早稲田大学本庄高等学院
早稲田大学本庄高等学院(わせだだいがくほんじょうこうとうがくいん)[1]は、埼玉県本庄市にある共学の私立高等学校。 概要早稲田大学の前身東京専門学校の創立100周年を記念して1982年、埼玉県本庄市に開校。都心から離れて立地しており、自宅からの通学が困難な生徒のために、JR本庄駅付近男子寮「早苗寮」(さなえりょう、2012年竣工)、JR本庄早稲田駅付近に女子寮「梓寮」(あずさりょう、2018年竣工)が設置されている。男子校時代は「委託ホーム」と呼ばれる寄宿制度があった。 同じ学校法人早稲田大学直属の附属校として、東京専門学校予科以来の流れを汲む早稲田大学高等学院(男子校)があるが、本校は2007年に共学化している。また、早稲田大学の系属校[2]を含めて、中学校を併設していないのは本校と早稲田渋谷シンガポール校のみである。 浅見山丘陵を含む約86万m2の早稲田大学本庄キャンパスの美しい自然に抱かれるように校舎が立地する。本庄キャンパス内には、本庄高等学院の他、環境・エネルギー研究科(大学院)、リサーチパーク、本庄保存書庫(図書館)がある。上越新幹線本庄早稲田駅はキャンパス北部に位置し、校舎(95号館)・図書館・野球場、ラグビー場、陸上競技場は南部に配される。旧校舎は当時早稲田大学理工学部建築学科教授であった穂積信夫と同研究室が設計した(1986年に第27回BCS賞を受賞)。 国際交流も重視している。開校以来北京大学附属中学とは交流があり、その他世界各国・各地域の学校との国際交流プログラムを実施している。 組織学校法人早稲田大学直属の附属校であり、早稲田大学の一組織(学部・大学院と同等の位置付け)である。卒業後は原則として全員が早稲田大学の各学部に進学できる高大一貫校である。 専任教諭は、早稲田大学の一員として教育研究活動に従事できることが特徴である。他大学の客員教員や非常勤・兼任講師、研究員、早稲田大学の研究所員を兼務している教員も在籍している。教諭の研究活動は最大限に尊重されており、教育の質は教員のこうした研究活動と教育実践の両面に支えられている。 学院生は学部学生と同様に、早稲田大学図書館等の各種施設の利用ができる。また、一部の学部講義科目の先取り履修が可能である。校舎は大学のキャンパスの一部という位置付けから、大学キャンパスの校舎号館(90番台)が付番されている(当学院旧校舎は92号館A~J棟、新校舎は95号館となっている)。これらは早稲田大学高等学院と同様である。 校風校則とは呼ばず、大学のように、学則という。制服や指定された髪型などはない。 教育理念早稲田大学の一員として、早稲田大学建学の精神(教旨)に基く。
通学・寮上越新幹線本庄早稲田駅が2004年に開業し、これにより都心などから通学しやすくなった。2012年、JR本庄駅前に「早苗寮」が、2018年にはJR本庄早稲田駅付近に女子寮「梓寮」が完成し、自宅が離れて通えない者や帰国生を多く受け入れている。早苗寮が完成するまでは早稲田大学が地元の住民に委託した独自の寄宿施設(委託ホーム)を設けており、かつては全生徒の半数以上が入居していたが、バブル経済の崩壊や本庄早稲田駅の開業により入居者が減少していた。 教育教養教育、研究活動を重視しており、人文科学、社会科学、自然科学に亘る多くの教科目が全生徒必修となっている。スーパーサイエンスハイスクール (SSH) に制度導入時から指定されており、スーパーグローバルハイスクール (SGH) と双方に指定されている高校としては県内唯一である。第2学年への進級時には高度な理系教科目を履修する SSHクラスへの移動ができる。ただし、SSHクラスは2クラスしかないため、有志を募った上で選抜する。 3学年次には約1年間を掛けての20,000字以上の卒業論文作成が課せられるという特色を持つ。論題はどのような内容でも構わず、指導教員の下で研究・執筆に取り組む。その成績は学部進学に反映される。 進級・進学厳格に留年基準を定めているため、一定の成績を満たさなかった者や欠席日数が10日を超える者は進級することができない可能性が高まる。そのため、留年率は高い傾向にある。 早稲田大学推薦入学にあたっての学部選択は、3年間の成績と卒業論文の評価、本人の志望により決定される。直系の附属校として、系属校[2]よりも余裕を持った進学定員数が付与されており、概ね7割強~8割の学生が第1志望の学部(学科・専攻・専修)へ進学している[3][4][5]。 日本医科大学と「高大接続連携に関する協定」を締結し2022年より2名の医学部推薦が可能となった。 国際交流北京大学附属中学、Singapore National Junior College、安養外国語高等学校とは姉妹校となっている。北京大学附属中学とは当学院開校以来、北京市への修学旅行に際して訪問するなど、各種の交流が行われてきた。また、華東師範大学第二附属中学(上海市)との国際交流締結の調印や国立台中第一高級中学(台中市)の来訪が行われるなど、世界各地の学校と交流がある。また、各種の国際交流プログラムが用意されている。 部活動正式には「公認団体」と呼ぶ。大学と同様に部活動も盛んである。運動部では、インターハイや国体などでも活躍するレスリング部(廃部)、スキー部、陸上競技部、硬式テニス部などがある。文化部においては、書道部が2014年書道パフォーマンス甲子園に出場、将棋部が2017年全国高等学校将棋選手権大会で全国制覇をしている。また、部活動には所属せず、個人あるいは有志で各種競技会に参加している者もいる。EMANON(No Nameを逆に綴った)部など他の高校に設置されていない部活動もある。 行事文化祭である稲稜祭(とうりょうさい)が毎年10月末に開催されている。県外からも一般参加者が来る。クライマックスの後夜祭は在校生のみの参加となっている。 体育祭は6月初めに開催される。例年派手な仮装による参加が恒例となっている。その他にも芸術鑑賞会、サマーセミナー・ウィンターセミナー、球技大会、遠足、修学旅行などがある。かつては、ホーム生によるスポーツ・バーベキュー大会などがあった。なお、入試期間に入ると「温習日」という、約1週間の休校日がある。 入試卒業生全員が早稲田大学の各学部へ進学可能であり、さらに生徒寮の設置や本庄早稲田駅の開設により例年国内外から多くの志願者を集めている(一般入試試験は、早稲田大学早稲田キャンパスにて行われる)[6]。また、帰国生入試やα選抜、指定校推薦など多様な方法により入学者の選抜を行っている。共学化以降女子を定員より多く入学させる年が続いている。 象徴
開校当初は制服が定められ、黒詰襟(冬服)とされていたが、その後、当学院「生徒心得(いわゆる校則に当たるようなもの)」の改正に伴って服装は自由化された。
スクールカラーである海老茶色(えんじ色)で縁取られたアルファベット「W」をモチーフとし、白地に旧字体で「学院」の黒文字が入るものが制定。黒詰襟の左襟に着用されていた。右襟に着用する徽章についての規定はなく、各部が独自に制定した襟章のほか、生徒が大学等で各自買い求めたものを自由に着用していた。大学各学部・大学院の襟章も同じくアルファベット「W」をモチーフとしたデザインになっている。なお、早大学院ではふち取りが緑色である。
当初は制帽も定められていたが、基本的に着用は自由であった。その後、上記の服装自由化により、制帽は事実上廃れた。早稲田大学の角帽と違い、丸帽だが顎紐が無いことが特徴。旧制学院生が学徒動員で出征した際に軍帽として利用されたことへの反省から顎紐が外された。
早稲田大学は創立125周年を迎えた2007年を期して、学内外において次代の早稲田アイデンティティーを確立するために、UI (University Identity) システムを導入した。その中心となるロゴマーク「早稲田スクェア」は、大学の角帽をモチーフとした菱形2つを並列する。左側のひし形は早稲田カラーの海老茶色(えんじ色)をベースに大学の校章を白抜きで配した共通デザインとし、右側のひし形に施す文字、図柄、色により各学部・大学院・附属校などを区別する[1]。
本庄高等学院は学校法人早稲田大学を構成する一組織であるため、校歌も大学と同様に「都の西北」である。 交通アクセスまた、以下の駅から本校までスクールバスが出ている。 その他
沿革
歴代学院長第8代までは早稲田大学の学術院(学部)所属の教授(学部長級)が就任していた。
著名な卒業生
ギャラリー
脚注
関連項目外部リンク |