クリス・ワイドマン
クリス・ワイドマン(Chris Weidman、1984年6月17日 - )は、アメリカ合衆国の男性総合格闘家。ニューヨーク州ボールドウィン出身。セラ・ロンゴ・ファイトチーム所属。元UFC世界ミドル級王者。クリス・ウェイドマンとも表記される。 来歴幼い頃からレスリングを始め、ボールドウィン高校時代はレスリングでニューヨーク州王者となった。ナッソー・コミュニティ・カレッジ時代に2度のNJCAAオールアメリカンとなり、ホフストラ大学に転入した後はNCAAディビジョン1でオールアメリカンに2度選出された。レスリング時代にはライアン・ベイダーに勝利している。 ホフストラ大学時代にマット・セラ・ブラジリアン柔術・アカデミーでレスリングクラスの指導を依頼され、そこでワイドマン自身もブラジリアン柔術のクラスを受講すると、3ヶ月後には東海岸地区グラップラーズ・クエストで13試合全て関節技で一本勝ちをし自身の階級と無差別級の2階級で優勝を果たした[2]。 卒業後も、ホフストラ大学と同大学院でレスリングのアシスタントコーチとして働きながら北京オリンピックへの出場を目指していたが叶わず、今後もオリンピックを目指すか総合格闘技へ転向するか悩んでいた時にレイ・ロンゴと出会い総合格闘技転向を決意した[1][3]。 2009年、ADCCサブミッション・レスリング世界選手権で88kg級に出場し、2回戦でアンドレ・ガウヴァオンに敗れた[4]。 総合格闘技2009年2月20日、総合格闘技デビュー。 2010年2010年9月24日、ROCミドル級タイトルマッチで王者ユライア・ホールと対戦し、パウンドでTKO勝ちを収め王座獲得に成功した。 2010年12月3日、ROCミドル級タイトルマッチで挑戦者バウジール・アラウージョと対戦し、3-0の判定勝ちを収め初防衛に成功した。 2011年2011年にレイ・ロンゴと共同でニューヨーク州ナッソー地区に格闘技ジム「ロンゴ・アンド・ワイドマン・ロウ・MMA」を開いた。 UFC2011年3月3日、UFC初参戦となったUFC Live: Sanchez vs. Kampmannでアレッシオ・サカラと対戦し、3-0の判定勝ちを収めた。 2011年6月11日、UFC 131でジェシー・ボングフェルトと対戦し、ギロチンチョークで一本勝ち。サブミッション・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2012年2012年1月28日、UFC on FOX 2でデミアン・マイアと対戦し、判定勝ち。判定は当初2-1とアナウンスされたが、3-0と訂正された[5]。 2012年7月11日、UFC on Fuel TV 4でマーク・ムニョスと対戦し、カウンターの肘打ちでダウンを奪いパウンドでKO勝ち[6]。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。試合後のマイクでは王者アンデウソン・シウバへの挑戦をアピールした[7]。 2013年UFC世界王座獲得2013年7月6日、1年ぶりの復帰戦となったUFC 162のUFC世界ミドル級タイトルマッチで王者アンデウソン・シウバに挑戦。ブックメーカーのオッズは2-1でワイドマンが僅差で不利とみられていたが、ジョルジュ・サンピエールを始めとしたワイドマンの勝利を予想するファイターや専門家が多数いた試合を[8][9]、左フックでダウンを奪いパウンドで2RKO勝ちを収め王座獲得に成功。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。シウバはこの敗北で約7年間、10度に渡って防衛に成功したUFC世界ミドル級王座から陥落した。 2013年12月28日、UFC 168のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング1位のアンデウソン・シウバと再戦。2Rにシウバの左ローキックがワイドマンの膝に直撃し、シウバは左足の脛骨と腓骨を骨折。これによりTKO勝ちとなり、王座の初防衛に成功。試合後の記者会見では「相手のローキックを膝で防御する練習はしてきた」と語っている[10]。 2014年2014年7月5日、UFC 175のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング3位のリョート・マチダと対戦し、3-0の5R判定勝ちを収め2度目の王座防衛に成功。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2015年2015年5月5日、ヘンゾ・グレイシーとマット・セラからブラジリアン柔術黒帯を授与された[11]。 2015年5月23日、UFC 187のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング3位のビクトー・ベウフォートと対戦し、マウントパンチで1RTKO勝ちを収め3度目の防衛に成功。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 世界王座陥落2015年12月12日、UFC 194のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング1位のルーク・ロックホールドと対戦。一進一退の攻防が続くなか、3Rにテイクダウンを許すとそこから一気にロックホールドペースとなり、4RにパウンドでTKO負けを喫し王座から陥落。破れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2016年2016年11月12日、UFC 205でミドル級ランキング4位のヨエル・ロメロと対戦。優勢に試合を進めたものの、3Rにタックルに跳び膝蹴りを合わされ大流血のKO負け。 2017年2017年4月8日、UFC 210でミドル級ランキング5位のゲガール・ムサシと対戦。2Rに膝蹴りを当てられ反則である4点ポジションでの膝蹴りとレフェリーは判断し試合を中断。しかしインスタントリプレイ(ビデオ判定)でギリギリ4点ポジションではなく、反則ではない有効な膝蹴りであったことが確認され、ドクターストップによりムサシのTKO勝ちとなった[12]。 2017年7月22日、UFC on FOX 25でミドル級ランキング8位のケルヴィン・ガステラムと対戦。1Rにガステラムのワンツーでダウンするも2R以降はテイクダウンで盛り返し3Rに肩固めで一本勝ち。 2018年2018年11月3日、約1年4ヶ月ぶりの復帰戦となったUFC 230でミドル級ランキング5位のホナウド・ジャカレイと対戦。一進一退の打撃戦を繰り広げるも、3Rに右フックでダウンを奪われ、パウンドでKO負け。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2019年2019年10月18日、ライトヘビー級転向初戦となったUFC on ESPN: Reyes vs. Weidmanでライトヘビー級ランキング4位のドミニク・レイエスと対戦し、1R序盤に左ストレートでダウンを奪われ、パウンドでTKO負け。 2020年2020年8月8日、ミドル級復帰戦となったUFC Fight Night: Lewis vs. Oleinikでミドル級ランキング11位のオマリ・アフメドフと対戦し、3-0の判定勝ち。 2021年2021年4月24日、UFC 261でミドル級ランキング9位のユライア・ホールと再戦。序盤に放った右ローキックがホールの膝付近を直撃し、右脚の脛骨と腓骨を骨折しTKO負け。 ファイトスタイル体幹の強さから繰り出す打撃を得意とする[13]。また、レスリングでオリンピック銀メダルを獲得したヨエル・ロメロからテイクダウンを奪うほどのレスリングスキルを併せ持ち、テイクダウンからのパウンドも主武器の一つである。 人物・エピソード
戦績総合格闘技
グラップリング
獲得タイトル表彰
ペイ・パー・ビュー販売件数
脚注
関連項目外部リンク
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