ホルヘ・マスヴィダル
ホルヘ・マスヴィダル(Jorge Masvidal、1984年11月12日 - )は、アメリカ合衆国の男性総合格闘家、総合格闘技プロモーター。フロリダ州マイアミ出身。アメリカン・トップチーム所属。UFCにおける最短KO勝利記録(5秒)を保持している。ジョルジ・マスヴィダルとも表記される。 来歴キューバ人の父親とペルー人の母親との間にフロリダ州マイアミで生まれる。子供の頃から学校やストリートでよく喧嘩をしていた。高校からレスリングを始め、その後、空手と総合格闘技を始めた[1]。 2003年5月24日、18歳でプロ総合格闘技デビュー。 2005年4月21日、ハファエル・アスンソンと対戦し、0-3の判定負け。同年4月30日、Absolute Fighting Championships 12でジョー・ローゾンと対戦し、2RTKO勝ち。 2006年2月18日、Absolute Fighting Championships 15でデイビッド・ガードナーと対戦し、2RTKO勝ち。同年6月24日、Absolute Fighting Championships 17のAFCウェルター級王座決定戦でヌリ・シャクアーと対戦し、3-0の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。 2007年7月14日、BodogFight: Alvarez vs. Leeでイーブス・エドワーズと対戦し、左ハイキックで2RKO勝ち。 2007年9月29日、Strikeforce初出場となったStrikeforce: Playboy Mansionでマット・リーと対戦し、1RTKO勝ち。 戦極2008年6月8日、戦極初参戦となった戦極 〜第三陣〜でホドリゴ・ダムと対戦し、右ストレートで2RTKO負け。この試合での表記はジョルジ・マスヴィダルであった。 2008年9月28日、戦極 〜第五陣〜でライアン・シュルツと対戦し、パウンドで1RTKO勝ち。この試合より表記がホルヘ・マスヴィダルに変更された。同年11月1日、戦極 〜第六陣〜でハン・スーファンと対戦し、3-0の判定勝ち。 Bellator2009年4月3日、Bellator初出場となったBellator 1で行われたライト級トーナメント1回戦でニック・アガラーにTKO勝ちを収めた。5月1日の準決勝ではトビー・イマダと対戦、3Rにスタンディングでの三角絞めで絞め落とされ、決勝進出を逃した。 2009年11月7日、戦極 〜第十一陣〜で北岡悟と対戦し、パウンドで2RTKO勝ちを収めた。 2010年4月25日、吉田秀彦引退興行 〜ASTRA〜で小谷直之と対戦し、2-1の判定勝ちを収めた。同年9月11日、Shark Fightsでポール・デイリーとウェルター級契約で対戦し、0-3の判定負けを喫した[2]。 Strikeforce復帰2011年3月5日、3年ぶりのStrikeforce出場となったStrikeforce: Feijao vs. Hendersonでビリー・エヴァンゲリスタと対戦し、3-0の判定勝ちを収めた。同年6月18日、Strikeforce: Overeem vs. WerdumでKJ・ヌーンズと対戦し、3-0の判定勝ち。 2011年12月17日、Strikeforce: Melendez vs. MasvidalのStrikeforce世界ライト級タイトルマッチで王者ギルバート・メレンデスに挑戦し、0-3の5R判定負け。王座獲得に失敗した[3]。 UFC2013年4月20日、UFC初出場となったUFC on FOX 7でティム・ミーンズと対戦し、3-0の判定勝ち。 2013年7月27日、UFC on FOX 8でマイケル・キエーザと対戦。1Rにパンチでダウンを奪われたものの、徐々に巻き返して2Rにダースチョークで一本勝ち。 2013年11月6日、UFC: Fight for the Troops 3でルスタム・ハビロフと対戦し、0-3の判定負け。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2015年4月4日、UFC Fight Night: Mendes vs. Lamasでライト級ランキング15位のアル・アイアキンタと対戦し、1-2の判定負けを喫したが、海外のMMAメディアサイトの採点では14人中12人の記者がマスヴィダルの勝利を支持するなど物議を醸す判定となった[4]。 2015年7月12日、ウェルター級復帰戦となったThe Ultimate Fighter 21 Finaleでセザール・フェレイラと対戦し、クリンチ際の肘打ちでダウンを奪いパウンドで1RKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2015年11月28日、UFC Fight Night: Henderson vs. Masvidalで元UFC世界ライト級王者のベン・ヘンダーソンと対戦し、1-2の判定負け。当初、マスヴィダルは同大会でキム・ドンヒョンと対戦予定であったが、ヘンダーソンと対戦予定であったチアゴ・アウベスが欠場したため、マスヴィダルが代役でヘンダーソンと対戦した[5]。 2016年12月3日、The Ultimate Fighter 24 Finaleでウェルター級ランキング15位のジェイク・エレンバーガーと対戦し、パウンドで1RTKO勝ち。 2017年1月28日、UFC on FOX 23でウェルター級ランキング5位のドナルド・セラーニと対戦。1R終盤にパンチ連打でダウンを奪いパウンドでKO寸前まで追い込み、直後の2R早々には右フックでダウンを奪い、セラーニが立ち上がった所にスタンドパンチ連打で追撃してTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2017年5月13日、UFC 211でウェルター級ランキング3位のデミアン・マイアと対戦し、1-2の判定負け。 2017年11月4日、UFC 217でウェルター級ランキング2位のスティーブン・トンプソンと対戦し、0-3の判定負け。 2019年3月16日、約1年4か月ぶりの復帰戦となったUFC Fight Night: Till vs. Masvidalでウェルター級ランキング3位のダレン・ティルと対戦。1R序盤に左ストレートでダウンを奪われるも、直ぐに立ち直り2Rに左フックで失神KO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトとファイト・オブ・ザ・ナイトを同時受賞した。試合後、バックステージでレオン・エドワーズと揉め事を起こした際、パンチを数発エドワーズに浴びせ、乱闘寸前となった。 2019年7月6日、UFC 239でウェルター級ランキング5位でキャリア21戦無敗のベン・アスクレンと対戦し、試合開始5秒に、タックルに合わせたカウンターの飛び膝蹴りで失神KO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞し、UFC史上最短勝利記録を更新した。試合後、チームメイトのダスティン・ポイエーは「昨晩、夕食を共にした時に、マスヴィダルは試合開始早々に飛び膝蹴りをすると言っていたし、飛び膝蹴りを練習している動画も見せてもらったよ」と語り、コーチのマイク・ブラウンも、試合前にSNSでマスヴィダルが飛び膝蹴りを練習している動画を投稿していた[6][7]。なお、マスヴィダルはこの試合で、同年のUFCノックアウト・オブ・ザ・イヤーとUFCパフォーマンス・オブ・ザ・イヤーを同時受賞した。 2019年11月2日、マディソン・スクエア・ガーデンで開催されたUFC 244でウェルター級ランキング7位のネイト・ディアスと対戦。スタンドの攻防で終始圧倒し、3R終了時にドクターストップでTKO勝ち。マスヴィダルには、この試合のために制作された特別なベルトであるBMFベルト (Baddest Mother Fuckerの略。最高にイカしたやつの意)が贈られた。 2020年7月11日、UFC 251のUFC世界ウェルター級タイトルマッチで王者カマル・ウスマンに挑戦し、0-3の5R判定負け。王座獲得に失敗した。元々ウスマンに挑戦予定だったギルバート・バーンズが新型コロナウイルスに感染したことで、代役として大会6日前のオファーを受けての緊急参戦だった。6日間で約9.5kgの急激な減量やコーチのマイク・ブラウンが新型コロナウイルスに感染してセコンドにつけなくなるなどのトラブルもあったが[8]、興行的にはペイ・パー・ビューが130万件売れる大成功を収めた大会となった。 2021年4月24日、UFC 261のUFC世界ウェルター級タイトルマッチで王者カマル・ウスマンと再戦し、2Rに右ストレートでダウンを奪われパウンドでKO負け。約13年ぶりのKO負けとなり、王座獲得に失敗した。 2022年3月5日、UFC 272でウェルター級ランキング1位のコルビー・コヴィントンと対戦。4Rに右フックをヒットさせ膝をつかせるものの、グラウンドの攻防で終始劣勢に立たされて0-3の5R判定負け。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[9]。 2023年4月8日、UFC 287でウェルター級ランキング5位のギルバート・バーンズと対戦し、0-3の判定負け。試合後に引退を発表した[10]。 2024年7月6日、プロボクシング復帰戦となったカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターでネイト・ディアスと対戦し、10回0-2の判定負けを喫した。 ファイトスタイルスタンドでは主に近距離と中間距離での攻防に優れており、近距離では踏み込んでのリードフック、中間距離では堅実なボクシング技術と右ミドルキックを得意としている。また「Iron Chin(鉄の顎)」と形容される打たれ強さと、ストリートファイトで培った好戦的な性格から、パンチを貰っても笑顔で応え、打ち合いを要求するなどのアピールも見せる。さらに、グラップリングを得意としているマイケル・キエーザからダースチョークで一本勝ちを収めるなど、グラウンドでのスキルも高く、パウンドも主武器の一つである。 人物・エピソード
犯罪・トラブル2020年1月30日、マイアミで開催されたスーパーボウルのイベントにて、偶然そこに居合わせたUFC世界ウェルター級王者のカマル・ウスマンと舌戦を繰り広げ、一触即発の事態となった[23]。 2022年3月22日、マイアミのステーキハウスで食事を終え出てきたコルビー・コヴィントンに駆け寄って顔面を2発殴打し、コヴィントンの歯を一本折り手首に擦り傷を負わせ、コヴィントンが着用していたロレックスの腕時計に1万5000ドル相当の損害を加えたとして事件の翌日に逮捕され、加重暴行罪と器物損壊罪で起訴された。マスヴィダルはターナー・ギルフォード・ナイト矯正施設に拘留されたが、1万5000ドルを支払い条件付きで保釈された[24]。マスヴィダルは無罪を主張し、4月28日の罪状認否では、コヴィントンへの接近禁止命令が下された。2023年11月6日、検察との司法取引に応じて2件の重罪が取り下げられたことを受け、マスヴィダルは軽罪の暴行罪を認めることで懲役刑や罰金刑などの刑罰に問われることを回避した[25][26]。 戦績総合格闘技
プロボクシング
獲得タイトル表彰
ペイ・パー・ビュー販売件数
脚注
関連項目外部リンク
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