『女のみち』(おんなのみち)は、1972年5月10日に発売されたぴんからトリオのデビューシングル。作詞は宮史郎、作曲は並木ひろし。または、1972年12月25日に発売されたぴんからトリオの1枚目のLP。本項では、シングルとLPの両方について解説する。また本曲を題材とした映画についても解説する。
シングル
解説
1971年、ぴんからトリオの結成10周年記念(ぴんからトリオの前身の「スパローボーイズ」の結成から数えて)として彼らの自作曲であるこの曲を自主制作で300枚プレスし、有線放送で流したところ大きな反響があった。そして1972年、第一プロダクションの協力により日本コロムビアからレコード発売が決定すると爆発的なヒット曲となった。1973年の『第24回NHK紅白歌合戦』に「ぴんから兄弟」として出場。
ジャケットは営業先のクラブの店内で撮影された写真が使われており、赤いスーツの上下で揃えた3人が後列に立っているが(左から史郎、五郎、並木)、前列で椅子に座ってワイングラスを構えた2人は結成10年の記念に作った自主制作版の費用を出してくれたいとこ(左)と友人(右)で、同席した時の記念写真を使ったという。
1992年には「デビュー20周年記念曲」として、宮史郎が「女のみち」のアレンジ版である「女のみち!OLE!」を発表した。
1998年6月20日、宮史郎名義で8cmCDシングルとカセットテープで再発された(このときはぴんからトリオの3枚目のシングルである「女のゆめ」をカップリングに収録)。
TBSで放映されたバラエティ番組『8時だョ!全員集合』で、加藤茶の扮するお巡りさんのコントで、登場の際に本作を歌いながら出てくるのが通例だったため、(歌詞の内容とは無関係に)子どもたちにも覚えられ、国民的認知度が一層高まったと言われている。加藤が後日談として語ったところでは、ある時本職の警官に「ああいう警察官はいないから」と言われ、「それくらい知ってるよ」と思ったという[1]。
ウーマン・リブに逆らう時代錯誤な「弱々しい女」を描いた歌詞や「ド演歌」と表現されたメロディ・節回しは、その後の演歌のスタイルに莫大な影響を与えた[2]。
収録曲
1972年版
- 女のみち
- 沖縄のひと
女のみち!OLE!
- 女のみち!OLE!
- 女のみち!OLE!(カラオケ)
- 女の爪
- 女の爪(カラオケ)
1998年版
- 女のみち
- 女のみち(オリジナル・カラオケ)
- 女のゆめ
- 女のゆめ(オリジナル・カラオケ)
売り上げ
その他(累計売上など)
- 日本コロムビア公称シングル売上400万枚[5]。累計売上340万枚[6]、380万枚[7]とも。
- 同名のLP、カセットテープを含めると公称500万枚。
- 1972年の日本コロムビアのシングル売上1位[5]。
- また、岸部清が記録したところによると、累計売上は326万2339枚[8]。
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年の表示は年度の意。2005年までは前年の12月第1週から11月最終週、現在は前年の12月第4週から12月第3週までの集計。 |
オリコン週間シングルチャート第1位(1972年10月30日 - 1973年2月12日付) |
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- 6日・13日・20日・27日 女のみち(宮史郎とぴんからトリオ)
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- 4日・11日・18日・25日 女のみち(宮史郎とぴんからトリオ)
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- 5日・12日・19日・26日 神田川(南こうせつとかぐや姫)
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LP
1972年12月25日、ぴんからトリオのファーストLP『女のみち』が発売された。
売り上げ
- 1973年年間LP売上1位(27.0万枚)
- LPチャート1位(1973年1月15日付)
- LPチャートTOP100滞在 49週
この曲を題材とした作品
夜の歌謡シリーズ
スタッフ
- 企画 - 安斉昭夫
- 脚本 - 成沢昌茂
- 監督 - 山口和彦
- 撮影 - 清水政郎
- 音楽 - 津島利章
- 美術 - 中村修一郎
- 録音 - 井上賢三
- 照明 - 川崎保之丞
- スチル - 加藤光男
- 編集 - 田中修
- 助監督 - 馬場昭格
出演者
- 的場健 - 梅宮辰夫
- 北山洋子 - 中島ゆたか
- 下田明代 - 賀川雪絵
- 有田美奈子 - 渡辺やよい
- ぴんからトリオ - ぴんからトリオ
- 関茂夫 - 荒木一郎
- 河本健一 - 須賀不二男
- 的場せの - 角梨絵子
- 酒井鳳山 - 殿山泰司
- 園江 - 葵三津子
- 小春 - 水上千湧子
- 麗花 - 王祥齢
- 清美 - 城恵美
- 真弓 - 章文英
- おかみさん - 竹村清女
- 中年男 - 山田甲一
- 老婆 - 小甲登技恵
- 学生 - 青木卓司
- 運転手 - 小林稔侍
- 若い娘 - 亀井和子
- ボーイ - 木村修
製作
中島ゆたかのヒロイン抜擢は、カネボウのCMに出ていた中島を見染めたぴんからトリオからの強い推薦[9]。中島はぴんから三人共有の恋人だけに、中島と梅宮辰夫のラブシーンに「あんまりひっついたらあかんでェ」「変なことされたら殴るで」などと脅し梅宮を困惑させた[9]。
同時上映
オムニバス映画
脚注
- ^ 朝日新聞夕刊『人生の贈りもの』内にて
- ^ 「芸能雑誌『週刊平凡』にみる「演歌像」の変遷史」黄逸雋
- ^ 『オリコンウィークリー』・「データ私書箱」
- ^ SMAP「世界に一つだけの花」300万枚突破 ファンの「購買運動」目標達成、ORICON STYLE、2016年12月9日 18:27。
- ^ a b 大下英治「第一章 メガヒット紆余曲折 「へーンシン!」で人気に火が点く」『日本ジャパニーズヒーローは世界を制す』角川書店、1995年11月24日、ISBN 4-04-883416-9、25頁。
- ^ 長田暁二『歌謡曲おもしろこぼれ話』社会思想社、2002年、227頁。ISBN 4390116495
- ^ 宮史郎、合田道人ウェブサイトより。
- ^ 『産経新聞』1998年10月31日付東京夕刊
- ^ a b c 「ラブシーンに水をさす、ぴんからトリオ」『週刊平凡』1973年4月5日号、平凡出版、164頁。
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1970年-1979年はLP、1980年-1985年はLP・CT合算、1986,1987年はLP・CT・CD合算 |
オリコン週間LPチャート第1位(1973年1月1日 - 1月15日付) |
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