アレクサンダー・ヴォルカノフスキー
アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(Alexander Volkanovski、1988年9月29日 - )は、オーストラリアの男性総合格闘家。ニューサウスウェールズ州ウロンゴン出身。シティ・キックボクシング/タイガームエタイ/フリースタイル・ファイティングジム所属。元UFC世界フェザー級王者。UFC世界フェザー級ランキング1位。UFCパウンド・フォー・パウンド・ランキング11位。アレックス・ボルカノフスキーとも表記される。 来歴マケドニア人の父とギリシャ人の母の間に生まれた。幼少期からグレコローマンレスリングを始め、12歳でオーストラリア王者に輝いたが、14歳からはラグビーへ転向し、グループ7ラグビーリーグで2010年にリーグ最優秀選手に選ばれるなど、所属するワリラレイク・サウス・ゴリラズのフロントローとして活躍した[1]。 総合格闘技少年時代からペイ・パー・ビューを購入したり、VHSをレンタルしてUFC観戦をしており、2011年からコンディション管理のために総合格闘技を始めたことがきっかけで、ラグビーを辞めて総合格闘家に転向することを決意し、2012年にプロ総合格闘技デビューした[2]。 2015年6月14日、AFC 13のAFCフェザー級タイトルマッチで王者ジェイムズ・ビショップに挑戦し、パウンドで1RTKO勝ち。王座獲得に成功した[3]。 2015年12月4日、PXC 50のPXCフェザー級タイトルマッチで王者矢地祐介に挑戦し、三角絞めで4R一本勝ち[4]。王座獲得に成功した。 2016年5月19日、AFC 15のAFCフェザー級タイトルマッチで挑戦者ジェイミー・ムラーキーと対戦し、右フックで1RKO勝ち。王座の初防衛に成功した[5]。 UFC2016年11月26日、UFC初出場となったUFC Fight Night: Whittaker vs. Brunsonで粕谷優介と対戦し、2RにパウンドでTKO勝ち[6]。 2017年6月11日、UFC Fight Night: Lewis vs. Huntで廣田瑞人と対戦し、1Rに右フックでダウンを奪い、3-0の判定勝ち[7]。 2018年7月14日、UFC Fight Night: dos Santos vs. Ivanovでフェザー級ランキング10位のダレン・エルキンスと対戦し、1Rに右フックで2度のダウンを奪い、3-0の判定勝ち[8]。 2018年12月29日、UFC 232でフェザー級ランキング5位のチャド・メンデスと対戦し、2Rに左フックでダウンを奪われたものの、すぐに立て直して右フックで2RTKO勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[9]。 2019年5月11日、UFC 237でフェザー級ランキング1位の元UFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドと対戦し、3-0の判定勝ち[10]。 UFC世界王座獲得2019年12月14日、UFC 245のUFC世界フェザー級タイトルマッチで王者マックス・ホロウェイに挑戦。パンチのコンビネーションとローキックで試合のペースを掴んで3-0の5R判定勝ち。UFC世界ミドル級王者のロバート・ウィテカーに次ぐオーストラリア人史上2人目(オーストラリア出身者としては初)となるUFC王座獲得に成功した[11]。 2020年7月11日、UFC 251のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング1位の挑戦者マックス・ホロウェイとダイレクトリマッチを行い、2-1の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功した[12]。試合後にホロウェイの勝利を支持する声が多数挙がるが、合計有効打数やテイクダウン数ではヴォルカノフスキーがホロウェイを上回り、ラウンド毎の有効打数でも1R以外はヴォルカノフスキーがホロウェイを上回る結果となった[13]。 2021年3月27日、UFC 260のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング2位の挑戦者ブライアン・オルテガと対戦予定であったが、ヴォルカノフスキーが大会1週間前に新型コロナウイルスに感染したため中止となった[14]。 2021年4月2日、リアリティ番組「The Ultimate Fighter」のシーズン29でブライアン・オルテガと共にそれぞれのチームのコーチを務めた[15]。 2021年9月25日、UFC 266のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング2位の挑戦者ブライアン・オルテガと対戦。3Rにギロチンチョークと三角絞めを極められるピンチを凌ぎ、スタンド、グラウンド共に終始優勢に立って3-0の5R判定勝ち。2度目の王座防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[16]。また、この試合はESPNから2021年のファイト・オブ・ザ・イヤーに選出された[17]。 2022年4月9日、UFC 273のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング4位の挑戦者ジョン・チャンソンと対戦。何度も打撃を効かせ、3R終盤に右ストレートでダウンを奪いパウンドでストップ寸前まで追い込むなど終始圧倒し、4R序盤にスタンドパンチ連打でTKO勝ち。3度目の王座防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[18]。 2022年7月2日、UFC 276のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング1位の挑戦者マックス・ホロウェイとラバーマッチを行い、スタンドの攻防で終始圧倒して3-0の5R判定勝ち。4度目の王座防衛に成功した[19][20]。試合後、ヴォルカノフスキーは2Rの時点で左手の親指を骨折したことを明かし、7月8日に手術を受けた[21]。 2023年2月11日、UFC 284のUFC世界ライト級タイトルマッチで1階級上のUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフに挑戦。一進一退の打撃戦を繰り広げ、5R終盤に右ストレートでダウンを奪いパウンドで攻勢に立つなど善戦するも、僅差で0-3(47-48、47-48、46-49)の5R判定負け。ライト級王座獲得と二階級制覇に失敗するも、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。また、この試合は2023年のUFCファイト・オブ・ザ・イヤーを受賞した[22]。 2023年7月8日、UFC 290のUFC世界フェザー級王座統一戦で暫定王者ヤイール・ロドリゲスと対戦。グラウンドで終始圧倒し、3Rに右ミドルキックを放ったロドリゲスにカウンターの右フックをあわせ、効かせた直後にテイクダウンを奪いパウンドでTKO勝ち。王座統一に成功するとともに5度目の王座防衛に成功した[23]。 2023年10月21日、UFC 294のUFC世界ライト級タイトルマッチで1階級上のUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフに再挑戦し、テンプルへかすめた左ハイキックでダウンを奪われ追撃のパウンドで1RKO負け。ライト級王座獲得と二階級制覇に失敗した[24]。当初はチャールズ・オリベイラがマカチェフに挑戦予定であったが、オリベイラが負傷欠場したため、ジャスティン・ゲイジーが代役出場をオファーされるがゲイジーの減量が間に合わなかったことで、大会11日前のオファーを受けたヴォルカノフスキーとの再戦に変更された[25]。 UFC世界王座陥落2024年2月17日、UFC 298のUFC世界フェザー級タイトルマッチでフェザー級ランキング3位の挑戦者イリア・トプリアと対戦し、右フックでダウンを奪われパウンドで2RKO負け。王座から陥落し、フェザー級における初黒星となった[26]。 ファイトスタイル強烈なローキックと的確に相手を捉えるパワフルな右のオーバーハンドフックのカウンターを得意としている。また、身長168cmと小柄ながら181cmの長いリーチとラグビーで培った強靭なフィジカルを持ち、テイクダウンからのグラウンド&パウンドの能力にも優れている。さらに、手数を休めることなくフルラウンドを戦い抜く豊富なスタミナと、ダウンを奪われてもすぐに立て直すリカバリー能力を持つ。 人物・エピソード
戦績総合格闘技
ボクシング
獲得タイトル
表彰
脚注出典
映像資料
関連項目外部リンク
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