駆ける男
『駆ける男』(かけるおとこ)は、松本清張の短編小説。『オール讀物』1973年1月号に掲載され、1977年9月に短編集『馬を売る女』収録の1作として、文藝春秋より刊行された。 1980年にテレビドラマ化されている。 あらすじ瀬戸内海に面した名勝地の丘に聳える「亀子ホテル」。高貴な方も宿泊した由緒あるホテルで、4階の特別室には、皇族が御宿泊になった際の調度がそのままに残されていた。また、丘の下にはホテルと同じ経営の料理屋「蓬莱閣」があり、ホテルとは急傾斜の渡り廊下で結ばれていた。 北陸地方の成金・村川雄爾は、若い後妻の英子を連れて特別室に宿泊した。雄爾は心臓が少し弱く、身体を大事にしていた。夕食を取るため、丘の下の蓬莱閣へ降りた2人。しかし食事のあと、蓬莱閣の女中頭・鎌田栄子を見た雄爾は、「あいつが、居た…」と放心したように云い、脱兎のごとく走り出した。急傾斜の渡り廊下を飛ぶように駆け上がる雄爾。「駆ける男」はそのまま心臓麻痺で死亡した。 一方、客の留守を見計らい、こっそり特別室に潜入する男があった。蒐集狂の山井善五郎は、全国各地のホテルの「高貴の間」に侵入し、ゆかりの備品を頂戴してコレクションにするのが趣味であった。桐の鍍金飾りを剥がし首尾よく目的を達した善五郎だったが、床の上に奇妙な物が転がっているのを目にする。 エピソード
関連項目
テレビドラマ
「松本清張の駆ける男」。1980年7月19日、テレビ朝日系の「傑作推理劇場」第1作として「土曜ワイド劇場」枠にて放映。 2024年3月29日に発売されたDVD『傑作推理劇場ベストセレクション Vol.1<HDリマスター版>』として初ソフト化された[3]。
脚注・出典
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