香櫨園駅
香櫨園駅(こうろえんえき)は、兵庫県西宮市松下町にある、阪神電気鉄道本線の駅[1]。駅番号はHS 18。 第4回近畿の駅百選に選ばれている。 歴史ここから苦楽園に至る区間で阪神電鉄傘下の摂津電気自動車によるトロリーバス敷設計画も立案されたが、それに対抗する形で阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)が甲陽線を建設したが、計画は頓挫した。 2001年(平成13年)3月2日までは「香枦園」と表記していた[1]。下り線が高架化された際、駅名標の漢字表記は将来の改称を先取りするように「香櫨園」に改められ、その下にカッコ書きで(枦)と注記されていた[2]。上り線が高架化されたときの駅名標は「香櫨園」だけで、のちに下り線の駅名標からもカッコ書きの注記が取り除かれた。 2006年10月28日のダイヤ改正で、平日朝ラッシュ時の梅田行きのみ運転されている区間特急の停車駅となった一方で、それまで停車していた準急は通過扱いとされた。この改正により、平日朝ラッシュ時は梅田方面への所要時間は大幅に短縮された反面、神戸方面へは本数減と所要時間が延びる形となった。そのため、当駅に準急が停車していたのは、わずか4年程度のみだった(準急は後に休止となった)。なお、同日には阪急電鉄でも近接する夙川駅に特急を停車させるダイヤ改正が実施されている。経営統合した阪急・阪神がともに、JR神戸線のさくら夙川駅の開業に向けた対策をとったことによるものである。 年表
鉄道唱歌1908年に『鉄道唱歌』の作詞者である大和田建樹が阪神の依頼を受けて作成した『阪神電車唱歌』(全22番)では、以下のように香櫨園が歌われた。 9.廣田官幣大社をも 拝して立ちよる香櫨園 四季の眺めは備はりて 新たに開けし遊園地 10.ゆくて急がぬ旅人は 登りて見よや甲山 一目に集まる摂河泉(せっかせん) 山川さながら画(え)の如し 駅名の由来香枦園/香櫨園という駅名は、大阪の商人である香野蔵治と櫨山(はぜやま)喜一によって、1907年に造作された遊園地「香櫨園」の最寄駅であったことから名付けられた[1]。このため、駅の入口看板では旧漢字の櫨と表記されていたが、開業当時から2001年の改称までは正式の駅名の方は、遊園地とは異なり、新漢字の枦が正しいものであった(遊園地は旧漢字の櫨が正式表記)。遊園地の詳細については「香櫨園遊園地」を参照。
このため、香枦園/香櫨園というのは元々の地名ではないが、西宮七園を構成する高級邸宅街としてのブランド性が高いため、マンション名などには盛んに用いられている。そのために1990年代以降はマンションが目立ち、かつてと比べると邸宅は減少しつつあるが、灘五郷の酒造家などの邸宅は今なお見ることができる。西宮市大谷記念美術館もその名の示すとおり、個人の邸宅とコレクションを基にする美術館である。 駅構造相対式ホーム2面2線のホームを有する高架駅である[1]。分岐器や絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。改札口は、1階に1か所のみあり、ホームは2階にある[1]。駅舎やホームは、地上駅時代の駅舎をそのまま保存、活用してほしいという周辺住民の声に配慮し、明治時代を思わせるレトロな装飾がなされている。 ホームは夙川を跨ぐ構造である。川の真上の部分には上下ホームに扉で仕切られた、通称「お立ち台」があり、乗客は自由に出入りできる。北側の上りホームのお立ち台からは、夙川の堤防に植えられている桜並木を眺めることができる。この部分の屋根は、高架化前の旧駅の改札口上屋を模した形状となっている[9]。 ホーム有効長は19m級の阪神車両6両編成に対応した120m。現行ダイヤでは神戸方面行きの優等列車は停車しないため、下りホームは4両編成分のみが使用されている。 のりば
実際には構内に上記ののりば番号表記はないが、公式サイトの構内図では上りホームが1番のりば、下りホームが2番のりばとされている。
利用状況2023年11月平均の乗降人員は10,961人である。 各年度の11月平均利用状況は下表の通り。
年間乗車人員近年の1年間の乗車人員は以下の通り。なお下表内の数値の単位は全て「千人」である。
駅周辺
駅周辺の一帯は香櫨園と呼ばれ、西宮七園の一つに数えられる邸宅街である。ホーム下を流れる夙川の河川敷には夙川公園が整備されている。
バス路線阪急バスに「阪神香櫨園駅」停留所が存在するが、駅前にはなく東に250mほど離れた市道建石筋にある。 かつては阪急夙川・西宮北口の両方向に路線があったが、現在は阪急夙川行きは休止となり、JR西宮駅ゆきが土曜・休日に1便運行されるのみ。 隣の駅
ギャラリー
脚注記事本文注釈出典
利用状況
阪神電気鉄道
西宮市統計書
関連項目外部リンク
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