恐怖王『恐怖王』(きょうふおう)は、江戸川乱歩の著した中編探偵小説である。 1931年(昭和6年)6月から1932年(昭和7年)5月まで、『講談倶楽部』に掲載された(第一回が『魔術師』の最終回と同時掲載)。挿絵は第二回まで林唯一、第三回以降は嶺田弘。なお連載中、8月、11月、12月と合計3回、休載している。そのため、長編とは呼び難い分量(文庫で120~150頁)に終わった。 賑やかな内容であるが、中盤から荒唐無稽な展開が多くなり、多くの謎は最後まで明らかにされることなく、唐突に結末がつけられている。乱歩は、この作品を失敗作だと見なしていた。 初刊は1932年5月に出版された平凡社版『江戸川乱歩全集」の第13巻。 なお、少年探偵団シリーズ『仮面の恐怖王』は本作とは無関係な別作品である。 主要登場人物
あらすじ恐怖王と呼ばれる怪人が、日本を震撼させていた。恐怖王は、盗んだ照子の死体とゴリラ男との結婚写真を庄兵衛に送りつけたり、腕に恐怖王の刺青をしたり、米粒に「恐怖王恐怖王恐怖王………」と細かい文字を刻んだり、飛行機雲でKyofuoとの文字を空中に描いたり、とありとあらゆる手段で自己顕示欲を満たすかのように振る舞っていた。探偵小説家・大江蘭堂はひょんなことから、その恐怖王に狙われるのだった。恐怖王とは何者なのだろうか。 出版
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