奥村組
株式会社奥村組(おくむらぐみ、英: OKUMURA CORPORATION)は、本店を大阪市阿倍野区に、本社を大阪市阿倍野区と東京都港区に置く総合建設会社(ゼネコン)。企業メッセージは「建設が、好きだ。」。 概要同じ大阪に本社を置く竹中工務店・錢高組・鴻池組・淺沼組と並ぶ在阪ゼネコンの一つで、大輪会の会員企業である[3]。ドラマ『BRIDGE』のモデルとなったことでも知られる[4]。 建築技術では免震技術に強みを持ち、1986年には日本初の実用免震ビルとなる技術研究所管理棟を完成させた[5]。また、奥村組の免震技術は建造物だけではなく、奈良国立博物館をはじめとした博物館や美術館の展示ケースや、チキウ岬灯台などの灯台レンズの保護の為にも用いられている[6]。 土木技術ではシールド工法に強みを持ち、1965年に日本初の泥水式シールド工法である「OCMS工法」を開発して以来、国内外で施工実績を積み重ね、シールド工事の施工延長は、国内トップレベルの実績を誇っている[7]。また、シールドマシン等を製作する奥村機械製作株式会社をグループ会社に持つ。 他のゼネコンに先駆けて2018年から「攻めの広報」を掲げ、1億円前後で推移していた広告宣伝費を6億円超に引き上げた。大阪国際女子マラソンの1社協賛を引き受けたほか[8]、同マラソン向けに森川葵演じる「奥村くみ」を登場させたテレビCMの放映を始めた。大阪国際女子マラソン以外にもギターイベント[9]や歌舞伎公演[10]での協賛を手がけ、広告宣伝費は2023年3月期も9億円近い数字を見込んでいる[11]。 近年は不動産事業の強化と共に、新規事業の拡大に力を入れており、バイオマス発電事業[12][13]や夏秋いちごの栽培・出荷事業[14]、水質浄化技術を活用したトラフグやバナメイエビの陸上養殖事業に取り組んでいる[15][16]。バイオマス発電事業では、北海道石狩市の発電所が2023年3月に[17]、福島県平田村の発電所の1号機が2022年5月に[18]、2号機が2023年4月に[19]それぞれ営業運転を開始している。トラフグの陸上養殖事業では、2023年3月に「太平のさかな」のブランド名で試験販売を開始した[20][21]。 新規事業の拡大を進めるため、2023年9月に「MINATO Accelerator」に事業会社パートナーとして参画した[22]。また、翌月の10月には産官学民の技術者等との分野を超えた交流・連携の拠点として、JPタワー(東京都千代田区)22階に新オフィス「クロスイノベーションセンター」を開設した[23][24]。 2024年から奥村組・戸田建設・西松建設の3社で土木工事におけるシステム連携・共同利用、データ連携・活用を共に行う共同研究開発に関する契約を締結し、「土木工事プラットフォーム」の構築を開始した[25]。 沿革
経営理念「堅実経営」と「誠実施工」を信条に、社会から必要とされ続ける企業として、社業の発展を通じ広く社会に貢献する。 「堅実経営」と「誠実施工」は、創業者である奥村太平の「お客さまに安心してお使いいただけるモノを納め、長きにわたってお守りする」という信念が元になっている。 主な施工実績
「プロジェクトX」奥村組は幾度かNHKのドキュメンタリー番組「プロジェクトX」にも取り上げられた。 下記は同番組の第72回「通天閣 熱き7人」の放送内容の概要。 大阪のシンボル通天閣は火災をきっかけに戦時中の金属献納運動のため、1943年2月25日に解体された(鉄材約300トン)。終戦後10年を経て、地元新世界の人々は「自分達の手で通天閣を再建しよう」と資金を出し合い、通天閣観光株式会社を設立。大阪市の協力を得、早稲田大学教授・内藤多仲工学博士に設計を依頼、図面完成と同時に奥村組に施工の申し越しがあった。当時の企業規模からすると大きなリスクを伴う物件であったが「地元のことでもあり、また成功すれば会社にとっての財産になる」と奥村太平(当時社長)は受注することを決し、着工に至った。地元住民の注目を集めるなか、1956年10月、高さ103メートルの通天閣が完成した。 また、下記は第161回「鉄道分断 突貫作戦 奇跡の74日間」(阪神・淡路大震災10年追悼特集 JR神戸線六甲道駅復旧・奥村組 1月11日)の放送内容の概要。 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災でJR神戸線六甲道駅一帯が崩落し、復旧までには最低でも2年はかかるといわれていた。ところが奥村組は被害の少なかった高架橋をジャッキで持ち上げ、柱などを作り直し、高架橋もそのまま再利用するジャッキアップ工法によってわずか74日で復旧させ元の姿に戻した。インフラの復旧は、被災者・被災地にとって最も重要なもののひとつで、不眠不休での復旧作業は地元住民から高い評価を受けた。また、当該復旧工事はドラマ『BRIDGE はじまりは1995.1.17神戸』の元となった[4]。 テレビCM知名度やブランドイメージの向上の為の広報活動を検討していた段階で、電通関西支社から「大阪国際女子マラソン」への協賛を提案された。そこで、大阪に本社を置き、社長が大阪建設業協会の会長を務め、女性の活躍推進も掲げる同社は、提案を対外的なPRのほかにもインナー向けの施策や社会貢献としても協賛する意味があると判断し、実施に踏み切った。協賛には社名の掲示だけではなく、マラソン中継番組内に600秒のCM放映枠(30秒CMが20本)の提供があったため、CMを作ることとなった[32][33]。 CMには、女優の森川葵を起用。女性キャラクターをメインにしたのは、「男女問わず活躍できる建設業界をアピールしたい」「建設業界の既存のイメージを払拭したい」という思いからである[33]。2024年には野球ファンが多いビジネスパーソンへのアプローチを狙い[34]、MLBボストン・レッドソックス所属の吉田正尚を起用した新CMを発表した[35]。 「建設LOVE 奥村くみ」シリーズ(2018年1月- 現在)[36]
テレビCMには、上記の人物が登場しないイメージCMを含めて、竹原ピストルの書き下ろし曲「いくぜ! いくか! いこうよ!」が流れている。 歴代社長関連会社
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脚注
関連項目外部リンクInformation related to 奥村組 |