イオンモール(英: AEON MALL)は、イオングループが運営する「モール型ショッピングセンター」および「大型ショッピングセンター」のブランド名である。
本項では、イオンモールの運営企業であるイオンモール株式会社(英: AEONMALL Corporation.)についても記述する。
ブランド名としてのイオンモール
従前イオングループが展開していた大規模ショッピングセンター(以下SC)については、施設の運営やその時代背景により「イオン○○ショッピングセンター」、「ジャスコシティ」などの「○○シティ」、「ダイヤモンドシティ」、「アイモール」などの「○○モール」等の業態で展開し、モール型SC・総合スーパー型SC・ネイバーフッド型SCに至るまで同一のブランド名を名乗っていた。他にも一部のネイバーフッド型ショッピングセンターでは「イオンタウン」「イオンスーパーセンター」などの名称を名乗り、形態別での差別化を企図する場合もあったことから、種別で統一されていなかった。
2007年8月に行われたイオンモールとダイヤモンドシティの合併で、両者のSC名が「イオンモール」に統一された。さらに2011年度からはイオンリテールが運営する「イオン○○SC」のうち、モール型のものに関しては季節セール企画を統一化するなどの対応を行ってきた。2011年9月にはロックタウンが「イオンタウン」に社名変更するとともに、ネイバーフッド型SC(食品スーパーが核店舗)の店舗ブランドも「イオンタウン」へ統一された。2011年11月21日にはイオンリテールなどが運営するモール型SC(総合スーパーが核店舗)が「イオンモール」に統一され、店舗ブランド名でSCの機能を区別することが可能となった。
2012年9月21日、イオンリテールのモール型SC新規開発事業がイオンモールに統合され、今後イオングループのモール型SC開発はイオン北海道、イオン九州、イオン琉球、イオンタウンとイオンモールが担当することになる。また、2013年11月1日にはイオンリテール運営の「イオンモール」(54か所、イオンレイクタウンのmori棟・アウトレット棟を含む)、大型規模の「イオン○○SC」(15か所、ゆみーる鎌取ショッピングセンター、イオンマリンピア専門館を含む)の計69か所の管理・運営がイオンモールに移管(プロパティマネジメント化)。ディベロッパー機能を統合した[3]。
2015年4月には、開業当初マイカルタウンとして営業していた一部の「イオン○○SC」も改装のタイミングで「イオンモール」となり、「イオン桑名ショッピングセンター(旧:マイカル桑名)」は2015年4月17日付で「イオンモール桑名」に、「イオン茨木ショッピングセンター(旧:マイカル茨木)」は同年4月29日付で「イオンモール茨木」に順次名称変更された。
キャッチコピーは「ハピネスモールをいっしょに」(2022年4月 - )。
- 店舗例
イオンモール株式会社
イオンモール株式会社(英: AEON Mall Co.,Ltd.[7])は、千葉県千葉市美浜区の幕張新都心に本社を置く、ショッピングセンター事業を展開・運営する企業である。商業ディベロッパーとしては日本屈指の規模である。
コーポレートメッセージは、「ひとも、まちも、きらきら」[8]。
沿革
運営・開発しているショッピングセンター
イオン(旧:ジャスコ、サティ)等の総合スーパーを核店舗とし、サブ核として家電、スポーツ等の大型専門店を配置。100店以上の専門店モールで両核を結ぶリージョナル型(広域商圏型)のモール型ショッピングセンターを得意としている。シネマコンプレックスも積極的に導入。敷地面積10万m2以上、商業施設面積6万m2以上、駐車台数3,500台以上をプロトタイプとし、郊外、準郊外を中心に展開している。イオン株式会社や旧ダイヤモンドシティとの関連で、三菱商事や不動産投資信託を行う日本リテールファンド投資法人(現日本都市ファンド投資法人)などの三菱グループとの提携を継続しており、海外進出戦略を含め、両グループの共同で一部のショッピングセンターを開発・運営している。
プロパティマネジメントも手掛けており、2009年にJR東日本からペルチ土浦の運営を受託、2010年に京都駅南西のイオンモールKYOTO(旧称:ヴィノワ)の運営を受託、2015年に甲府市中心部にあるココリの運営を受託するなど、得意としている郊外、準郊外型商業施設のみならず駅ビルや都心型商業施設の運営も手掛けている。
ショッピングセンター開発では、同じイオングループ内に総合スーパーや大型モール(2015年開業のイオンモールとなみなど)を開発するイオンリテールや、ネイバーフッド型のイオンタウンがあるが、特に棲み分けはなく、グループ内で顧客や用地の取り合いになることもある。また、西日本では平和堂の展開するアル・プラザ、イズミの展開するゆめタウン、ユニーの展開するモール型ショッピングセンター(○○ウォーク××)、イトーヨーカ堂・三井物産連合の展開するアリオなどとの競争も激化している。
ショッピングセンターを建設すると人が集まるうえ消費が伸び、周囲の地価も上がるため、税収増や街の活性化のために誘致されるケースもある。他方で周辺市町村や商店街からは、街の衰退が起こる、周辺道路の渋滞が発生する等として反対されるケースが多い。福島県伊達市への建設計画では、伊達市が誘致し、福島市など周辺自治体が反対を表明している。
同社の展開するショッピングセンターには、元々「イオン○○ショッピングセンター」と名乗っていたものと、それ以外の名称のショッピングセンター(旧ダイヤモンドシティ系など)とがあったが、2007年9月22日、京都ファミリー・ならファミリー、大津ショッピングプラザを除く全ての施設の名称が「イオンモール○○」に変更された。後にイオンリテールが管理・運営するモール型ショッピングセンターも「イオンモール○○」に変更され、2013年11月には管理・運営主体もイオンモールに移管された[注 4]。
2022年7月時点でのモール及び店舗数は日本国内では北海道2(イオンモール・カテプリ)、東北16(イオンモール15・オーパ1)、関東38(イオンモール31・オーパ4・ビブレ1・その他2)、中部29(イオンモール27・オーパ1・その他1)、近畿41(イオンモール34・イオンショッピングセンター2・オーパ2・ビブレ1・その他2)、中国・四国16(イオンモール14・THE OUTLETS1・その他1)、九州・沖縄15(イオンモール12・オーパ2・THE OUTLETS1)の計157。海外では中国23、ベトナム7、カンボジア3、インドネシア6の計39となる。
このうち、神奈川県の横浜ワールドポーターズ(旧・ワールドポーターズビブレ)、愛知県のmozoワンダーシティ、兵庫県の神戸ハーバーランドumie[30]と三宮オーパ2はプロパティマネジメントによる運用である。
当社が運営する「イオンモール」「イオンショッピングセンター」を冠するSCの殆どは、「イオン」又は派生業態の「イオンスタイル」を核店舗としているが、イオンレイクタウンkaze棟はマルエツが運営する「マルエツ」[注 5]、イオンモールKYOTOは光洋が運営する「KOHYO」、イオン藤井寺ショッピングセンターはダイエーが運営する「イオンフードスタイル」、イオンモール新利府 北館はイオンビッグ[注 6]が運営する「ザ・ビッグ」を核店舗とするような例もある。イオンモール北大路はビブレから転換された店舗のため、特定の核店舗を持たない(食品スーパー部分としては光洋が運営する「KOHYO」がビブレ時代から営業している)。なお、北海道・東北・九州・沖縄の「イオン」については、イオン北海道・イオン東北・イオン九州・イオン琉球がそれぞれ運営する。
各SCの概要等についてはCategory:イオンモールの各SCの詳細記事を参照。
今後のオープン予定
日本
世界
- 中国[49]
- (仮称)イオンモール天津武清
- (仮称)イオンモール広州金沙洲
- イオンモール河北燕郊
- (仮称)イオンモール武漢石橋
中止された計画
- イオンモール野田(千葉県野田市)[50] → センコー/イオン北関東RDC、野田船形ショッピングセンター(イオンタウン)
- 同市内のジャスコ(現・イオン)ノア店及びロックタウン(現・イオンタウン)野田七光台との競合を避けるために、核店舗は総合スーパー業態ではなく百貨店業態とする予定であった。当計画地が面している国道16号を西に7km余り向かった位置にはイオンモール春日部が2013年3月5日に開業している。
- イオンモール松前(愛媛県伊予郡松前町)→他社との競争に敗退
- 日本たばこ産業の工場跡の20万平米の広大な敷地を巡って、フジグランなどを手掛けている地元のフジ、およびゆめタウンなどを手掛けている隣県地盤のイズミという中四国勢と、イオンが競売で対立した。松山市のベッドタウンという好立地だったが、最終的に地元のフジに落札を許す結果となり、2008年に中四国最大級のショッピングモールであるエミフルMASAKIが開業した(ただし、後にフジがイオングループに参入したため、エミフルMASAKIもイオングループの商業施設に属することになった)[注 7]。
- イオン湯川ショッピングセンター(福島県河沼郡湯川村)→条例により断念
- イオンにより開発が予定されていたが、「福島県商業まちづくりの推進に関する条例」により断念した。
- イオンモール瑞穂(岐阜県瑞穂市)→撤回、後にイオン系の別形態で出店
- イオンモール高崎駅前(群馬県高崎市)→OPAとして出店
- 「高崎ビブレ」跡地と周辺敷地を一体化させた新たな商業施設として建設される。敷地面積7400m2、延床面積4万5000m2を予定、当初はイオンモールとしての出店を予定していたが、2017年秋に高崎オーパとして出店することになった[52]。
- ダイエー神戸三宮(兵庫県神戸市中央区)→OPAとして出店
- イオン新三田ショッピングセンター(兵庫県三田市)→市・商工会の反対により断念
- 新三田駅前に開発が予定されていたが、市と商工会の反対により断念した。近くにあるイオン三田ウッディタウン店(当時は三田ウッディタウンサティ)も同じく反対されていたが反対していなかった周辺住民と自治会が、通産省に乗り込み許可された。だが、イオン新三田ショッピングセンターについては許可されなかった。その後、2006年に隣接する神戸市北区にイオンモール神戸北(当時はイオン神戸北ショッピングセンター)が開業した。
- イオンモール那珂(茨城県那珂市)→白紙撤回
- まちづくり3法施行の関係で着工などが遅れ[55]、白紙。最終的に既存の店舗(イオン那珂町店)を改装することで落ち着いた。その後、イオンは新型コロナウイルスによる市場情勢の変化や地権者の同意が得られなかったことから同地での開発を完全に断念し、他社に事業を継承したことを2022年7月に那珂市に通知した[56]。
- 福井県鯖江市に計画していたイオンモール→白紙撤回
- 2006年から2007年頃に計画していたが、福井県や周辺市、既存商業施設が反対した事に加え、イオンとしても出店に積極的では無かった事もあり、頓挫した[57][58]。
かつて手がけていた施設
- ペルチ土浦(茨城県土浦市 土浦駅ビル)
- 東住吉ショッピングセンター
- あびこショッピングプラザ(千葉県我孫子市)
- エスパ川崎
- ダイヤモンドシティがプロパティマネジメントを担当。
- 鳥取グリーンシティ
- 名西ショッピングセンター
- 建て替え後、跡地は2013年に「イオンタウン名西」として再開業(当社は運営していない)。
- 横須賀APT
- 京都ファミリー
- 2013年2月28日でプロパティマネジメントの契約を終了。
- ならファミリー
- 2018年2月28日で管理・運営業務受託契約が終了。
- ショッピングセンター ソヨカふじみ野
- 2018年2月20日で管理・運営業務受託契約が終了。現・日本エスコン運営のトナリエ ふじみ野
- カテプリ
- 2016年より当社が運営を開始したものの、2024年6月30日をもって当社としての運営を終了。翌7月1日からは札幌副都心開発公社(施設保有者でもある)が運営する[59][27]。
脚注
注釈
- ^ 旧・イオンモールとしては東京都初のSCとなる予定であったが、ダイヤモンドシティとの合併によりイオンモールむさし村山ミュー(現在のイオンモールむさし村山)が加わった為、東京都初のSCでは無くなった。
- ^ ならファミリー・京都ファミリー・大津ショッピングプラザは前回に引き続き改名の対象外である。
- ^ なお、北海道内には以前からイオンモールが6ヶ所あるが、全てイオン北海道の運営である(前述のモール型SCのブランド名称変更・統一に伴う。)。
- ^ 旧マイカル・旧マイカルタウンのイオンショッピングセンターは現行名称のまま継続していたが、一部の旧マイカルは改装を機に順次「イオンモール」に改称している。
- ^ かつては「ビブレジーン」(開業当初は「ビブレ」、運営会社はマイカル→イオンリテール→OPA→イオンモール)も「マルエツ」と共に核店舗として入居していた。
- ^ 開業当初はマックスバリュ南東北の運営だったが、2024年3月1日の合併によりイオンビッグの運営となる。
- ^ フジは2018年10月にイオンと資本提携を結び、2024年3月までに同じイオングループのマックスバリュ西日本と経営統合するとしている[51](その後、2022年3月1日にマックスバリュ西日本とフジ・リテイリングを持株会社「フジ」の子会社とする経営統合を実施し、2024年3月1日にフジがマックスバリュ西日本とフジ・リテイリングを吸収合併した)。
- ^ 開業当初(2014年7月10日)はマックスバリュ中部の運営で、合併により2019年9月よりマックスバリュ東海の運営。
出典
参考文献
- ジャスコ株式会社 編『ジャスコ三十年史』ジャスコ株式会社、2000年12月。
- イオン株式会社 編『イオンの歴史2020』イオン、2020年6月。
関連項目
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