第4次スーパーロボット大戦
『第4次スーパーロボット大戦』(だいよじスーパーロボットたいせん、以後『第4次』)は、1995年3月17日にバンプレストが日本で発売したスーパーファミコン用シミュレーションロールプレイングゲーム。 概要SDで表現されたロボットたちが競演するクロスオーバー作品「スーパーロボット大戦シリーズ」の第5作目。『スーパーロボット大戦EX』(1994年、以後『EX』)の続編であり、シリーズカテゴリの一つである「DC戦争シリーズ」の第4作目にして最終作。前作のシステムから、反撃時の行動選択やオリジナル主人公の設定などが追加された。ただし本作に登場するオリジナルキャラクターの『魔装機神サイバスター』に関しては、DC戦争シリーズのスピンオフである『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』にて後日談が描かれている。 開発はウィンキーソフトが行い、スタッフは前作に続きプロデューサーはじっぱひとからげ、総監督・脚本・演出は阪田雅彦、メイン・プログラムは庄真宏、音楽は山根昇が担当している他、音楽担当として新たに藤本大輔が参加している。 後に移植版となるPlayStation用ソフト『第4次スーパーロボット大戦S』(だいよんじスーパーロボットたいせんエス・1996年、以降『第4次S』)が発売され、2011年にはゲームアーカイブスにて配信された。 スーパーファミコン版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてシルバー殿堂を獲得、PlayStation版はゴールド殿堂を獲得した。 移植版1996年には『第4次スーパーロボット大戦S』と題しPlayStationに移植された。2011年7月6日からPlayStation Storeのゲームアーカイブスで配信されている[4]。タイトルの“S”は“SCRAMBLE”の頭文字である[6]。内容は『第4次』を踏襲しておりストーリーに大きな変更はないが、『第4次S』発売以前にDC戦争シリーズ第1作目『第2次スーパーロボット大戦』(以下『第2次』)のリメイク作『第2次スーパーロボット大戦G』(以下『第2次G』)が発売されているため、『第4次S』は『第2次』ではなく『第2次G』から続く物語とされた。 また、大きな変更点としてスーパーロボット大戦シリーズではじめて、戦闘時の台詞に原作準拠の声優による音声が付いたことがあげられる[† 1]。ほかにも、3DCGのムービー追加[† 2]、ゲームバランスの調整やシナリオの追加変更[† 3]、BGM追加[† 4]などが行われている。 リメイク版後に『第4次』のリメイク作であるセガサターン用ソフト『スーパーロボット大戦F』(1997年)および『スーパーロボット大戦F完結編』(以後『F』、『F完結編』)が発売された。『第4次S』のような簡易移植ではなく、内容は大幅に変更されている。 ゲーム内容ここでは、本作特有のシステムや新規追加・変更されたシステムについて解説する。シリーズ共通のシステムについてはスーパーロボット大戦シリーズのシステムを参照。 ゲームシステムは本作で一応の完成を見る。敵フェイズにおける行動を選べるマニュアルモードや、一気に増えた精神コマンドなど数々の要素が後のシリーズに受け継がれている。名前の変更が可能なオリジナル主人公キャラクターが登場し、選択可能になったのも本作からである。オリジナル主人公選択の案は『第3次』の頃からあったが仕事量が多くて諦めることとなり、初めからオリジナル主人公採用として予定を組んで開発された本作で実現した。しかし8人分のセリフ容量が必要なことからシナリオにもっと主人公を絡ませたかったが容量の関係で諦めざるを得なかったとのこと[7]。
あらすじ
インスペクター事件(『第3次』)から3ヶ月。地球圏は地球至上主義者と宇宙移民者の対立、DCおよびノイエDCの台頭など混迷の状況にあった。インスペクター事件の終結に功のあったロンド=ベル隊だが、ラ・ギアス事件(『EX』)での1ヶ月の長期不在を理由に、大幅に権利・規模を縮小されてしまっていた。 そのような状況下で外宇宙からの侵略者が現れ、新たな戦いが始まってしまう。様々な勢力が入り乱れ戦う中、ロンド=ベル隊は新たな仲間を加え地球圏の平和を取り戻すため戦い続ける。 戦いの中で、近年の地球圏の混乱の原因が侵略勢力の一つゲストの陰謀であったことが判明する。ゲストの首魁・ゼゼーナンは地球人類の宇宙進出を危険とみなし、攻撃してきたのだった。 戦いの終盤、ロンド=ベル隊は火星のゲスト前線基地においてゼゼーナンとの最終決戦を制し、この戦争を終結させる。 これによりDC戦争以来続いてきた戦乱に終止符が打たれ、地球圏に平和が訪れた。(DC戦争シリーズ完) 参戦作品一覧★マークはシリーズ初参戦作品。Vマークは第4次Sで音声が付いた作品。
解説初参戦作品は『超獣機神ダンクーガ』、『無敵超人ザンボット3』、『重戦機エルガイム』、『真・ゲッターロボ(原作漫画版)』、『闘将ダイモス』の5作品。『EX』に登場しなかった『無敵鋼人ダイターン3』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『勇者ライディーン』の3作品が再登場し、『第2次』から『EX』までの全作品が揃った。また登場作品には明記されていないが、隠し要素として『ガンダム・センチネル』のSガンダムとExSガンダム[† 6]、並びに『聖戦士ダンバインOVA』のシルキー・マウと、サーバイン、ズワウスが登場している。 漫画作品からの登場となった『真・ゲッターロボ』は真・ゲッター2の下半身や真・ゲッター3の全身など、原作未登場のデザインが描き起こされた。以後の作品でも真・ゲッターが登場することとなり、『ゲッターロボ』の新作アニメシリーズの製作にも影響した。ただし漫画『真・ゲッターロボ』は本作の発売以降に発表されたものであるため、登場作品表記の『真・ゲッターロボ(原作漫画版)』は厳密には正しくない。実際には漫画版『ゲッターロボ號』からの登場であり、ロボット大図鑑での登場作品は「オリジナル」と表記されている。詳しくは真ゲッターロボのページを参照。 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の主要人物であるクリスチーナ・マッケンジーとバーナード・ワイズマンは、プレイの進行次第では未登場のままエンディングを迎える上、登場した場合でもストーリーが進むと愛機のNT-1アレックス、ザク改が廃棄処分になり、使用できなくなる[† 7]。 合体ロボットをはじめとした、各スーパーロボットの増加により、カットインや合体デモ、出撃デモは大幅に強化された。一方、『EX』に存在したマップ兵器使用時のアニメや変形シーンは削除され[† 8]、ユニットによっては武器を構えるグラフィックがカットされた[† 9]。これは『第4次S』でも同様である。 パッケージ登場機体
スーパーファミコン版のパッケージの装幀はケイブンシャの大百科シリーズを模している。これはプロデューサーのじっぱひとからげの発案で、ケイブンシャの承諾を得て実現したもの[10]。スーパーファミコン版は宇宙空間、プレイステーション版は火星が背景になっている。 オリジナルキャラクター主人公本作の主人公は湖川友謙がデザインを担当した。リメイク作の『F』でも同様に登場するが、河野さち子によってリファインされたデザインとの選択制となっている。 誕生日や血液型で精神コマンドが決定され[11]、スーパーロボット系・リアルロボット系のどちらかを選択する。「切り払い」の他にスーパー系は「底力」、リアル系は「ニュータイプ」の技能を所持している。性格はスーパー系だと「超強気」、リアル系だと「強気」となる。選んだ系統によって主人公機が変わる(後述)が、それとは関係なくモビルスーツ系全般に乗り換えることも可能である。 性別でも男性パイロットは精神ポイントが若干多く、女性パイロットは技量・回避に優れるなど細かい差異が見られる。系統により若干のシナリオ分岐(リアル系では特定モビルスーツ入手に、スーパー系ではスーパーロボットの新兵器追加に関わる内容)があるが、ストーリーの大筋に違いは無い。 最初の乗機はゲシュペンストで、スーパー系・リアル系で性能や武装がそれぞれ変化する。物語が進行するとスーパー系はグルンガスト、リアル系はヒュッケバインに乗り換える。これら後継機は入手時にカラーリングと名前を変更可能。グルンガストには機体の名を冠した武装があるが、これも変更した機体名に対応して変化する。 序盤のシナリオ開始時に、恋人の「いる」「いない」を選択するイベントが存在。これにより直後のシナリオが分岐し、恋人の加入するタイミングも変化する。「いる」を選ぶと恋人はティターンズの新人パイロットとして登場し、後のシナリオで説得して仲間にすることになる。「いない」を選ぶと戦闘マップクリア後にロンド・ベル隊の新人として参加する。恋人には固有の専用機が用意されていないが、モビルスーツの他に主人公のゲシュペンストにも搭乗可能。 主人公はテスラ・ライヒ研究所の所長の子であり、ナイメーヘンの士官学校を欠席(次席の誤字と思われる)で卒業。首席は対応する恋人キャラクターである。スーパー系の場合は光子力研究所、リアル系の場合はロンド・ベル隊に新しく加入することになる。『第4次S』では序盤にロフ(後述する敵幹部の一人)と出会うシナリオが追加され、終盤に彼を説得して戦死を回避することが可能になった。
これら8人のうち、イルムとリンはαシリーズやOGシリーズにも登場するが、キャラクターデザインや設定などは異なる。 ゲスト正式な名称はゾヴォーク。「ゲスト」の名称は地球側がつけたものである。『第3次』で登場した異星人(インスペクター)と同じ政治組織に所属している。南極事件や技術提供などで地球圏に混乱をもたらすきっかけとなっており、DC戦争シリーズの戦いを引き起こした黒幕とも言える存在。作中ではセティが「ゲスト」と発言しているが、納得はしていなかったようである。
移植版
プロモーションテレビCM
スタッフ
声の出演(「S」のみ)
評価
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・7・8・8の合計31点(満40点)でシルバー殿堂を獲得[14]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、24.7点(満30点)となっている[16]。
関連商品攻略本
ムック
コミック
CD
脚注注釈
出典
外部リンク |