AMS EulerフォントAMS Euler(エイエムエス オイラー)は、アメリカ数学会(AMS)の依頼でヘルマン・ツァップがデザイン・製作した立体筆記体の書体であり、アメリカ数学会が版権を所有している。この書体はレオンハルト・オイラーにちなんで名付けられた。そのデザインにはドナルド・クヌースとその大学院生の協力があった。この書体は数学者が黒板に手書きした数学的記号(これはイタリック体というよりむしろ立体である)を真似ている[1][2]。 AMS Eulerの全てのアルファベットは、クヌースが開発したコンピュータ支援デザインシステムであるMETAFONTを使って実装されている。ツァップは1980-81年にEulerアルファベットをデザインし、1983年以降にはデジタル校正刷への批評・助言をおこなっている。AMS EulerのMETAFONTを使った開発はスタンフォード大学のコンピュータ科学およびデジタルタイポグラフィの学生であるスコット・キム、Carol Twombly、David SiegelおよびJohn Hobbyがおこなった。Siegelは1985年の修士論文としてMetafont Eulerデジタル化プロジェクトを完成した。 AMS Eulerは、METAFONTで初めて実装されたあと、クヌースが共著者の一人である書籍Concrete Mathematicsに初めて使われた[3]。この本では、AMS Eulerを補完するためにクヌースがデザインしたConcrete Romanフォントも初めて使われている。Euler MetafontフォーマットはのちにPostScript Type 1フォントフォーマットに変換され、現在ではTrueTypeフォーマットでも入手可能である。 Eulerの再製作アメリカ数学会は2009年、AMSフォントのバージョン3.0をOFLのもとでリリースした[4]。このバージョンでツァップはAMS Eulerの多くのグリフ(字体)を再製作した。その実装にはHans Hagen、Taco HoekwaterおよびVolker RW Schaaの助力を得た。AMS Eulerバージョン3.0はクヌースの誕生日である2008年1月10日にクヌースにプレゼントされた。 参考文献
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