アメリカ疾病予防管理センター
アメリカ疾病予防管理センター(アメリカしっぺいよぼうかんりセンター、英: Centers for Disease Control and Prevention、略称: CDC[1])は、アメリカ合衆国のジョージア州アトランタにある保健福祉省所管の感染症対策の総合研究所。 公式の日本語訳は無く、本項の項目名の他にも米疾病対策センター[注釈 1]・疾患予防管理センター・疾患対策予防センター・防疫センターなど、実に様々に呼ばれている。日本の厚生労働省や厚生労働省検疫所が発表している文章中でも訳語は統一されていない[2][3]。CDCの発表している日本語文献中では 概要CDCは1946年に創設され、アメリカ国内・国外を問わず人々の健康と安全の保護を主導する立場にあるアメリカ合衆国連邦政府の機関である。健康に関する信頼できる情報の提供と、健康の増進が主目的である。結核など脅威となる疾病には国内外を問わず駆けつけ、調査・対策を講じる上で主導的な役割を果たしている[5]。 本センターより勧告される文書は非常に多くの文献やデータの収集結果を元に作成・発表されるため、世界共通ルール(世界標準)と見なされるほどの影響力を持ち、実際に日本・イギリスなどでも参照・活用されている。未知のウイルスや感染症などを題材にした映画・小説に登場することが多い。 極端に致死率の高いバイオセーフティーレベル4(BSL-4)[6]に対応できるのは、レベル4実験室(P4、BSL-4、PC4、MCLなどとも呼ばれる[7])だけで、CDCにあるものがそのひとつである。 エボラウイルスなどバイオハザードへの対策については世界中がCDCに依存している。また危険なウイルスの保存もしており、自然界で撲滅が確認された天然痘ウイルスを公式に保管している機関は、ここCDCとロシア国立ウイルス学・生物工学研究センターだけである[8]。 ちなみにCDCでは生物兵器として利用される可能性が高い病原体のリスクの格付けを行っている。カテゴリーA、B、Cの3段階で評価されており、最も危険度・優先度の高いカテゴリーAの病原体として、エボラウイルスなどの出血熱ウイルス・天然痘ウイルス・炭疽菌・ペスト菌・ボツリヌス菌・野兎病菌を挙げている。 →詳細は「生物兵器 § 米国CDCによる生物兵器の格付け」を参照
また、これらの疫病の媒介となる蚊などの害虫駆除の方法や規制についても詳細にわたり示している[9]。 海外にも地域事務所を置いており、2024年2月現在、ブラジル、ジョージア、オマーン、ベトナム、日本に拠点がある[10]。 組織
職員数
CDCガイドライン
出版物
情報サービスCDCでは、CDC Newsroom[12]、MMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report)[13][14]、Health Information for Travelers[15]等の情報をメールマガジンやハイパーテキスト形式で配信している。 最新の治験・研究の情報やアメリカ合衆国各地で、どの疾病がどの程度発生しているかといった詳しい内容を迅速に知ることができる貴重な情報源であり、報道のニュースソースになっている[14]。 エピソード2011年5月21日、当時アメリカ合衆国の一部で広まっていた「世界の終末が近い」というデマや噂に呼応して、公式ブログに「たとえ『ゾンビによる世界の終末』が来ようとも、備えることはできる」という防災アドバイスを、ユーモアを交えて掲載した[16]。 登場作品
脚注注釈出典
関連項目
外部リンク |