IOS 18iOS > IOS 18
iOS 18は、Appleが開発しているモバイルオペレーティングシステムiOSの18番目のメジャーリリースである。開発者向けβ版は、発表当日の2024年6月11日(日本時間)に配信され、正式リリース版が2024年9月16日(日本時間17日)から配信開始された[2]。 概要2024年6月11日、WWDC 2024で発表された[3]。対応端末はiPhone XS/XS Max以降のiPhoneで、iOS 17対象の全てのモデルがサポートされる[4]。 新機能・変更点Apple Intelligence→「Apple Intelligence」も参照
Apple Intelligence(アップル インテリジェンス)が、プライバシー保護に配慮し、パーソナルコンテキストを理解する、独自開発した生成モデルを据えるパーソナルインテリジェンスシステム(人工知能プラットフォーム)として、iOS 18.1、iPadOS 18.1、macOS Sequoia 15.1以降での全面採用と応用した多数の機能が発表された[注釈 2][3][5][6]。 新しいSiriから、外部のChatGPT-4oをOpenAIのアカウントや契約無しで利用することも可能となる。2024年10月から米国英語でのベータテストが始まり、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカ、イギリスでの英語は同年12月から、日本語、中国語、スペイン語、フランス語対応は2025年中となる予定[注釈 2][3][6]。iPhoneシリーズにおいてはiPhone 15 Pro/15 Pro Max、16/16Plus、16 Pro/16 Pro Maxの計6機種でのみサポートされる[7][8](iOS 18.2.1現在)。 ホーム画面とロック画面ホーム画面ホーム画面のアプリやウィジェットを(上段から左詰めにすることなく)画面上の自由な位置に配置する事が可能となった。また、アプリアイコンがダークモードによって黒基調の色彩に変更できたり、任意の色に変更できるオプションやアプリ名の表示を消してアイコンを大きくするオプションが追加された[3][4]。 ロック画面ロック画面の下に表示されるアイコンの変更と用途が変更可能になった(iPhone SE 2/3を除く)[3][4]。 アプリのロック全てのアプリでFace ID、Touch ID、パスコードでのロック機能に対応したほか、他の人に見られたくないアプリを隠す機能などが搭載された[3][4]。アプリをロックをすることで通知が自動的にオフとなる。なお「盗難デバイスの保護」が有効になっている場合はパスコードによるロック解除は行えない。 コントロールセンター新しくデザインされたコントロールセンター。これまでよりもさらに自由にカスタマイズ可能になり、コントロールギャラリーからアプリなどのコントロールを追加できるようになった。また、ボタンのサイズの変更やページを複数にすることも可能になった[3][4]。さらに、ショートカット、サードパーティーのアプリのコントロールを追加することも可能となった。iOS 18.1で設定からレイアウトをリセットできるようになった。 写真iOS 18からは写真アプリが一新され、新しい表示方法に変更された。Apple Intelligenceを活用し、自動でアルバムを生成したり、音楽と共にスライドショーを作成する機能の機能向上とより一層複雑な検索キーワードに対応した検索機能や、意図しない写り込みを除去してくれるクリーンアップ機能などが搭載された[注釈 3][3][4]。なお、iOS 18.2では従来に近い仕様(操作感)に戻されている。 カメラビデオ撮影の一時停止が可能になった。 メール一新されたデザインに変更され、「重要」「支払い」「プロモーション」などに自動で振り分ける機能が追加される予定である[注釈 4]。また、Apple Intelligenceを使用できるようになるため、メールの返信内容を校閲してくれたり自動で返信内容の提案や文体の変更を行なってくれる[注釈 3][3][4]。 メッセージ新しいテキストスタイル(太文字、イタリック、下線、取り消し線など)に対応。リアクション機能であるTapbackも強化され、自分の写真から作成したステッカーや絵文字を使用できるようになった。さらに、「あとで送信」機能やRCSに対応した[3][4]。 RCS対応により、iPhoneとAndroidの端末間でのメッセージ機能が強化され、SMSよりも高解像度の写真、動画、大きなファイルサイズのファイル共有、音声メッセージ、絵文字リアクション、入力中のインジケーターの表示、既読機能、携帯電話もしくはWi-Fi経由でのメッセージ送信に対応した[注釈 5][注釈 6][10]。 衛星経由のメッセージiPhone 14以降の全モデルで、インターネット接続がない場合でも通信衛星を経由してiMessageやSMSを送受信できる機能が登場(米国とカナダが対象。日本でiOS 17.6以降で利用できる「衛星経由の緊急SOS」とは別)[3][4]。この機能は、iOS 18.1がリリースされた2024年10月29日から2年間サポートすると公式が発表している。[11] 電話電話内容を録音する機能に対応した。さらに録音した音声を自動でテキストに変換する機能も実装された[注釈 7][3][4]。 計算機計算機アプリが大幅に強化され、通貨や単位の変換にも対応した。その他、縦画面での関数計算に対応し、「計算メモ」と呼ばれるメモに手書き、もしくは打ち込みで計算式を書くと自動的に計算したりグラフを表示したり、履歴などの機能が搭載された[3][4]。計算メモを使用した場合、メモ帳のページとして残される。 SafariSafariに関連項目について自動的に検索し表示してくれる機能やApple Intelligenceを活用した要約機能が追加された[注釈 3][3][4]。「気をそらす項目を非表示」機能も追加され、広告などのコンテンツを一時的に削除することができる。 AirPodsAirPods Pro 2が首振りによる操作に対応。「はい」なら縦に、「いいえ」なら横に首を振ることで人の多いところや話せない場面でもSiriが応答することが可能になった[3][4]。iOS 18.1ではヒアリングチェックとヒアリング補助機能が追加。この他、米国とカナダを対象に聴覚保護機能が追加された。 メモメモアプリで音声から自動で文章を書き出す機能やノートに手書き、もしくは打ち込みで計算式を書くと自動的に計算したりグラフを表示する機能が搭載された[3][4]。その他、ハイライトの色や折りたたみ式の書式が追加された。 Apple TVアプリTVアプリで「対話を強調」に対応[注釈 8]。インサイト(英: InSight)と呼ばれる機能で映画の最中に、出演している俳優や音楽をリアルタイムで表示して、俳優の他の出演作品を表示したりApple Musicライブラリに追加したりする事が可能になった[3][4]。 パスワードこれまでのiCloudキーチェーンが独立したアプリになった。Webサイトやアプリのアカウント、パスキー、Wi-Fiのパスワードなどを管理することができる。このアプリはiPhone、iPad、Mac、Apple Vision Pro、Windowsに対応している[3][4]。 ゲームモードmacOS Sonomaで追加されたゲームモードと同様の機能に対応した。これにより、ゲーム時のゲームアプリ以外の動作を極力控えることでゲームパフォーマンスを向上させる[3][4][12]。またBluetoothのポーリングレートを2倍に向上させることでコントローラーやAirPods Pro 2の接続遅延を軽減させる[13]。 マップ高度が表示に対応し、ハイキングコースをカスタマイズしたり、オリジナルのウォーキングやハイキングのルートの作成が可能になった[3][4]。 ウォレットウォレットに追加したパスに会場の案内やマップ、当日の天気などが表示できる機能が追加された[3][4]。 ホームiPhoneをポケットに入れたまま、Apple Watchを装着したまま何も操作せずにロックされたドアのロックを解除できる機能が追加された[3][4]。 カレンダー新しくなったデザインにより見やすさが向上したほか、リマインダーとの機能連携が可能になった[3][4]。 ファイルファイルアプリから外付けストレージデバイスのフォーマットが可能になった。形式はAPFS (Apple File System)、exFAT、MS-DOS (FAT)の3種類に対応。 プライバシーとセキュリティアプリに共有する連絡先が、今までは全てを共有するかしないかの二択だったが、自由に共有する連絡先をユーザー自身が選択する機能が追加された[3][4]。 緊急SOSライブビデオ緊急通報時に接続している機関とビデオ通話を行う機能に対応した(911番を使用する国が対象。日本ではこれとは別にLive119などのWebサービスがある)[3][4]。 アクセシビリティ「視線トラッキング」によって目線での操作に対応。その他、音楽に合わせiPhoneが振動する「ミュージックの触覚」、Siriが理解できる独自の発話音声を割り当ててタスクを実行させる「ボーカルショートカット」、自動車などに乗車中の乗り物酔いを軽減させるのに役立つ「車両モーションキュー」などの機能が追加された[14][3][4]。 デフォルトのアプリiOS 18.2ではデフォルトのアプリを管理する設定が追加され、以下の種類のアプリを対応のサードパーティー製アプリに変更することができる。 廃止機能iOS 8で登場したサードパーティー製の旧式のウィジェットが廃止され使用できなくなった(iOS 14以降に対応のウィジェットについての変更はない)。 バージョン凡例: 過去のバージョン 最新のバージョン 最新のベータバージョン 正式版
ベータ版
(注:全て日本時間) 対応端末以下は、iOS 18に対応している端末の一覧である[4]。 iPhone
脚注注釈
出典
関連項目外部リンク |