Run for money 逃走中
『run for money 逃走中』(ラン・フォー・マネー とうそうちゅう)は、フジテレビ系列で2004年(平成16年)から不定期に放送されているゲームバラエティ番組。通称は「逃走中」、ロゴや番組内では「RFM」が略称として用いられる。本項目では『クロノス』『ジャンプ!○○中』についても述べる。 概要早朝の街中や、番組が借り切ったテーマパークやショッピングセンター等を舞台にして大規模な鬼ごっこを行う。基本的に単発放送ではあるが、2007年4月 - 9月は『クロノス』にて計4回、同年10月 - 2008年3月は『ジャンプ!○○中』の1企画として計5回放送された(詳細については、それぞれの項目を参照。)。2012年からは『クロノス』および『ジャンプ!○○中』で放送された『護衛中』を発展させた派生ゲームとなる『battle for money 戦闘中』の放送が開始されており、時期によっては当番組と並び2週連続で放送することもあった。 チーフプロデューサーの笹谷隆司も、2022年に出版された書籍の中で「鬼ごっこの鬼に追いかけられる、怖いけど楽しい感覚を思い出しました」と、この当番組が鬼ごっこをきっかけに誕生した旨を証言している[1]。当番組はフォーマットとしては各種スポーツを参考にしており、リアルタイム風の演出として、当番組放送中はタイマーが画面右下にほぼ常に表示されている[注 4]。 当番組初期では、深夜帯やプライムタイムに放送していたが、『ジャンプ!○○中』第1回では、初めて「プライムゴールデンタイム」と呼ばれる午後10時台で放送された。第7回は初めて全面ゴールデンタイムでの放送、第15回以降は放送時間が拡大され、「カスペ!」枠や週末など曜日は不定ながら、ゴールデンタイムでの放送が定着していった。第30回以降は、土日・祝日のゴールデンタイムに固定して当番組が放送されている。 2009年12月3日にはアジア版国際エミー賞と呼ばれる「アジアン・テレビジョン・アワード2009」のゲーム・ショー部門を受賞、2010年には、第38回国際エミー賞のリアリティ・バラエティ部門にノミネートされ、ギャラクシー月間賞を受賞。2012年には、US国際フィルム&ビデオフェスティバルにて3等を受賞した[2]。 2014年には、放送開始10周年を迎え、「10周年記念ゲーム」として、「2つのエリアによる同時開催」「個人戦・チーム戦の2連続ゲーム」が実施された。2019年には、放送開始15周年を迎え、「15周年記念プロジェクト」が、2019年4月1日放送の『FNS番組対抗 オールスター春の祭典 目利き王決定戦』内で発表された。その後、8月13日の記者発表会にて、「一般公募による逃走者の募集」「歩数連動型ゲームアプリのリリース」「ノベライズ本の刊行」などの情報が発表された[3]。 2022年11月15日には、地上波放送よりもさらにスケールアップが図られた「Run for the Money 逃走中 Battle Royal」が、Netflixにて全世界独占配信された[4]。フジテレビ系列の地上波放送・BS放送以外で当番組の新作が配信されるのは初となる。 2022年12月31日には、当番組初の大晦日・過去最長で放送された。この2022年大晦日の番組最後では、「生逃走中」として生放送で実施された。同日、『逃走中』のアニメ化作品である「逃走中 グレートミッション」の制作が東映アニメーションから発表された[5]。また、翌2023年12月31日にも2年連続となる大晦日かつ初の年またぎ(年越し)の形で放送された[6]。また、前年同様年越し前後に「生逃走中」が生放送で行われた。 2024年6月26日をもって、当番組は放送開始20周年を達成した。放送開始21年目の2024年7月19日には、当番組初の実写映画化となる『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』が公開された[7]。 基本ルール基本的に「逃走者」「ハンター」「エリア」「時間」「賞金」の5つの要素で構成されている。 「逃走者」
「ハンター」
「エリア」
「時間」
「賞金」
そのほかの要素
舞台設定エリア第13回から第42回のほぼ全ての回でエリアに独自の世界観が設定されており、それに伴いゲームの内容も一部リニューアルされた。 日光江戸村・ハウステンボスなどの貸切った施設を用いた回では、「江戸の町(日光江戸村、房総のむら)」「とある王国(ハウステンボス)」などの歴史・舞台背景が現代と違うものや「無人のショッピングモール(イオンレイクタウン、iiasつくば)」「逃走中専用ステージ・エリア01(美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ)」といった設定で逃走を行うという形になり、場所や地名、建物の名前に関しても独自に設定され、エリア内には「住人」として多くのエキストラが登場する。また、一部の住人や重要人物として逃走者以外のタレントや俳優も登場し、逃走者の手助けやミッション遂行の重要人物として逃走者と接触する。住人からは上記の「頼み事」がされる事もあり、それによってアイテムの獲得や後に有利な特典を受ける事もある。また街中を使っての逃走の場合、貸切時より規模は小さいものの「特定の場所に様々な伝説や謂れがある」という設定の下、ゲームが行われる。 放送中には随時、設定と連動した「ミニドラマ」が挿入され、それに対応したミッションや通達が発動。その成否によって再びドラマが進行するという形になっている。 同じロケ地を「時代の異なる同じ場所」と扱う[注 8]事もあれば、違うロケ地を「時間が経った同じ場所」として扱う[注 9]事もある。 クロノス社第15回以降、「未来世界にて『クロノス社』がショーとしてゲーム放送を開催している」という設定が加えられた。当初は番組の開始・終了時やミッション発令時にその様子が映し出されるのみであったが、第22回以降は完成したハンターを使用した本格的なショーとしての開催と、ハンターを巡る陰謀劇に関するドラマが展開されるようになった。なお、第42回から第50回までは第37回から第41回の放送の際に使われたミッション発動時の映像のみが流用されており、ストーリーに進展が見られなかった。
登場人物全員が苗字に月の文字を含む(月村・高月・如月など)か、月に関する単語(竹取物語・有明や青山の静かの海)になっている。 ※()内は登場回
劇中用語
放送リスト放送日時は全てフジテレビ(関東広域圏)・BSフジ・Netflixいずれかでの初回放送・配信時の日程。 放送リスト
大みそかSP お台場大決戦
FNS逃走中(FNS27時間テレビコラボSP)
2024年大晦日スペシャル
その他ゴールデン進出後は50台以上のカメラを使用し撮影されており、撮影スタッフだけで300人を超える。街中での撮影では交通安全上の理由で多数の警備スタッフを配置する必要もあり、回によっては大人数のエキストラがゲームに参加しているため、スタッフは多い時で総勢700人ほどになる。ハンターに関しては、約200人の募集枠を設けてオーディションを行っている。事前にゲームにおいて危険となる地形などをチェックするため、スタッフや有名ではないタレント等が逃走者の役となりシミュレーションを行っているほか、収録中に通行人に危険が及ぶと判断した場合は中断されるなど安全に配慮して制作されている[注 29][注 4]。出演者の中には、労働基準法の年少者保護規定に抵触することを考慮して、出演者の中に17歳以下の者がいる場合などは午前5時以降に収録が開始される。 街中の場合は、地元商店会や警察などの協力を得てゲーム中エリアに警備員を配置するなど、安全対策を施し収録を行っている[注 4]。また安全性を考慮し、荒天・雪などにより足元が悪い場合は収録が中止される場合がある[注 4]。 第38回・第39回・第42回以降の放送回では視聴者向けにデータ放送によるプレゼントキャンペーンを実施している。このあとのゲーム展開を予想し、データ放送画面で解答。正解するとプレゼントの応募口数を1口分獲得する。1回の放送で4-5回出題され、正解数に応じてキーワード・当選確率が変動する。また、データ放送では各逃走者の紹介(ゲーム状況と連動しており、確保された逃走者は画像に檻の画が被さる)や、各逃走者の能力の自己評価(「スピード」・「スタミナ」・「賢さ」・「判断力」・「運」)・意気込みや賞金の使い道、作品とのコラボ回ではコラボ先の作品に関する思い入れなどを見ることができる。
関連番組
ネット配信とDVD一部の回についてはFODでネット配信がされており、有料でいつでも視聴することが可能である(第50回〜第54回は無料配信のみ)第56回・第57回・第63回は1年間はFODで有料での独占配信されている。『クロノス』、『戦闘中』も含む)。また、本放送終了後はTVerで最新回の一定期間無料配信が行われている(『戦闘中』含む)。 DVDには、特典映像としてゲーム前のエリア内下見・確保直後の逃走者のコメント・牢獄トーク・逃走成功者の様子など、テレビでは放送されなかったシーンが収録されている。また8巻から29巻はその回のドラマパートの完全版が収録されている。 DVD版では、本放送時に使用されたBGMは著作権の都合上ほぼ全てリミックスされるか別の曲に差し替えられており、映像の差し替え・カット等も存在する。第59回以降の配信版はNetflixシリーズ 「run for the money 逃走中Battle Royal」で使用されたオリジナルBGMで権利処理をしている。一部の回では本放送時と同じBGMが使われている箇所も存在する。 DVDラインナップ
イベントフジテレビの夏のイベント(お台場冒険王・お台場合衆国・お台場新大陸・お台場夢大陸)を始めとしたお台場近辺の施設に期間限定で番組ブースを出展。主に番組内の世界観を味わえるゲームの体験や、直近の放送内で使われた実際の小道具・セットの展示、逃走中・戦闘中に特化したグッズショップなどが展開されている。 2013年はフジテレビ本社屋24階廊下にて、2014年から2016年は25階球体展望室「はちたま」にて開催。2017年はお台場夢大陸の枠組みからは外れたが、ほぼ同開催期間でダイバーシティ東京にて開催。2023年以降は冒険ランド(青海P区画)で開催。
スタッフ※第62回・FNSの日特別編 放送終了時点
派生作品・関連商品Run for the Money 逃走中 Battle RoyalNetflixによる全世界配信版の逃走中。基本的なルールは地上波版逃走中と変わらないものの、賞金額やハンターの数など大きくスケールアップされて行われる。また、ゲームタイマー・テロップなどがリニューアルされている。本編で流れるBGMはHiFiveとライセンス契約をしており、一部はオリジナルの物などで権利処理をしている。ナレーションは小林ゆうが務める。 また、ゲームマスターに佐藤二朗が就任し、地上波放送での月面を舞台にしたミニドラマとは別の形で進行する。また、『戦闘中』に登場するブラウンクロウがアシスタントとして賞金の受け渡しなどを行う。 海外ライセンス番組
→詳細は英語版記事(Cha$e)を参照
→詳細は中国版記事(全員加速中)を参照
ゲームアプリ版2013年9月に「2013年秋-冬リリース予定」と発表。その後、2014年4月22日に「iOS・Androidアプリとして同年5月にリリースされる」ことが決定し、同年5月29日に正式リリースされた。2016年2月10日にサービス終了。 2019年8月13日の「逃走中15周年記念プロジェクト」の記者会見にてプロジェクトの一環として2019年夏に新しいゲームアプリ版がリリースされることが発表され、同年8月29日に正式リリースされた。2020年6月10日にサービス終了。
ボードゲーム逃走中 THE ボードゲーム
2WAYボードゲーム 逃走中&戦闘中
逃走中 ハンターだらけ
2WAYボードゲーム 逃走中&戦闘中 X(クロノス)
逃走中グレートミッション&run for money逃走中ボードゲーム
書籍
いずれも集英社みらい文庫から発売されている児童向けオリジナルノベライズ本。仮想空間内に作られたエリアを舞台に、小学生を主人公とした独自のストーリーで展開されている。一部作品では過去の放送回のミッションやそれを基にした展開、実際に番組内で起こった事象なども取り上げられている。第11巻の時点でシリーズ累計60万部を刊行している。[12]
いずれも宝島社から発売されている知育絵本。第4巻の時点で累計16万部を刊行している。[12]
舞台
番組コラボ
家庭用ゲーム街ingメーカー3×逃走中→詳細は「街ingメーカー3×逃走中」を参照
都市開発シミュレーションゲーム・街ingメーカーシリーズのPSP版で、2010年1月28日にディースリー・パブリッシャーより発売された。本番組を再現した「逃走中モード」が用意されている。 逃走中 史上最強のハンターたちからにげきれ!
バンダイナムコゲームス(後のバンダイナムコエンターテインメント)より2012年7月5日に発売されたニンテンドー3DS専用ソフト。 当番組のルールをほぼ完全再現しており、このソフトのやり込み要素として、一度「ノーマルモード」で逃走成功したステージでは、「ハードモード」(アイテム使用不可の「ノーアイテム」、ハンターの性能が通常の2倍になる「ハイパーハンター」、ハンターがレーダー上に映らない上に大量登場する「ナイトメア」の3種。「ノーアイテム」と「ハイパーハンター」は賞金が2倍に、「ナイトメア」では賞金が5倍になる。いずれの「ハードモード」3種は自首不可であり、賞金を獲得するには逃走成功をしなければならない)がプレイ可能になる。さらに特定の条件を満たすことで、エリアごとに存在する「ハンターフィギュア」「ライセンス」を入手でき、ショップで買えるコスチュームが増える。一部のステージはダウンロードプレイで最大4人までの通信対戦が可能。アイテムもショップで購入できるが、確保されるとその回で獲得した所持品や獲得物はすべて没収される。 初週販売本数は3万本程であったが[15]、発売半年余りで40万本を突破するロングセラー商品となった。 超・逃走中 あつまれ!最強の逃走者たち
バンダイナムコエンターテインメントより2015年7月9日に発売されたニンテンドー3DS専用ソフト。前作同様、当番組のルールをほぼ完全再現しており、追加要素として自分のMiiでゲームプレイが可能・ローカル通信プレイでミッションの協力プレイが可能になった。大半は前作と同じだが以下の内容が変更され、当番組に近い、よりリアルな逃走劇を楽しめるようになった。
超・逃走中&超・戦闘中 ダブルパック
バンダイナムコエンターテインメントより2018年11月29日に発売されたNintendo Switch専用ソフト。過去に発売されたニンテンドー3DS用の「超・逃走中」と「超・戦闘中」をSwitch対応にして一本化したもの。ソフトの特徴は過去に発売された3DS版に準ずるが、リマスターされたことによりマップ・キャラクター・ムービー等がより高画質となりリアルになった。マップにも描写に光と影が入ったことによってハンターや相手プレーヤーの位置を把握したりと当番組さながらのよりスリリングな体験が可能になっている。また、TVモードでは人数分のJoy-conを使うことによって、ローカル通信での最大4人までの協力・対戦プレイも可能。 逃走中 グレートミッション逃走中 ハンターVS逃走者!キミはどっちで勝利できるか!?
ディースリー・パブリッシャーより2025年(月日は不明)に発売予定のNintendo Switch専用ソフト。大半は過去作と同じだが、以下の内容が変更・追加された。なお、「グレートミッション」以降はディースリー・パブリッシャーが発売を行っており、ステージ数(「超・逃走中」以前は10ステージだったが、「グレートミッション」以降は5ステージに減少している)や「ハードモード」(「超・逃走中」まで存在した「ナイトメア」が廃止されている)などの一部が変更されている。
ネット局
過去のネット局いずれの局も遅れネット。
テレビアニメ2023年4月2日よりフジテレビ系列(一部除く)にて、『逃走中 グレートミッション』が放送されている。 →詳細は「逃走中 グレートミッション」を参照
映画2024年7月19日に映画『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』が公開された。 →詳細は「逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION」を参照
脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
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