フラッシュ・ゴードン (映画)
『フラッシュ・ゴードン』(Flash Gordon) は、1980年のアメリカ合衆国のSF映画。監督はマイク・ホッジス、出演はサム・J・ジョーンズとメロディ・アンダーソンなど。 アレックス・レイモンドの同名新聞連載漫画を実写映画化した作品である[3]。 音楽をイギリスのロックバンド・クイーンが担当しており、主題歌「フラッシュのテーマ」は特に著名である[3]。 →詳細は「フラッシュ・ゴードン (アルバム)」および「フラッシュのテーマ」を参照
主演のサム・J・ジョーンズが第1回ゴールデンラズベリー賞の最低主演男優賞にノミネートされている。 ストーリー惑星モンゴを支配する悪の皇帝ミンによって天変地異に見舞われた地球は10日以内に月と衝突する危機にあった。そんな中、科学者のハンス・ザーコフは独自に和平交渉をするために自前のロケットでモンゴに向かおうとするが、そこに飛行機の不時着でたまたま居合わせたアメフトのスター選手であるフラッシュ・ゴードンと1人旅をしていた女性デイル・アーデンの2人も同行することになる。しかし、三人はミンの部下らに捕らえられてしまい、ミンが交渉の余地などない極悪非道な悪党であることを知る。デイルを見初めたミンは、邪魔なゴードンを処刑し、ザーコフを洗脳するように命じる。ゴードンはガスで処刑されるが、彼に一目惚れした王女オーラによって偽装工作が行なわれ、密かに命を救われる。一方のザーコフも洗脳されたふりをして難を逃れる。オーラによって脱出したフラッシュは、森の国アーボリアのバリン公やホークマン(鷹人間)軍団を率いるヴァルタン公を味方につけ、デイルと結婚式を挙げようとしていたミンを倒し、モンゴだけでなく地球をも救うことに成功する。こうしてモンゴは、新たにバリンを皇帝に迎え、ヴァルタンが総司令官となる。 キャスト
日本語吹替
製作ジョージ・ルーカスは本作の旧映画版『フラッシュ・ゴードン』シリーズ(バスター・クラブ主演)を幼少から鑑賞しており、リメイクを思いついたが、ラウレンティスが権利を保持していたため手が出せず、独自にストーリーを執筆し『スター・ウォーズ』を制作することになった[4]。『スター・ウォーズ』冒頭にある、物語の概要が書かれた文章が画面奥へ飛んでいくカット(オープニングクロール)は、旧映画版『フラッシュ・ゴードン』に倣っている[5]。 『スター・ウォーズ』の大ヒットを受けラウレンティスは「すべての面でスター・ウォーズ以上の物を作れ[6]」と至上命令を発し製作に取り掛かったが、特殊効果はルーカスの特撮工房ILMに依頼した[7]。 冒頭に、いかにも模型然とした地球が登場するが、これは米国公開時の配給元であるユニバーサル映画のロゴに登場するのと同じ地球のミニチュアである。本来はユニバーサル映画のロゴに続けて(厳密には一旦フェードアウトした後)登場する事で連続性を演出するシーンとなっていたが、本作の特撮を担当するILMの創始者ジョージ・ルーカスが、『宇宙空母ギャラクティカ』を製作したユニバーサル映画と敵対し裁判沙汰になったため、騒動の影響下でユニバーサル映画は海外配給権を手放すこととなり、結果として模型然とした地球のみが残ってしまう結果になった[8]。このような経緯の為、本編中でフラッシュ達の乗ったロケットが離陸した時に映る地球は、雲が渦巻くリアルな地球になっており、冒頭の地球とはデザインが大きく異なっている。 作品の評価映画批評家によるレビューRotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「わざとらしい魅力と訳知りなユーモアのセンスのおかげで、宇宙を駆け巡る元フットボール選手、彼の愛するグルーピーたち、そしてミン皇帝という名の超悪役が登場する馬鹿馬鹿しいプロットに打ち勝っている。」であり、47件の評論のうち高評価は83%にあたる39件で、平均点は10点満点中6.8点となっている[9]。 Metacriticによれば、13件の評論のうち、高評価は7件、賛否混在は4件、低評価は2件で、平均点は100点満点中58点となっている[10]。 受賞歴第1回ゴールデンラズベリー賞最低主演男優賞にサム・J・ジョーンズがノミネートされたが、受賞には至らなかった。 後の作品への影響2012年のコメディ映画『テッド』では主人公が崇敬する映画として本作の本編映像、BGM、オマージュが多数挿入されており、主演のサム・J・ジョーンズが本人役で出演している。『テッド』のヒットにより再注目された本作についてWOWOWは「当時もそうだったが今見てもやはりどうかというやり過ぎ感が随所にあり、だからこそ『テッド』でのパロディーがより笑える」としている[3]。 出典
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