小山駅
小山駅(おやまえき)は、栃木県小山市城山町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。事務管理コードは▲411018[3]を使用している。 乗り入れ路線東北新幹線と、在来線の東北本線・水戸線・両毛線が乗り入れ、東西南北に伸びる路線が集まるターミナル駅[4]となっている。このうち、在来線における当駅の所属線は東北本線であり[2]、水戸線と両毛線は双方とも当駅が起点となっている(ただし、両毛線については当駅に向かう列車が下りとして扱われる)。また東北本線は旅客案内上の愛称「宇都宮線」の設定区間に含まれており、同線の列車は上野駅発着系統と、新宿駅経由で横須賀線に直通する湘南新宿ライン、上野駅・東京駅経由で東海道線に直通する上野東京ラインが停車する。なお、貨物列車を運行するJR貨物は上記路線のうち、東北本線と水戸線にのみ第二種鉄道事業者として事業免許を有している。 小山営業統括センター所在駅で、同センター管区内(土呂駅~雀宮駅)間にある地区管理駅[注 1]の統括管理を行う。また、当駅も地区管理駅として野木駅・間々田駅を管理する。 歴史1900年(明治33年)に作詞された『鉄道唱歌 第三集奥州磐城篇』(大和田建樹作)では、小山駅を以下のように歌った。 年表
駅構造新幹線高架上にある単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を使用する。ホームは副本線にあり、中央の2線(2・3番線)は通過線となっている。これは、東北新幹線の小山実験線の一部として早期に建設されたものである。上り列車は原則4番線を使用しており、5番線は小山新幹線車両センターへ出入りする回送列車の発着に使われている。ホーム上に待合室はない。待合室はコンコース、下り線の階段脇にある。 実験線基地の名残として当駅北方に小山新幹線車両センターがある。基地から出る運用として、朝6時台に当駅始発の東京行き「なすの」が1本設定されている。一方、当駅止まりの列車は設定されていないが、運行トラブルなどが発生した場合は臨時で当駅止まりの列車が設定されることもある。 定期列車は「なすの」全列車と一部の「やまびこ」(ほとんどが仙台発着で各駅停車または白石蔵王のみ通過するタイプ)が停車する。また、盛岡始発の上り2本、盛岡行きの下り1本も停車する。「はやぶさ」「つばさ」「こまち」は全列車が通過する。当駅での待機は少ないが、朝夕の一部の「なすの」「やまびこ」が後続の「はやぶさ」「こまち」の通過待ちを行うほか、下りの「なすの」1本のみ当駅で「やまびこ」「つばさ」の通過待ちを行う。 在来線地上にある4面8線のホームを使用する。両毛線の6・8番線は頭端式ホームになっており、他の在来線ホームからやや離れている。7番線は6・8番線の先にある切り欠き式のホームであるが、線路は撤去され案内表記もなくなっており、事実上の欠番となっている。この7番線は過去には郵便荷物列車などが発着していた。9番線は宇都宮方で両毛線8番線にもつながっている。2019年(平成31年)のダイヤ改正までは、両毛線から宇都宮方面に直通する列車が、このホームから発着していた。また、11・14番線は貨物列車などの待避線となっている。宇都宮線ホームには各ホーム1台ずつ計2台のSuica専用グリーン券自動券売機が設置されている。 駅を中心とした東西南北方向にそれぞれ多数の留置線を持つが、駅の北側にある北部電留線は両毛線の入れ替え車両が定期的に出入りし、東側にある東1 - 5番線も臨時列車や回送列車、貨物列車の待避等に利用されている一方、6番線の西側にある中部電留線は使用停止となっており、架線が外され分岐器も固定されている。また、南側にある南部材料線と水戸材料線はモーターカーなどの保守用車の基地線となっており、旅客用車両は使用しない。 ホーム上では1950年代前半から小山市内の企業がそば店の「きそば」を開業していた(その後は近隣の駅にも展開)[新聞 7]。1991年(平成3年)には委託運営会社となった中沢製麺が営業を引き継ぎ立食いそば店『きそば』となった[4][新聞 7][新聞 8]。かつては8・12・15番線ホームの3店舗が存在したが、8・15番線ホームの店舗は2015年(平成27年)3月14日をもって閉店。12番線ホームの店舗もJR東日本のグループ会社再編に伴う委託契約終了により2022年(令和4年)1月14日で閉店した[新聞 8]。なお、小山駅構内の「きそば」の閉店後、中沢製麺から公認を受けたいくつかの店舗が栃木県内で開業している[注 2][新聞 10]。 のりば
駅舎・改札口改札口は東西自由通路に面した中央改札口1か所のみである。新幹線独自の改札口はなく、新幹線のコンコースに入るには、一度在来線コンコースを経由して乗換改札(事実上の中間改札)を通る必要がある。 NewDaysは、中央コンコース内にDila小山店が設置されている。中央自由通路「さくら道」にも「VAL小山店」が設置されていたが、2019年(平成31年)に閉店した。また、小山駅構内の工事のために閉鎖していたベックスコーヒーショップが2013年(平成25年)に再開した。西口コンコース時代には、NewDaysはもう1店新幹線改札口付近に設置されていた。また、旧南口改札外にもNewDays(小山南店)が1店設置されていた。 全ての自動改札機でSuicaが利用可能であり、Suicaオートチャージにも対応している。 2005年(平成17年)10月16日に、ATOS(東京圏輸送管理システム)の路線ホストの稼動が古河駅以北で開始され、同月18日より発車標のATOS対応がなされた。 新しい市の玄関口として東口の整備が進められている。整備中であった旧東口エスカレーターは、2004年(平成16年)に供用が開始された。また、2006年度(平成18年度)に自動体外式除細動器 (AED) が設置された。 南口改札口は2012年(平成24年)9月に閉鎖された。閉鎖後も改札外の通路は南自由通路として使用されており、南口から旧東口への通り抜けや駅ビルVAL小山への出入りが可能である。改札内であった通路も宇都宮線ホーム - 水戸線ホームの乗換通路として使用されている[12]。
中央自由通路2005年(平成17年)秋に発表された小山市の総合計画で、駅中央部に新東西自由通路を駅ビル内を貫通する形で新設し、中央改札口を設置する方針が示された。なお、現東西自由通路については自由通路としての設備のみ維持する方針が示されている(南口改札口は廃止)。新聞報道によると新東西自由通路は市とJRの間での工費負担割合についての協議が難航しており、当初予定されていた2008年度(平成20年度)の供用開始がずれ込む見通しとなった[新聞 11]。 その後、小山市は2008年度(平成20年度)- 2011年度(平成23年度)を事業予定期間とし中央自由通路の建設に向けJR側と調整を進めていたが、2010年(平成22年)7月にJR東日本上信越工事事務所と施工協定を締結し、同年10月12日に着工した。その後工事は順調に進み、2012年(平成24年)6月に自由通路が開通した。なお、本通路の愛称は公募により「さくら道」と命名されている[報道 6]。通路部分は小山市道であり、エレベーターを使用して自転車での通行も可となっている。 中央自由通路は、中央コンコース南側に駅舎を貫く幅10メートル、延長約90メートルの通路とし、西口と新東口の駅前広場を結ぶ。南口改札は廃止し、西口改札を移転した中央改札口に統合。東口、西口双方にエレベーターとエスカレーターを整備し、バリアフリー化を進める[新聞 12]。
貨物取扱・専用線JR貨物の駅は、臨時車扱貨物の取扱駅となっている。 駅北東部に東光高岳(旧:高岳製作所)小山地区があり、当駅から全長4.8キロメートルの専用線が続いている。発送されるのは大型変圧器で、大物車に積載され輸送される。運行頻度は毎年1 - 2か月に1回程度である[13]。近年、その区間に路面電車を導入する計画が市から提案されている。 かつて、当駅でもコンテナ貨物の取扱があった。1996年(平成8年)3月16日にコンテナ輸送貨物列車は廃止され、トラック便が設定される自動車代行駅となった[2]。しかし、利用の減少は続き、1999年(平成11年)4月にはトラック便も廃止され、現在は宇都宮貨物ターミナル駅で直接集配するようになっている。跡地はカワチ薬品小山駅東通り店になっている。 1950年(昭和25年)に東北本線の間々田駅方面から水戸線に直通可能な短絡線(小山駅構内扱い)が新設され、上野方面から小山駅でスイッチバックせずに水戸線に入れるようになっていたが、1986年(昭和61年)以降は使用されなくなり、2006年(平成18年)には短絡線の撤去工事が行われた(水戸線#歴史も参照)。
利用状況JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は20,492人である[利用客数 1]。また、同年度の新幹線の1日平均乗車人員は4,023人である[新幹線 1]。 2000年度(平成12年度)以降の推移は以下のとおりである。
駅周辺西口当駅の古くからの表口である。1969年(昭和44年)に駅東臨時改札口が設置されるまでは、改札は西口のみであった。 西口改札を出ると新幹線の高架下を利用した3階建ての駅ビルVAL小山がある。2003年(平成15年)に「ロブレ」との連絡通路も完成し、駅西口周辺の周遊性が高まった。 また、駅前の駅西地区では、再開発事業によって建設された地下1階・地上7階建てのビル「ロブレ」が大型スーパーのイズミヤを核店舗として1994年(平成6年)6月に開業したが[新聞 13]、駅東口に出店したイトーヨーカドー小山店などとの競合により売上が減少したことから、2015年(平成27年)8月末で核店舗のイズミヤが撤退することが発表された[新聞 14]。その後はドン・キホーテが出店した[14]。西口広場に面する地区で東京建物を協力企業として再開発が進められている[新聞 15]。 西口周辺は元々が日光街道の宿場町(小山宿)であり、日光街道や駅前通り沿いなどに神社、寺、城山公園などの史跡のほか、公共施設も多く立地する。 東口1969年(昭和44年)に小山駅東側の区画整理事業の進行および都市化の進行により、臨時改札口として開設された。 東口周辺にはオフィスビルや歓楽街が形成されている。少し駅から離れると閑静な住宅街が広がり、その先は山林原野や田園地帯となる。 以前は森永製菓小山工場(現在は郊外移転)や日本製粉小山工場(1917年〈大正6年〉に東洋製粉として操業開始し、2000年(平成12年)9月末日に閉鎖[新聞 16])が東口駅前に立地していた。工場跡地には、2004年(平成16年)に白鷗大学東キャンパス(法科大学院・法学部)とヤマダ電機が出店したほか、駅隣接部分は2008年(平成20年)2月に駅東口新駅前広場として一部供用が開始され、バスプールが白鷗大学裏手に移設された。 前述のイトーヨーカドーがかつて東口に存在したが、こちらも売上が減少したため、2021年(令和3年)2月23日に閉店した。イトーヨーカドーの建物はその後、のちにジョイフル本田の新業態店「ジョイホン小山駅前店」として2022年(令和4年)4月20日に開業した[新聞 17]。 バス路線東口から関東自動車(小山営業所)の路線バスが、東口・西口の両方から小山市のコミュニティバス「おーバス」の路線が発着している。 舞台となった作品
その他
隣の駅脚注記事本文注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
新幹線
参考文献
関連項目外部リンク
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