを変更した。また、大阪上本町駅3番線の使用停止(廃止)に対応したダイヤとなった。なお、けいはんな線ではダイヤ変更を実施しなかった[100]。3月にダイヤ変更したのは4年ぶり。京都市営地下鉄烏丸線のダイヤ変更もこの変更に連動して同日に実施したが、一部の近鉄直通列車の行先を変更したのみであった[101]ほか、阪神に関してはダイヤ改正を見送っている[注釈 44]。
2025年1月11日変更この日はサービス向上と同年1月19日のOsaka Metro中央線夢洲駅開業を見据えてけいはんな線のダイヤ変更が実施される予定[103]。この日はOsaka Metroもダイヤ改正予定である[104]
2025年2月22日変更→阪神側のダイヤ改正内容については「阪神電気鉄道のダイヤ改正 § 2025年2月22日改正」を参照
この変更では輸送力の増強、利便性およびサービスの向上を目的として、運転本数、運転区間、列車種別、編成両数、発着時刻などを変更する予定。けいはんな線・生駒鋼索線・西信貴鋼索線はダイヤ変更しない[105]。この日は阪神電気鉄道[106]のダイヤ改正も行われる予定。
脚注注釈
出典
参考文献
関連項目 |