株式会社幸楽苑(こうらくえん、英: KOURAKUEN CORPORATION)は、福島県郡山市に本部を置くラーメンチェーン経営企業。
2003年(平成15年)に東京証券取引所第一部に上場[広報 2]。ラーメンチェーン店大手の一つ[4]。
概要
福島県で創業し、東北地方および関東地方、甲信越地方、静岡県にドミナント戦略を展開[4]。
かつて業績は好調であったが、後に悪化。2014年(平成26年)3月期に店舗全体の約四分の一にあたる128店、2015年(平成27年)3月期には34店舗を閉鎖したものの、94店舗が赤字店となるなど業績不振となったため、2015年(平成27年)5月末時点でに501店舗へ減少するなど赤字店舗が相次いでいる[4]。そのため、2018年(平成30年)3月期において、金融機関と締結した財務制限条項に抵触したため、決算短信に「継続企業に関する重要事象」が記載されることになった[5]。
2015年(平成27年)5月26日に290円(税別)の中華そばの販売を終了し、520円(税別)の新商品「醤油らーめん司」に切り替えた[4]。この発表は、幸楽苑が高価格路線を目指して大きな賭に出たと話題を呼んだ[6]。
2011年(平成23年)9月にタイ現地法人「幸楽苑タイランド」を設立し[7]、2012年(平成24年)にタイ1号店としてバンコクに「エカマイ店」を開店して海外に初出店した[広報 3]。しかし売上が伸び悩んだことから、2016年(平成28年)3月31日に幸楽苑タイランドを解散することを決定[7]。同年6月16日にタイ現地の食品製造会社「タイ・プレジデント・フーズ」とフランチャイズ契約を締結し、同社に2店舗の運営を継承することになった[8]。
長きにわたりラーメンチェーン店「幸楽苑」の展開を主としていたが、2017年にペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を結び、同社が展開する「いきなり!ステーキ」のフランチャイズ展開を行うことになった。北海道や西日本(愛知県・岐阜県・富山県以西)にあった幸楽苑をすべて閉店し、いきなり!ステーキへの転換を進めた。
2020年1月6日、「収益重視型経営への改革の一環」として、51店舗を閉店・業態転換すると発表するも[9]、その後の新型コロナウイルス感染症が拡大する環境下での業績不振は回避できず、2023年5月15日、翌月の株式総会で新井田昇社長が退任し、創業者の新井田傳が社長に復帰する人事を発表した[10]。
沿革
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 3月31日 - タイ現地法人「幸楽苑タイランド」を解散することを決定[7]。
- 6月16日 - タイ現地の食品製造会社「タイ・プレジデント・フーズ」をとフランチャイズ契約を締結[8]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 2023年(令和5年)
- 9月1日 - 店舗サポート部を店舗運営部、郡山生産センターを郡山工場、小田原生産センターを小田原工場にそれぞれ改称[16]。
- 9月30日 - 9月末までに各ECモール店を閉じて通販事業から撤退[16]。
- 11月1日 - 通販事業部を廃止[16]。
- 2024年(令和6年)
- 10月1日 - 幸楽苑を吸収合併し、純粋持株会社体制を解消して再び株式会社幸楽苑に商号変更[17]。
出店地域
2015年(平成27年)5月末時点で501店舗[4]。
現在
過去
一度進出したが、赤字店舗が続出したことで撤退した地域
メニュー
- 季節メニューとして、夏の「冷し中華」や「つけめん」などがある。
- 「半ちゃんラーメン」は「幸楽苑」の商標登録(商標登録第1523776号)である。ただし、その由来は麻雀の半荘(はんちゃん)で[広報 9]、半量のチャーハンに由来するわけではない。また、商標登録の指定商品は「中華そばのめん」、「即席中華そばのめん」とされており、チャーハンとラーメンのセットには商標権は及ばない。
- 最もベーシックなメニューであった「中華そば」の価格は、2006年5月以降に390円(税別)から290円(税別)に値下げ。これは、さらなる集客効果を図るとともに、他のサイドメニューを購入しやすくして客単価を引き上げ、利益率を改善させるのが主な目的であった。
- 2015年(平成27年)5月26日に主力メニューであった中華そば(税別290円)を販売終了し、新商品「醤油らーめん司」(税別520円)に切り替え。後に名称を「極上中華そば」に変更した[4]。
- 2019年(令和元年)8月現在の主力メニューは「味噌野菜たんめん」(税別640円。販売開始時の名称は「味噌野菜らーめん」であった)となっている。
商品等の企画
- 2006年に中華そばを値下げした際、来客数と売上は伸びたが、原価率の高い中華そばを注文する客が60%になり、顧客単価が下がったことで業績が悪化し、当時の社長は責任を取って退任した[18]。この状況で再就任した次の社長は対応策として、新メニューの追加やセットメニューの割引率を抑制するなどの「メニューの見直し・変更」や、店の薦めるメニューを上に配置して290円の中華そばが目立たないようにする「メニューの“見せ方”の変更」を行なった[19]。その効果が出て、中華そばの注文率は20%台まで下がり客単価の向上を果たしたことで、業績回復に成功した[19]。
- 2009年5月1日、パッケージライセンス契約をハンバーグレストランチェーンの株式会社フライングガーデンと締結。
- 2014年4月、サンヨー食品からカップ麺「サッポロ一番 幸楽苑シリーズ」(極旨醤油らーめん・味噌らーめん・塩らーめん)が期間限定で全国発売された。
- 2014年から毎年8月21日には「福島県民の日」のイベントとして、当日に福島県内の幸楽苑で食事をした人全員にギョーザ無料券の配布を行っている[20]。
- 2018年11月15日から25日までの間、1997年(平成9年)当時の「幸楽苑」「会津っぽ」とは別業態の「㐂伝(きでん)」(「㐂」は「喜」の草書体で、七3つで構成する「森」「轟」と同型の文字)という屋号で、絞り込んだメニューを提供する店舗を出店していたのを記念して「㐂伝(きでん)らーめん」を限定復活させた[21]。
ラジオ
創業70周年を記念して2024年5月1日よりラジオ番組幸楽苑スピリット あなたにこの一杯の放送を開始
脚注
注釈
- ^ 既存店である「会津っぽ」、「㐂伝きでん(「㐂」は「喜」の草書体で、七3つで構成する「森」「轟」と同型の文字)」は順次「幸楽苑」に転換された、中華そばを税込価格410円(店内外の目立つ表示は税別390円)で販売。
- ^ 国税庁は総額表示の「具体的な表示例」として下記のように説明している。
例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します。
・10,290円
・10,290円(税込)
・10,290円(税抜9,800円)
・10,290円(うち消費税等490円)
・10,290円(税抜9,800円、消費税等490円)
[ポイント]
支払総額である「10,290円」さえ表示されていればよく、「消費税額」や「税抜価格」が表示されていても構いません[11]。
出典
広報資料・プレスリリースなど一次資料
関連企業
- ニイダ麺販 - 1988年に幸楽苑の生麺、冷凍生餃子の販売会社として新井田武男が創業。
外部リンク
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幸楽苑に関連するカテゴリがあります。