スワンステークスは、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GII)である。2021年の第64回より競馬番組表での正式名称は「MBS賞 スワンステークス」と表記される[3][注 1]。
競走名の「スワン (Swan)」は、白鳥を意味する英語[4]。京都競馬場の旧スタンド「ビッグスワン」「グランドスワン」の名称にも使用されている[5]。
ラテ兼営時代の2000年より寄贈賞を提供するMBSメディアホールディングス(旧・毎日放送) は、大阪市に本社を置き、TBS系列(JNN)のテレビ準キー局毎日放送と、近畿広域圏でAM・ワイドFM帯ラジオ放送を行うMBSラジオの2社を掌握する総務省認定放送持株会社である。MBSグループは1951年(昭和26年)に「新日本放送(NJB)」として開局以来、ラジオで中央競馬中継を実施している[4]。
正賞はMBS賞[1][2]。
概要
1958年に、5歳(現4歳)以上の馬による重賞競走として創設[4][5][6]。創設当初は京都競馬場の芝1800mで春季に行われていた[4][5][6]が、1972年より芝1600m(外回り)に変更[4][5][6]。
1984年には施行時期を10月下旬に繰り下げたうえ、距離も芝1400m(外回り)に変更[4][5][6]。あわせて4歳(現3歳)馬や外国産馬も出走可能になり、マイルチャンピオンシップの前哨戦として位置づけられた[4][5][6]。2014年より、本競走の1着馬にはマイルチャンピオンシップの優先出走権が与えられている[4][5][6]。
創設時の負担重量はハンデキャップだったが、1961年より別定に変更された[4][5][6]。
地方競馬所属馬は1995年から出走可能になり、1998年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[7][6]。
競走条件
以下の内容は、2024年現在[1][2]のもの。
出走資格:サラ系3歳以上
- JRA所属馬(未出走馬及び未勝利馬は除く)
- 地方競馬所属馬(後述)
- 外国調教馬(優先出走)
負担重量:別定
- 3歳55kg(11月に施行される場合は56kg[注 2])、4歳以上57kg、牝馬2kg減
- 2020年10月25日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
- 2020年10月24日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)
マイルチャンピオンシップのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はマイルチャンピオンシップの出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている[9][10]。また、地方競馬所属馬は本競走で2着以内の成績を収めた馬にマイルチャンピオンシップの優先出走権が与えられる[9][10]。
賞金
2024年の1着賞金は5900万円で、以下2着2400万円、3着1500万円、4着890万円、5着590万円[1][2]。
歴史
- 1958年 - 5歳以上の馬によるハンデキャップの重賞競走として創設、京都競馬場の芝1800m(外回り)で施行[5]。
- 1959年 - 「皇太子殿下御成婚祝賀競走」の副称をつけて施行[5]。
- 1965年 - 名称を「関西テレビ放送賞 スワンステークス」に変更[5]。
- 1984年
- 1995年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が出走可能になる[7]。
- 1998年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が4頭まで出走可能となる[7]。
- 2000年
- 前年限りで廃止された京都4歳特別(現・京都新聞杯)に出されていた毎日放送の寄贈賞が本競走に振り替えられ、名称を「毎日放送賞 スワンステークス」に変更[5]。
- 外国調教馬の出走枠を5頭に拡大[7]。
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳以上」に変更。
- 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠を9頭に拡大[11]。
- 2014年 - この年から1着馬にマイルチャンピオンシップの優先出走権を付与[5]。
- 2021年
- 2025年 - 従来の施行時期を2週間繰り上げ、3日間開催の月曜日に変更予定。
歴代優勝馬
コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
脚注・出典
参考文献
- 『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、1285-1351頁。
注釈
出典
各回競走結果の出典
- 『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』 第1回~第48回
- JRA年度別全成績
- (2024年)“第5回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2024年10月28日閲覧。(索引番号:28083)
- (2023年)“第2回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2023年10月30日閲覧。(索引番号:28095)
- (2022年)“第4回 阪神競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2022年10月30日閲覧。(索引番号:28095)
- (2021年)“第4回 阪神競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年10月31日閲覧。(索引番号:28083)
- (2020年)“第4回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年11月1日閲覧。(索引番号:28083)
- (2019年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2019年10月27日閲覧。(索引番号:28095)
- (2018年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2019年10月27日閲覧。(索引番号:28095)
- (2017年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2017年10月29日閲覧。(索引番号:28095)
- (2016年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年10月30日閲覧。(索引番号:28095)
- (2015年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年11月2日閲覧。(索引番号:28095)
- (2014年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:28095)
- (2013年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:28085)
- (2012年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:28095)
- (2011年)“第5回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:30083)
- (2010年)“第5回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2009年)“第4回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2008年)“第4回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2007年)“第4回 京都競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29095)
- (2006年)“第5回 京都競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2005年)“第4回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 3258-3260. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2004年)“第4回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 3278-3280. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2003年)“第4回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 3247-3249. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:29083)
- (2002年)“第4回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 3094-3095. 2015年10月26日閲覧。(索引番号:28083)
- netkeiba.comより(最終閲覧日:2024年10月28日)
外部リンク