アッサム文字
アッサム文字(অসমীয়া আখৰ Ôxômiya Akhôr)[1]はアッサム語を表記するために使われるベンガル文字の変種である。ベンガル文字はブラーフミー系文字に属し、ベンガル語・アッサム語・ビシュヌプリヤ・マニプリ語などで使われる。17世紀までには、活字の次に出現した標準文字への道を開いた、3種類のアッサム文字のスタイルが明らかになっている(それぞれbaminiya、kaitheliおよびgarhgayaと呼ばれる)[2]。現在の標準は2文字を除いてベンガル文字と同一である。 Buranjisはアーホーム王国時代にアッサム文字を使い、アッサム語で書かれた。アッサム文字の最初期の証拠はCharyapadaという仏教歌に見られる。これは8世紀から12世紀の400年間をかけて編纂されたとされている。14世紀に、Madhava Kandaliはアッサム文字を使って、Kotha Ramayanaを書いた。これはサンスクリットで書かれたヴァールミーキの『ラーマーヤナ』以後、初めてインドの地方語に訳された『ラーマーヤナ』として有名である。後に、Srimanta Sankardevaは15世紀と16世紀にアッサム文字を使って彼の全作品を、アッサム語と、バクティの詩 (Borgeets) と演劇 (Ankiya naat) の言語であるBrajavali語で書き上げた。 アーホーム王Chakradwaj Singha(1663年-1670年)は、自国でアッサム文字が刻まれた硬貨の発行を始めた最初の支配者であった(コインの見本は図を参照)。わずかな違いしかない類似の文字が、ベンガル語(ベンガル文字)、マニプリ語およびシレット語の表記に使われている。 アッサム文字の記号母音現在アッサム文字には11の母音文字が存在し、アッサム文字の主要な母音8つと多数の二重母音の表記に使われる。これらはすべて、この文字を使う2つの主要な言語であるアッサム語とベンガル語の両方で使われる。母音文字のいくつかは単語によって発音が異なり、母音の区別の多くは書記体系には保存されているが、現代話されているアッサム語やベンガル語ではそのように発音されない。たとえば、アッサム文字には母音 [i] を表す記号と母音 [u] を表す記号が、どちらも2種類ある。この冗長さは、この文字がサンスクリットの表記に使われていた時代に由来する。サンスクリットには短母音の [i] と長母音の [iː]、および短母音の [u] と長母音の [uː] が存在していた。これらの文字は、もはやアッサム語の日常会話では区別して発音されていないという事実にもかかわらず、アッサム文字にも hôrswô i(「短いi」)と dirghô i(「長いi」)などの伝統的な名前とともに残っている。 母音文字は子音文字と結合して、子音文字(例えば ক, kô)の発音を変更する。母音記号が表記されないときは、通常、母音 'অ'(ô か o)が仮定される。母音が存在しないことをとくに明示するために、(্) が子音文字の下部に書かれることがある。
子音子音文字のアッサム語における名前は通常、子音の発音に随伴母音 ô を加えたものに過ぎない。随伴母音は存在するとみなされて表示されないので、ほとんどの文字の名前はその文字自身と同一に見える(たとえば、文字 ঘ の名前は ঘ ghô そのものである)。現代アッサム語では発音の区別が失われたいくつかの文字は、より詳細な名前で呼ばれる。たとえば、子音音素 /n/ は ন, ণ, ঞ のいずれかによって表記されうる(どれを使うかは特定の単語の綴りに依存する)ので、これらの文字は単純に nô とは呼ばれない。代わりに、これらは ন dôntiyô nô(「歯音 n」), ণ mudhôinnô nô(「反転音 n」), および ঞ niô と呼ばれる。同様に、特定の単語の標準綴りによって、音素 /x/ は শ talôibbô xô(「硬口蓋音 x」), ষ mudhôinnô xô(「反転音 x」), স dôntiyô xô(「歯音 x」)のいずれかで表記され、音素 /s/ は চ prôthôm sô(「第一の s」)か ছ ditiyô sô(「第二の s」)を使って表記され、音素 /z/ は জ bôrgiyô zô(「row z」 = 「閉鎖子音の第5列に含まれる z」)か য ôntôsthô zô(「z situated between」 = 「閉鎖子音の第5列と歯擦音の列の間に来る z」)を使って表記される。
数字
脚注参考文献
外部リンク |