河﨑 秋子(かわさき あきこ、1979年[1] - )は、日本の小説家。元羊飼い。
経歴・人物
北海道別海町生まれ[2]。帯広大谷高等学校[3]、北海学園大学経済学部卒業[4]。学生時代は文芸サークルに所属していた。大学卒業後、ニュージーランドで1年間、綿羊の飼育技術を学ぶ[1]。その後、酪農を営む別海町の実家で酪農従業員の傍ら、綿羊を飼育・出荷した[1][5]。
2011年、「北夷風人」が第45回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)で佳作に入選する[6]。2012年、「東陬遺事」(とうすういじ)で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞する[7]。2014年、「颶風の王」で三浦綾子文学賞を受賞する[8]。2016年、同作でJRA賞馬事文化賞を受賞する[9]。「作家では中島敦が好きで、憧れている」と語っている[2]。2019年、『肉弾』で第21回大藪春彦賞受賞。同年末より、十勝管内の街に移住し専業作家となる。2020年、『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞受賞、第33回三島由紀夫賞候補。2020年度釧新郷土芸術賞受賞[10]。2022年、『絞め殺しの樹』で第167回直木賞候補。2024年、『ともぐい』で直木賞受賞。
動物と北海道の近現代史を題材とした作品が多い。動物を題材とするのは羊飼いの経験が影響しており[11]、北海道史の知識は学生時代に制作会社で市町村史や歴史資料をアーカイブ化する手伝いのアルバイトをした経験が生かされているという[12]。
作品リスト
著作
- 『颶風の王』(2015年8月 KADOKAWA / 2018年8月 角川文庫)
- 『肉弾』(2017年10月 KADOKAWA / 2020年6月 角川文庫)
- 『土に贖う』(2019年9月 集英社 / 2022年11月 集英社文庫)
- 『鳩護』(2020年10月 徳間書店 / 2023年7月 徳間文庫)
- 『絞め殺しの樹』(2021年12月 小学館)
- 『鯨の岬』(2022年6月 集英社文庫)
- 『介護者D』(2022年9月 朝日新聞出版)
- 『清浄島』(2022年10月 双葉社)
- 『ともぐい』(2023年11月 新潮社)
共著収録作品
雑誌掲載作品
- 小説
- 「南北海鳥異聞」」 - 『小説すばる』2018年1月号
- 「うまねむる」 - 『小説すばる』2018年6月号
- 「洞ばなし」 - 『小説トリッパー』2020年夏季(6月)号
- 「梁が落ちる」 - 『小説宝石』2020年8・9月合併号
- エッセイ等
- 「コーチャンフォー」 - 『すばる』2019年1月号
- 「羊飼い記念日」(全24回) - 『カドブン』2019年連載
- 「羊飼い終了記念日」 - 『週刊ポスト』2020年1月31日号 - 2020年7月10日・17日合併号 連載
脚注
出典
- ^ a b c 河﨑秋子 羊飼いのつぶやき | どうしんウェブ/電子版
- ^ a b 北海道で生まれた規格外の大傑作! 馬と人の尊き歴史がここにある 『颶風(ぐふう)の王』 (河﨑秋子 著)|インタビュー・対談|「別冊文藝春秋」編集部|本の話WEB
- ^ “母校の大谷高に河崎さんコーナー(十勝毎日新聞)”. 十勝毎日新聞電子版 (2024年3月2日). 2024年3月2日閲覧。
- ^ 受賞者インタビュー<創作・評論部門> | どうしんウェブ/電子版 第46回北海道新聞文学賞
- ^ 『小説すばる』2017年7月号. 集英社. pp. 26.
- ^ 第45回北海道新聞文学賞 | どうしんウェブ/電子版
- ^ 第46回北海道新聞文学賞 | どうしんウェブ/電子版
- ^ 【速報】三浦綾子文学賞 受賞作決定 | イベント情報 | 三浦綾子記念文学館
- ^ 2015年度JRA賞馬事文化賞が決定! JRA
- ^ “釧新郷土芸術賞”. 釧路新聞電子版. 2020年12月31日閲覧。
- ^ “文学界を瞠目させたのは、北海道の過酷な自然に生きる一人の羊飼いだった!驚異の新人が描く〈唯一無二の作品〉とは”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2023年4月26日閲覧。
- ^ “第213回:河﨑秋子さんその4「めん羊のこと、デビューのこと」 - 作家の読書道|WEB本の雑誌”. WEB本の雑誌. 2023年4月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
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1930年代 - 1950年代(第1回 - 第42回) |
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1940年代 |
- 第11回 堤千代『小指』他/河内仙介『軍事郵便』
- 第12回 村上元三『上総風土記』他
- 第13回 木村荘十『雲南守備兵』
- 第14回 該当作品なし
- 第15回 該当作品なし
- 第16回 田岡典夫『強情いちご』他/神崎武雄『寛容』他
- 第17回 山本周五郎『日本婦道記』(受賞辞退)
- 第18回 森荘已池『山畠』『蛾と笹舟』
- 第19回 岡田誠三『ニューギニヤ山岳戦』
- 第20回 該当作品なし
- 第21回 富田常雄『面』『刺青』他
- 第22回 山田克郎『海の廃園』
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1960年代 - 1970年代(第43回 - 第82回) |
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1980年代 - 1990年代(第83回 - 第122回) |
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2000年代 - 2010年代(第123回 - 第162回) |
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2020年代 - 2030年代(第163回 - ) |
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