フジ (チェーンストア)
株式会社フジ(英: FUJI CO.,LTD.[3])は、広島県広島市南区に本社(登記上の本店は愛媛県松山市)を置き、中国・四国地方および兵庫県に店舗を展開するイオングループのスーパーマーケット・ショッピングセンター運営会社。 本稿では、2022年3月1日から2024年2月29日まで事業会社として存在した株式会社フジ・リテイリング(英: FUJI RETAILING CO.,LTD.)についても述べる。 概要2024年(令和6年)11月現在、後述する複数の店舗ブランド名で489店舗(兵庫県94店舗、岡山県62店舗、広島県60店舗、山口県48店舗、島根県4店舗、鳥取県4店舗、香川県73店舗、徳島県36店舗、愛媛県84店舗、高知県24店舗)を展開する。本社所在地は広島段原ショッピングセンター5階(広島イースト商業棟)、本店所在地は基幹店舗の一つであるフジグラン松山と同一で、本部ビルはフジグラン松山と伊予鉄道大手町線を挟んだ反対側にある。 神奈川県、東京都のスーパーマーケットチェーン「フジ」は富士シティオによる運営であり、両者の間に資本関係等は全くない。 沿革1967年(昭和42年)9月12日、広島市に本拠を置く、繊維卸売業の十和(後のアスティ、法人格はヨンドシーホールディングス〈4℃HD〉)の小売り部門として、全額出資で愛媛県松山市湊町に設立、同年10月6日にフジ1号店、宇和島店の開店。広島市の会社が、あえて愛媛県に出店した理由は、親会社の十和が広島を中心にして中国地方に約2,000店の取引先があり、中国地方で小売業を行った場合に不安と不信を与える可能性があったこと、また、十和の商圏外で比較的輸送に有利な場所として、あえて愛媛県への出店になった[4]。 フジの中国地方への本格進出は1980年代以降で、その方針は1978年(昭和53年)に決定したが[5]、大手スーパーの進出で経営不振になっていた福山のスーパー『くらや』の支援として、フジ・十和・くらや共同出資で『ニューくらや』を設立し運営するなど、親会社の問屋と小売業に進出しようとする微妙な立場での中国地方での営業も行っている[6]。 2018年(平成30年)10月12日に、イオン株式会社と資本・業務提携を締結[7]。その後、2019年(平成31年)1月16日にイオン株式会社が株主からの譲受により当社株式の一部を取得した後、同年2月28日には株式会社アスティが保有する当社株式の一部がイオン株式会社へ譲渡[8]。同年(令和元年)5月23日にはフジがイオングループのマックスバリュ西日本株式会社の株式の一部をイオンからの買付けにより取得した[9]。フジがイオングループ入りしたことで、先にイオングループ入りしていたライバルのマルナカ(2021年(令和3年)3月に山陽マルナカと共にマックスバリュ西日本へ合併)と合わせ四国でのイオングループの小売りシェアは他を大きく引き離してトップとなった。 2018年(平成30年)11月には当社が筆頭株主として保有していた4℃HDの株式全てを同社へ譲渡[10]したことにより、長年株式会社アスティとの間にあった事実上の株式持ち合いの関係が無くなり、さらには、2019年(平成31年)2月28日の株式譲渡により株式会社アスティに替わってイオン株式会社が当社の筆頭株主となった。2022年(令和4年)3月1日に株式交換によりマックスバリュ西日本株式会社を完全子会社化して経営統合すると同時に、総合小売事業を吸収分割により株式会社フジ・リテイリング(株式会社フジ分割準備会社から同日付で商号変更)へ承継、持株会社へ移行した。この株式交換によりイオンの出資比率が過半数を超えたため、フジはイオンの子会社となった。 2024年(令和6年)3月1日にマックスバリュ西日本とフジ・リテイリングを吸収合併し、本社を広島県広島市南区へと移転。事業会社に復帰し、マックスバリュ西日本が運営していた店舗を承継した。また、新本社についてもマックスバリュ西日本が2011年10月11日から使用していた本社社屋を受け継ぐ形となる[11]。広島市は上記の通り創業時の親会社であった十和の本拠地であり、フジが運営を引き継いだイオングループのフードディスカウント業態「ザ・ビッグ」を開発したみどり(マックスバリュ西日本の前身の一社)の本拠地でもある。 年表→統合前のマックスバリュ西日本の沿革はマックスバリュ西日本#沿革を参照
店舗形態フジが運営する店舗は同社(2022年3月から2024年2月まではフジ・リテイリング)が従来から展開するブランドに加え、マックスバリュ西日本が展開していたブランドも併合されているため、その構成や起源は複雑なものとなっている。 マックスバリュ西日本から継承したブランドの詳細は同企業の記事を参照。 全店舗の詳細は株式会社フジの店舗検索を参照。また、2024年2月以前に旧フジ・リテイリングが運営していたブランドの店舗はフジの店舗情報、旧・マックスバリュ西日本が運営していたブランドの店舗はマックスバリュ、マルナカ、ザ・ビッグの店舗情報も併せて参照。 現在営業中の業態GMS・SSM・SM
ショッピングセンター「フジグラン」「パルティ・フジ」は2018年3月の企業ロゴ及び、「フジ」店舗のロゴマーク変更後も従来のロゴマークを継続使用していたが、同年7月から、広告やホームページ上で既存ロゴの店舗ブランド名部分を新ロゴ(FUJI)仕様にしたロゴマークの使用を開始。近年はリニューアルなどを機に、屋外看板等も新ロゴ仕様のものに順次変更している。
ディスカウントストア
過去の業態
ポイントカード1987年から26年に渡ってフジの頭文字Fから名付けられた自社発行のポイントカード「エフカード」を発行していた。2013年3月より新カード「エフカ」への移行が行われ、同年8月をもって旧カードのサービスを終了、移行が行われなかった場合、ポイントは消滅している。新旧共に一般的なクレジットカードの大きさ・厚みのプラスティックカードである。 エフカ(新カード)2013年3月1日よりエフカードに変わる、電子マネー機能付きの「エフカ」を発行。電子マネーの名は「エフカマネー」。ポイント機能に関してはエフカードに準ずるが、税抜きでの購入100円ごとに1ポイントの通常ポイントとは別にエフカマネーでの税抜きでの購入200円ごとにボーナスポイントが付くようになっている。 2018年10月1日にクレジット機能付カードの「エフカクレジットカード」がMasterCardブランドを搭載し、MasterCard加盟店での利用も可能となった「エフカクレジットカードMastercard」へ刷新、デザインはスタンダードとキキ&ララの2種類が用意される。発行開始に伴い、従来のエフカクレジットカードやエフカVISAカード・エフカJCBカードは2019年1月31日をもってサービス終了となった[67]。 2020年4月17日にサニーTSUBAKIの店舗でも「エフカ」の利用が可能となったほか、同年8月17日からはニチエーの店舗でも従前から展開していた「ニチエーカード(ニチカ、2020年9月17日廃止)」に替わって利用が開始された。 2021年2月3日に65歳以上を対象とした「ビビッドシニアエフカ」と「エフカクレジットカードMastercardビビッドシニア」の発行を開始。「シニア感謝デー」(毎月15~17日開催)開催時に本カードを提示すると購入金額の割引が受けられ、さらに、「エフカクレジットカードMastercardビビッドシニア」でクレジット払いをした場合はクレジットポイントが5倍付与(購入時に通常ポイント分が付与され、翌月27日に残りの4倍分のポイントが付与)される特典が受けられる。カード券面は「ビビッドシニアエフカ」の場合は右側に黄色の背景に「ビビッドシニア」の文字が、「エフカクレジットカードMastercardビビッドシニア」の場合は「エフカマネー」のアイコンの左隣に「ビビッドシニア」のアイコンが入り、通常のカードとは区別される。 2023年6月26日に「エフカクレジットカードMastercard」(ビビッドシニアを含む)において、非接触決済のMastercardコンタクトレスに対応、カード番号・氏名・有効期限をエンボスから印字に変更して凹凸を無くした新デザインカードへ移行している[68]。 2024年5月20日を以って「エフカクレジットカードMastercard」のキキ&ララデザインの発行を終了(発行終了に先立って同年4月10日を以って新規入会受付を終了)。以降の再発行や有効期限更新カードはスタンダードデザインでの発行となる[69]。 また、前述の通り、フジのイオングループ入りに伴って、同年7月18日に子会社のフジ・カードサービスのクレジットカードに係るイシュア事業を同年11月1日付でグループ会社のAFSコーポレーション子会社のイオン銀行へ会社分割(簡易吸収分割)により承継[70][71]。これに伴って、「エフカクレジットカードMastercard」は2024年8月31日を以って新規入会受付を終了、クレジット・キャッシング・ETCカードの各種サービスも2025年3月31日までに順次終了となり、以降は既存の「エフカマネーつきポイントカード」と同等のサービスに格下げされることとなった。保有者には同年12月中旬以降、イオン銀行から順次「フジ・イオンカード」が送付される(イオン銀行が行う審査によっては送付されない場合がある)[71]。 エフカード・fjカード(旧カード)2013年8月まで使用できたカード。 現金払い時専用のポイント加算カードと、フジ店舗内、及びガソリンスタンドなど近隣のエフカード加盟店でのみクレジット払いやキャッシングが可能な18歳以上限定のいわゆるハウスカードがある。両者ともに2年に100円の会費が必要である。クレジット機能付の返済については通常の銀行口座自動引き落とし以外にも、店頭での持参払いも可能である。 2006年11月にはJCBブランドのついた「fjカード」も発行されるようになった。但しハウスカードとは異なり、こちらはフジ店内でクレジット払いをした場合はエフポイントが付かず、他のクレジット加盟店と同率で同様の提携カードの多くとは違って優遇はないOkiDokiポイントが付与される。fjカードを提示した上で現金払いをすれば、割引ポイントが付与される。 年会費は無料で中学生・高校生専用の「エフカード・ジュニア」というカードもあったがエフカ移行時に廃止された。 ポイント還元(エフカ・エフカード共通事項)購入額100円(税抜き)ごとに「割引ポイント」1ポイントが付与され、500ポイント毎に税込み500円の買い物ができる「割引ポイント券」が発行される。釣り銭が出ないので500円以上の買い物時に使用するよう推奨されている。割引ポイントの有効期限はかつてはなかったが、2017年現在は発行日の6ヶ月後の月末が有効期限となる。2000年から2007年までは毎年3月1日から翌年2月末日までの買い物額に応じた「ポイントアップサービス」を行っていたが終了している。 通常は100円で1ポイントだが、ほぼ毎週日曜日には「5倍デー」、毎月1・2日の「1・2祭」、毎月14日〜18日の「月の中市」などでポイント5倍キャンペーンを実施、食料品以外の多く、さらに食料品においても特定のジャンルでは10倍となることもある。2007年の旧サービス終了までは、プラス4ポイント、衣料・電機などは期間限定で9ポイントをプラスするセールを実施していた。 2002年頃までは「ポイント券」を使用した部分にも再度ポイントが付与される、いわゆる「複利方式」で運用されていたが、その後は付与されなくなった。 2007年末頃からレジ袋を辞退すると「エコポイント」として3ポイントが加算されるようになった。但し新居浜市内にある店舗の食品スーパー部門は、同市商工会議所等と締結した「レジ袋削減に関する協定」により、2009年6月からレジ袋の無料配布を中止しており、この制度が適用されない[72]。 補足2024年3月1日にマックスバリュ西日本を吸収合併したが、現時点で「エフカポイント」とマックスバリュ西日本が扱っていた「WAON POINT」はそれぞれの店舗での取り扱いとなるので注意が必要である。フジが運営する全業態で利用可能な電子マネーWAONに関しては、フジやフジグランでは電子マネーWAONポイントでの付与となる。 前述したとおり、イオン銀行から「フジ・イオンカード」[73]が2024年12月11日より申込受付(新規発行)が開始された。これにより、クレジット機能・「エフカマネー」・WAONが1枚のカードで賄えるようになり、「エフカポイント」と「WAON POINT」がどちらでも付与されるようになった(フジ・フジグラン・ピュアークック・ニチエー・スーパーABCで提示+クレジット払いをした場合は「エフカポイント」と「WAON POINT」の二重取りも可能)。国際ブランドは「エフカクレジットカード」と同じMastercardに加え、通常のイオンカードに倣ってVISAとJCBが加わり、3種類から選択可能となった。 フジカンパニーズ株式会社フジではグループ名称を「フジカンパニーズ」と称している。[74] 株式会社フジマート→詳細は「フジマート」を参照
株式会社フジマート四国株式会社フジデリカ・クオリティ
株式会社フジデリカ・クオリティは、愛媛県松山市に本社を置いていた株式会社フジの子会社である。惣菜・デリカ商品などの製造・販売等を行っていた。
その他グループ会社
以下はマックスバリュ西日本から引き継がれた子会社である。いずれも元々はマルナカの子会社であった。 脚注注釈出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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