中国女 (映画)
『中国女』(ちゅうごくおんな、原題:La Chinoise、「中国女性」の意)は、1967年(昭和42年)製作・公開のジャン=リュック・ゴダール監督によるフランスの長篇劇映画である。 概要中華人民共和国が文化大革命のさなか[1]で、その運動が世界の青年層に影響を与えていた1967年初夏のパリを描いた映画である[2]。ロケーション撮影は、パリとパリ郊外オー=ド=セーヌ県ナンテールで行われた。 女子大生ヴェロニク役で主演しているアンヌ・ヴィアゼムスキーは、同年7月21日、ゴダールと結婚している。ゴダールの長篇での前作『彼女について私が知っている二、三の事柄』に引き続きジュリエット・ベルトが出演し、元売春婦イヴォンヌを演じている。さらに前作の『メイド・イン・USA』に出演しているジャン=ピエール・レオが、俳優ギョーム役を演じている。「ジャンソン機関」設立者のパリ大学(ソルボンヌ)哲学科教授、フランシス・ジャンソンが本人として出演している[2]。アンリを演じたミシェル・セメニアコは、のちに写真家となった。 作中に登場する北京放送(現在の中国国際放送)は、当時文化大革命一色の内容をフランス語でも放送していた。『毛沢東語録』がアンディ・ウォーホルのキャンベル缶のように大量に登場するが、フランス語では同書は『プティ・リーヴル・ルージュ』(Petit Livre rouge、「小さな赤い本」の意)と呼ばれている。 挿入歌『マオ・マオ』は、ジャーナリストのジェラール・ゲガンが作詞したもので、クロード・シャンヌが作曲して歌っている[3]。ゲガンの回想によれば、当時本物のマオイストはオマール・ディオプのみであった[3]。 1967年、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞にノミネートされてコンペティション上映され、審査員特別賞を受賞した[2]。 ストーリー1967年夏、パリ。ソルボンヌ大学の哲学科の女子大生ヴェロニク(アンヌ・ヴィアゼムスキー)、俳優のギョーム(ジャン=ピエール・レオ)、経済研究所の研究員アンリ(ミシェル・セメニアコ)、画家のキリロフ(レックス・ド・ブリュイン)、農村出身で元売春婦イヴォンヌ(ジュリエット・ベルト)の5人が、合宿を開始した。連日のティーチ・イン、マルクス・レーニン主義の学習をつづけ、北京放送を聴くに従い、メンバーは毛沢東主義者となる。 合宿所での報告会で、ヴェロニクはある文化人の暗殺を提案した。暗殺に反対したアンリは「修正主義者」と批判され、除名された。実行者として自ら立ったキリロフは、神とマルクス主義の間でさいなまれ、自殺した。ヴェロニク、ギョーム、イヴォンヌの3人になっていた。 ヴェロニクは、郊外電車で偶然に出逢った、ソルボンヌ大学の哲学科のフランシス・ジャンソン(本人)と議論を戦わせる。暗殺は実行され、夏のヴァカンスは終わり、集団は解散した。 スタッフ
キャスト
評価レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは20件のレビューで支持率は95%、平均点は7.90/10となった[4]。 註関連事項
関連書籍
外部リンク
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