スレイヴス・アンド・マスターズ
『スレイヴス・アンド・マスターズ[10]』(Slaves and Masters)は、ディープ・パープルが1990年に発表した通算13作目、再結成後としては3作目、ジョー・リン・ターナーが在籍した第6期の唯一のスタジオ・アルバムである。BMG移籍後の初アルバムである。 解説経緯1984年に第2期のメンバーの再結集によって始動した第5期ディープ・パープルは、1989年にイアン・ギランを解雇。彼等はギランの後任にサバイバーのジミ・ジェイミソンを迎えようとしたが、ジェイミソンのマネージメントに断られてしまった[11]。その後、オーディションを行なってテリー・ブロックを合格させるが、結局ブロックは正式加入せず。最終的には、元レインボー、ライジング・フォースのジョー・リン・ターナーとセッションを行ない、1989年10月に正式メンバーに迎えた[11]。 アルバム未収録曲本作のレコーディング・セッションで録音された曲のうち、アルバムに収録されなかった「Fire, Ice & Dynamite」は、1990年公開のアメリカ映画『サマー・シュプール』(原題:Fire, Ice & Dynamite)のサウンドトラックで使用された[12]。「スロウ・ダウン・シスター」はシングル「ラヴ・コンクァーズ・オール」のカップリング曲として発表された[13]。日本では、2008年発売の再発CD(BVCM-35350)で、「スロウ・ダウン・シスター」がボーナス・トラックとして追加収録された。 評価イギリスでは、再結成後に発表された前2作のスタジオ・アルバム『パーフェクト・ストレンジャーズ』(1984年)や『ハウス・オブ・ブルー・ライト』(1987年)ほどの成功は収められず、全英アルバムチャートのトップ10入りを逃し、チャート・インも2週だけで終わった[7]。アメリカではBillboard 200で87位に達したが、ディープ・パープルは本作を最後に、全米アルバム・チャートのトップ100から遠ざかっている[9]。 シングル「キング・オブ・ドリームス」は全英70位、「ラヴ・コンクァーズ・オール」は全英57位に達した[7]。また、アメリカ『ビルボード』誌のメインストリーム・ロック・チャートでは「キング・オブ・ドリームス」が6位、「ファイア・イン・ザ・ベースメント」が20位に達した[9]。 収録曲特記なき楽曲はメンバー5人の共作。
日本盤再発CDボーナス・トラック
参加ミュージシャン
その後第6期ディープ・パープルは本作発表に伴うツアーの終了後、結成25周年を記念する新作の製作に取り掛かった。しかしブラックモア以外のメンバーとターナーとの間で音楽性の違いや不仲が表面化。ターナーは制作終了を待たずに1992年脱退し、第6期は本作だけで終了した。 ターナーはグレン・ヒューズ[注釈 1]と結成したヒューズ/ターナーのライヴで、本作収録曲「キング・オブ・ドリームス」を披露した。2002年5月の東京公演での音源は、ライヴ・アルバム『ライヴ・イン・トーキョー』に収録された[14]。 脚注注釈
出典
|